暗号通貨は中央機関なく価値を転送できる手段だ。 言葉のとおり分散化されている。 これは、投資家に暗号通貨の必須要素の一つとして認識されている。 しかし、皮肉にもこのような暗号通貨を取引する取引所は中央化されている。
中央集権化された取引所の形態により、起こる問題は多様である。 取引所の暗号通貨入出金を停止し、人為的に価格を引き上げる行動や採掘型取引所を通し投機的性向が濃い「取引所トークン」を発行した取引所がそれに該当する。 国内の場合、自主規制案が設けられていることはある。 また、取引所の中央サーバーがハッキングされたら、ホットウォレットに保管された投資家の暗号通貨がそのまま晒される問題も持っている。
取引所の中央集権化で発生する問題は、既にいくつかの事例を通じ証明された。 2018年6月、韓国取引所‘コインレール’は、取引所のハッキングで530億ウォンの被害を受けたが、明確な補償案なくサービスを再開した状況である。 同じ時期ビッサムもハッキングで約350億ウォンの暗号通貨被害を被った。 ビッサムの場合、独自の資本を通じ被害額を回復したが、ハッキングされたコインの回収は、一部にとどまった。 ハッキングされたアルトコインの暴落が起こり得る不安感は依然として残っている。
このような中央集権化取引所の問題点を解決しようと現れた取引所が'分散型取引所(DEX)'だ。 投資家が使用する暗号通貨の個人のウォレットをプラットフォームに直接アクセスしブロックチェーンを通じ取引がなされる方式だ。 取引がブロックチェーンを通じ行われるため透明であり、取引所自体がハッキングされる危険を減少できる。
分散型取引所の場合、ブロックチェーンで有名な人物の支持発言があった。 イーサリアムの創始者ヴィタリック氏は去る7月6日 Techcrunchとのインタビューで、中央集権型の仮想通貨取引所に対し「地獄で焼かれてしまえ」と猛非難をした。 また、ヴィタリック氏は、中央集権化された暗号通貨取引所が約1000万ドルの上場手数料を課すことで、特定の暗号通貨のみ育てる危険を持っているという点も批判した。 暗号通貨取引所バイナンスの代表Changpeng Zhao氏 は「分散型取引所が未来」と明らかにし、バイナンスDEXのベータ版を来年初めにローンチする計画だ。
しかし、分散型取引所も問題点が存在する。 まず分散型取引所は、投資家の個人ウォレットを直接介しアクセスしなければならないため、投資家ウォレットのプライベートキーが流出する可能性が高い。 プライベートキーの流出を通じ被害を被った投資家は、中央機関がないので、投資金の保護を受けるのは難しいものとともに、ブロックチェーンを通し取引が行われるため、ブロックチェーンネットワークが51%の攻撃などを通じ不安定になれば分散型取引所もまた揺れる。
ならば、取引所はどのような形で発展すべきか? まず、投資家が預けた資金を保護しなければならず相場操作に対する可能性を防止できる対策が不可欠である。 これらの保護対策は、中央で監視及び管理し、責任を負う機関が必要である。 また、分散型取引所のように取引記録がブロックチェーンに記録され透明性かつ変更できない帳簿維持も必要である。
したがって、筆者は規制された中央機関が管理し、ブロックチェーンの長所を導入した取引所が必要だと考えている。 取引所は、政府のガイドラインを通じ上場を進め規制の中に合う投資家の保護対策を講じ、取引記録をブロックチェーンに記録し、透明性かつ修正不可能な取引履歴を維持しなければならない。 特に非正常的な取引を含むすべての取引記録をブロックチェーンに記録する場合、監視機関のリアルタイムの監視が可能である。
取引記録をブロックチェーンに記録すれば、個人情報保護に対する問題が発生する可能性があるが、取引内訳は暗号化してブロックチェーンに記録し、復号化のためのプライベートキーは取引所使用者のアカウントを通してのみ使用できるように提供するならば解決できるはずである。
パブリックブロックチェーンと暗号通貨の分散化の性格が現在まで長所として浮上しているのは事実だ。 しかし、価値を持つ資産を取引する取引所を統制する中央機関がない場合、投資家保護と相場操作にかなり脆弱な市場になるだろう。 現在現れている中央集権化された取引所の問題点だけを持って分散型取引所のみを固執するよりは投資家を保護でき市場を透明に作れる融合された取引所に発展することが正しい方向ではないか?
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