故・高畑勲さんと宮崎駿さんは、不思議な関係でした。
一見、不仲なのかと思ってしまう言動もありました。
宮崎駿さんは、普段は「あいつの作るものなんかぜんぜん面白くない!」と、そう言い切るけれど、公の場(式典などのスピーチ)では、高畑勲さんをきちんと立てていました。
クリエイティブな仕事とは、自分の表現したいものを極限まで表現することだから、他人の表現したいものに共感できないことも、おおいにあると思っています。
クリエイターが、モノづくりをする際は、同じものを表現したいと思うことはまれだと思います。なので、監督が複数いるなんてほとんど聞きません。
でも、2人はジブリという枠内で、お互いを排除する(完全に関わらないようにする)ことはしていなかったのだなと思いました。
宮崎駿さんほどの影響力があれば、別にスピーチを引き受けなくても良いわけです。
高畑勲さんと宮崎駿さんは、お互いを意識し合って質の高い作品作りをしてきた、いわば同士みたいな関係だったのだろうと思います。
だからこそ生まれた作品も多いと言われています。
人間関係においては、解決できない事象もたくさんあるのでしょうが、意見が合わないから全否定する、縁を切るとかそういう話を聞くと少し悲しい気もします。
これは、顔を合わせる間柄の場合です。
わたしは、人間関係において、お互いギクシャクして縁を切るギリギリまでいってしまったことが実はありますが、冷却期間を置いたことでなんとかなってきたような気がします。
ちょうどいい距離を保つことが、良い関係を築くコツなのでしょうか?