シルバーホワイト
意外なところで光るから
さめた両目が必要で
たしかに見れば 滑走路
雨のしずくをたたきつけ
ちらばり かたまる 生命を
拾いあつめて 完璧な
立体 できたら 雪のよう
あなたの顔にたたきつけ
理想と真実 あらそわせ
負けたら ただちに廃棄して
誰かがよろこぶ わたしもうれしい
やがて裏切り すみきった
音を探して 迷いこむ
そこは夕立 どうせみにくい
エーテル
それではいっしょに数えましょう
おなかの上にほくろ ない
肩のうしろに みっつ ある
川に浮かんだ花いかだ
わたしはさらわれ あきらめて
水と子供の見張りして
思い出 ながめるひまもない
砂漠のおきて 守るなら
壺にひそんで さあ 逃げて
パイプにつまって 本を読む
壁がたくさんある街に行け
一番高いところから
ひとつのわたし 呼びとめる
あなたは鼻にコガネムシ のせ
寒色暖色
さまよう貝の足跡に
ささやかすぎる抗議では
なんの解決にもならず
わかちあえるもの その差別
今日からわたしは換気扇
どんな原理でとかされて
気がつけば身も心も 歯
ドライアイスにしみるとき
わたしはあなたをひとりじめ
わたしなりにはがんばって
わたしの王国 繁栄させて
プレパラートの盾 かまえ
スポイト にぎった下級生
空想だけで 神さま 泣かせた
静物
どこで飛んでも場ちがいで
不安にかられ 水色の
うつくしい日に 宮殿は
悪魔がねらう おしまいだ
船酔い つづく 永遠に
神聖だという保証 なく
あたらしい線 引きおわり
標本にしたハリネズミ
紙風船の密売で
なんとか 消息 つかめたら
あとはゆっくり あなたを思う
ちいさな夢を聞いてから
深く鏡に埋めこまれ
エスカレーター のぼって おりて
ある晴れた日に
あなたの慈悲をあてにして
ソファに寝そべり 考えた
サイフォン ことこと つぶやいて
首をかしげる おだやかに
自分でなんとかしなさい と
言われたことが気にかかる
勝手に煙は立ちのぼる
たのもしいけど かんちがい
雨戸のすきま 光 さし
絵の具も粘土も このために
銀とむらさきの地球のために
むかし むかしの物語
やっぱりあなたはわがままだ
暗い力を求めて ねだって