京都東山、銀閣寺から少し下がった静かな場所に法然院はあります。
とても趣のある山門が有名なお寺です。
この法然院、山門は自由に拝観できて多数の方が訪れるのですが、お寺の建物(伽藍)の中は非公開。
しかし、春と秋のそれぞれ1週間だけ、建物の中を特別公開されます。
今回、法然院秋の伽藍(がらん)内特別公開に行ってきて、とても素晴らしかったのでレポートします!
法然院山門
とても有名ですね。
左にある「不許葷辛酒肉入山門」というのは、匂いの強いもの(ニンニクなど)や辛いもの、酒や肉を持ってこの山門に入ってはいけないということ。
厳しい規律です。
自分は特にこのようなものを持っていなかったので、堂々と山門をくぐります。
山門をくぐると、参道の両脇に白砂壇(びゃくさだん)が見えます。
モミジが描かれていておしゃれ。
もちろん絵柄は季節によって異なります。
このような細やかな配慮が、とても素敵です。
では、いよいよ特別公開の法然院伽藍内(建物内)へ入らせていただきましょう!
法然院方丈庭園。
まだまだ緑が美しい。
池に石橋が架かっています。向こう側は彼岸、あの世を意図しているとのことです。
方丈は、もと伏見にあった後西天皇の皇女の御殿を移設したもの。
狩野光信筆の襖絵(重文・桃山時代)と堂本印象筆の襖絵を見せていただけます。
茶室から見る中庭も美しいですね。
実は、法然院特別公開のメインはこれなんです。
ご住職の法話。
とても有名な梶田真章住職(貫主)が一日5回も法話をしてくださいます。
今年は時間の関係で拝聴できなかったのですが、昨年や一昨年は日本の仏教の歴史から各宗派の特徴などを説明されていました。
ご住職は「坊主は法話をしなくなった、サボっている」と言われておられました。なかなか過激…。
参拝者からするとお坊さんのお話まで聞けるとひときわありがたく、印象に残るものですものね。
法話の最後には、何でも質問コーナー(ALISでいうところのAMA)もあって、昨年は「いわゆる観光寺院についてどう思うか?」と、ちょっときわどい質問が出ていたのを覚えています。
ご住職からは観光寺院の例としてとある京都の具体的なお寺の名も出ておおっと思いましたが、それぞれのお寺でいろいろなお考えがあると思うと無難なお答えをされていました。
お庭のところどころでこのような素敵な光景が見られて、心が落ち着くとともにインスタ映えする写真も撮れますw
廊下の壁にはいろいろな写真や言葉が貼ってあります。その一枚。
先代のご住職のお言葉。
役割によってのみ人間関係が規制される現代利益社会の中で、
役割によらない人間関係の小さな場所を創ることを夢見たいだけである。
ん?これってALISの目指すところに近いんじゃないの?
ALISに限らず、トークンエコノミーの目指す理想はこのような宗教的な世界と重なる面があるのかもしれませんね。
面白いです。
再度、方丈庭園を拝見します。
低くなった秋の日に照らされたお庭をゆっくりと眺めると、気持ちが落ち着いてきます。
法然院伽藍は普段は非公開なので、御朱印をいただける機会はあまりありません(御朱印だけ出される日もあるよう)。
今回は、特別公開に合わせて御朱印もいただきました。
びっくりしたのは、御朱印をお願いするときに係の方に「拝観もされますか?」と聞かれたこと。
御朱印だけもらって拝観せずに次の寺社へ行かれる方もいるので、このように尋ねているようです。
御朱印は参拝の証なのに、拝観しないなんて!
第一、法然院のような素晴らしいお寺の中を見ずに帰るとはもったいないです。
ゆっくりと伽藍内を見ていたら、すっかり夕方になっちゃいました。
もう山門は閉まっています。
山門に降り注ぐ夕陽の木漏れ日が、センチメンタルでたまりませんw
帰り道、日が沈みかけた哲学の道。
木々の葉も道行く人の服装も、すっかり秋の装いです。
Camera: PENTAX K-3II with SIGMA 17-70mm F2.8-4
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