Liskの抱えるDPoS問題と提案について(前半)

LiskではLiskIDを発行した全てホルダーが最大101人のデリゲートに投票でき、その投票の重みをウォレットの残高としています。しかし現在のLiskの投票システムは、3つの大きな問題に直面しています。

問題１：グループによるインセンティブ

問題２：参入へのハードルが高い

問題３：デリゲートの活動内容が不透明

上記の課題に対する潜在的な解決策に飛び込むために、研究フォーラムで行われた3つの提案について説明します。

アカウントごとに1票

この提案は、上記の現在のシステムの3つの主要な課題に対処したものです。アカウントに1票のみを投じることを許可すると、グループを形成する数学的な利点がなくなります。同時に新たなデリゲートが参入するハードルが低くなり、LSK全体の1％の票を集めるだけでアクティブデリゲートになる事が可能です。さらに、このシステムはデリゲートランクの計算を非常に効率的にします。

しかし、各アカウントは１票しか行うことができないため、ユーザーが好みに応じて投票するのに十分な柔軟性がありません。

各ラウンドの比例的再選

この提案では各ラウンドでランダムにブロック生成するデリゲートを再選択することです。このシステムにはアクティブデリゲートの固定セットがなく、ブロック生成するデリゲートはラウンドごとに再選択されます。

この方法でデリゲートを選択すると、上記の3つの課題に対処できます。ただし、非常に不安定なデリゲートのセットやランダム性の良いソースへのアクセスなど、ステークの証明システムに見られるほとんどの困難をもたらします。

voteの最大数を変更する

フォーラムではデリゲートの数を20人に減らすことが提案されました。これによりグループで票を共有する機能が制限され、ネットワークの分散化が改善されます。また131人に増やす提案もありました。この案では101人のアクティブなデリゲートすべてに投票して報酬を受け取ることができ、スタンバイデリゲートをサポートするために30票を残すことが可能になっています。

しかし、voteの最大数を増やすだけではLiskの抱える課題を解決するに至りません。もっと説得力のある変更が必要ではないかと考えています。