記事投稿日の7月25日になってもまだ梅雨が明けず、曇り雨の天気が続く2020年の京都。
でも気温は上がり、京の暑い夏はぼちぼちやってきています。
この季節は緑がきれいなので、山の方へ行きたくなります。
今回は、京都盆地の西北の山の中、高雄にある高山寺(こうざんじ)にお出かけしてきました。
知っている人は案外少ないのですが、この高山寺はあのユネスコの世界遺産に登録されているんです。すごいお寺ですよね。
では、梅雨明け前の高山寺に行ってみましょう!
高山寺は下の地図のように、京都盆地の西北の山の中、高雄にあります。
交通手段ですが、こんな山の中なので鉄道は通っておらず最寄り駅はありません。
京都駅から路線バス(JRバス)が30分に1本程度出ていますので、それに乗って栂尾(とがのお)バス停まで約1時間かかります。
もちろん僕は公共交通機関が不便な場所に行くときにはいつもマイカーなので、ちょっとしたドライブ感覚で行けちゃいます。
高雄観光駐車場。
このあたりは山で平地がほとんどありませんが、狭い平地に観光駐車場とバス乗り場が作られています。
京都駅からのバスはここに着きます。
このバス、西日本JRバスなんですよね。なんで?
詳しくは鉄道かバスオタクの人に聞いていただくのが良いのですが、戦前に京都から京都府と福井県の県境を越えて福井県小浜に至る国鉄の鉄道路線が計画され、その先行として国鉄バスが運行された名残りがこの西日本JRバスとのことです。
この鉄道計画はとっくに無くなったかと思いきや、最近思わぬ形で復活してきました。それが北陸新幹線延伸計画です。
北陸新幹線延伸はほとんどトンネルでこの高雄のあたりは通らないと思われますが、それでも小浜と京都が鉄道で結ばれるのは、戦前の鉄道計画の予想外の復活なのですね。
駐車場の道を隔てた向かい側は清滝川。
曇り雨ですが清流っぽい青緑色をしていて、夏らしいです。
駐車場のすぐ横には高山寺の裏参道がありますので、ここから高山寺に向かいます。
といっても、坂を数分登るだけ。
駐車場やバス停からは便利な場所ですね。
高山寺の境内に入ると、一面緑に囲まれています。
木々の向こうに屋根が見えるのが、国宝の石水院です。
では、高山寺のメインの建物、国宝の石水院というお堂を拝観します。
緑に囲まれたしっとりした感じの書院。石水院につながっています。
ここからお堂に上がらせていただきます。
書院から渡り廊下で石水院へ。
国宝ですがお堂の中に入れて、縁をぐるっと一周することができます。
この日は拝観者の退屈した子供が鬼ごっこで走り回ってましたねw。
さすがに国宝の中で鬼ごっこはいかんやろ…、ということで係の人が出てこられてました。
石水院内部。
シンプルな感じです。というか、国宝なのに自由に写真が撮れるのがすごい。
子供も走り回るなど、山の中のゆるい感じがとても良いですw。
石水院は、鎌倉時代に高山寺の事実上の開祖である明恵上人に後鳥羽上皇の学問所を下賜された建物。
明恵上人時代から残るの唯一の遺構で、鎌倉時代の初期における寝殿造の特徴を残していることが貴重とのことです。
石水院の苔庭に木漏れ日があって、きれいな緑色。
夏らしい。
石水院の中には、超有名で大人気の鳥獣人物戯画が展示されています。これも国宝です。
この鳥獣人物戯画、高山寺が所有しているんですよ。
もっとも、実物は京都と東京の国立博物館に寄託されており、展示してあるのは模本なので、このように写真も撮れます。
こちらの掛け軸は明恵上人樹上坐禅像です。
樹の上で座禅をされている明恵上人は実質的な高山寺の開祖。
これは鳥獣人物戯画ほど知名度がないのか見ている人が少ないのですが、実はこのお軸も国宝です。ガイドさんいわく、これが高山寺の一番の見ものらしい。
もちろんこれは複製で、実物は京都国立博物館に寄託。
これら以外にも数点の国宝を高山寺は所蔵しています。
高山寺って山の中のお寺なのに国宝だらけやん、さすが世界遺産に登録されるだけのことあるわ、という感じですね。
石水院・廂(ひさし)の間。
これは僕が好きなアングルで、高山寺に来るたびにこの写真を撮っています。
国宝の石水院のお堂で、緑の背景に仏教の童の一人である善財童子がシルエットで浮かび上がります。
秋には背景が紅葉になって、冬は雪で白くなって、それもまた素敵。
石水院南縁。
額縁庭園の緑がきれい。
もうちょっと前に出てみましょう。
高雄の山を借景にした庭園の緑が元気そうですね。
書院では高山寺の御朱印帳を頒布しておられたので、一冊求めました。
今まで使っていた御朱印帳がいっぱいになったので、新しい御朱印帳です。
下の方に鳥獣人物戯画が書かれており薄緑色が素敵で、シンプルで親しみがあり気に入りました。
この鳥獣人物戯画の御朱印帳に御朱印をいただきました。
本尊釈迦如来 高山寺と書かれています。
それでは石水院を出て、境内をめぐりましょう。
杉木立に囲まれた境内に、建物が点在しています。
こちらは金堂。
これは仁和寺から移築されたとされます。
釈如来像を本尊とするとのこと。
参道はでっかい北山杉に囲まれて、壮大な雰囲気です。
でも写真には写っていませんが、台風のせいでだいぶ杉の木が倒れたみたいで、木が切られてがらんとした空き地になっている場所もありました。
裏参道から入ってきたので、表参道から帰りましょう。
振り向くとこんな杉だらけの境内で、雰囲気がありますね。
ちょっとした散歩というかドライブでしたが、すっかり山の中に入って湿気の多い新鮮な空気を吸って帰ってきました。
曇り空なのでそれほど暑くもなくて、なかなか良い感じ。
さあ、遅くなってますがいよいよ暑い京の盛夏がやってきます!
暑いのはバテるのですが、自然が一番元気なこの季節、実はちょっと楽しみなのです。
また、夏にどこかへ散歩したら記事にしますので、読んでくださいませ!
Camera: LUMIX G8
Lenses: LEICA 15mm F1.7, LUMIX 25mm F1.7, 42.5mm F1.7
旧ブログでも高山寺の夏の写真を載せています。