翻訳:Takeshi@Think Globally, Act Locally
Celo Campは、人々に繁栄をもたらすという目標を共有するスタートアップを見つけて支援する目的でUprightとCeloによって立ち上げられました。 世界中の人々に平等な機会をもたらし、ブロックチェーンテクノロジーを介して銀行にアクセスできない人々に経済的な安定をもたらすことは、プロジェクトの中心的な目標です。そしてCelo Campによる取り組みに結果は非常に驚くべきものとなりました。
ここで語られるエピソードは、Celo Campチームの目を通して、アプリとCeloテクノロジーによってビジネス面でポジティブな影響を与える為に取り組んでいるチームと、そこに参加する個人のビジョンの原点を探る刺激的な物語です。
年間売り上げ一億円のヌードルレストランを経営する24歳の若手起業家が、支払い手段としてMugglePayとCeloを採用
2015年、ChangさんとLeeさんは広西麺を愛するカナダの大学のルームメートでした。 Changさんはその後「広西の味」の製造を開始し、今年度の売り上げは1億円に達すると予想されています。
彼らは、顧客の70%が中国やベトナム、フィリピンなどのアジアからの観光客でありビザカードやカナダドルを保有していないことを知りました。 一部の顧客は、支払い手段がないことから帰ってしまうこともあります。
「これは変化の時だと感じました。暗号通貨を持っている人は数多くいても、それを使う場所は現状ではほとんどありません」とLeeさんは語ります。 「私たちはトロントで暗号通貨を受け入れる最初のレストランとなりました。その運用は考えていたよりも遥かに簡単です。MugglePayを使用することで大きな設備投資の必要も無く、思い立った初日から暗号通貨の支払いの受け入れが可能になります。」
Changさんは「Celoはアジアの銀行口座を持てない層に金融システムを提供しています。Celoのような暗号通貨の決済システムを導入することで各国の金銭のギャップが無くなるため、支払い手段を気にする必要がなくなり、このことが新規の顧客を誘い込むことは間違いない」と付け加えました。
「MugglePayは、2025年までに何十億もの人々に暗号通貨による支払い手段を提供することを目指しています。加えて既存の支払い手段のコストを5%から1%未満に削減できたことにも喜んでいます。 MugglePayプラットフォームには現在2600以上の加盟店があり、cUSDを受け入れによって暗号通貨の採用を増やしていきたいと考えています。」
— The MugglePay team
Pesabase:送金をより簡単に、より安全に。アフリカの人々をローカルそしてグローバルにつなぎます
南スーダンの国民は、送金に高いコストがかかってしまうことで、送金するだけで送金相手の家族や友人に届く金額が少なくなってしまうという問題を抱えています。
Pesabaseを利用することで、友人や家族に送金する際に現在のように車で現地に赴いて取引を行う必要がなくなる上、より簡単に、速く、安全に送金することが可能になります。
さらに、これらの送金の受取人は、多くの場合携帯電話以外のデジタル手段を持っていません。Pesabaseは、紛争の際に、金融生活の安定をもたらす事実上のプラットフォームになることを目指しています。
CeloはPesabaseにシンプルなモバイルフレンドリーなバックエンドと送金用のステーブルコインを提供しました(ターゲットユーザーは携帯電話ユーザーであることを想定しています)。
南スーダン出身の若い移民であるNyakanさんは、兄弟と母親と一緒に9歳のときにオーストラリアに来ました。彼女の父親は、南スーダンという国の幸福に貢献できると感じ、アフリカに残ることを選択しました。
Nyakanさんは、勉強に励んだ上で2016年に卒業し、働き始めました。彼女の卒業後、南スーダンは国としての課題に直面し、経済は悪化の一途を辿りました。その時以来、彼女と兄弟は、南スーダンでお父さんが医療従事者としての仕事を続けられるように、お金を貯めて毎月送るようになりました。
Nyakanさんの興奮は、Pesabaseアプリをインストールして南スーダンのジュバにいるお父さんに簡単に送金できることを知った時に最高潮になりました。彼女は、銀行やその他の金融機関へ足を運ばなくてもいい、更には圧倒的に早く低コストであるこの送金を実行する瞬間を、何より楽しみにしています。
Celoは、世界中の全ての人に豊かさをもたらすという使命のもと、Nyakanさんをはじめ、彼女のような何百万人もの人々の物語の一部となって、大切な人の生活のサポートを続けていきます。
— The Pesabase team
DuniaPay: サハラ以南の人々がスマホで直接、ローカル及びグローバルに送金・受取りができるウォレット
IbrahimさんはブルキナファソでDHLのバックオフィスアシスタントをしています。ワガドゥグーで働く彼は、地元の銀行やその他の金融機関(手数料が非常に高く、顧客サービスがない)との間で常に問題を抱えていました。彼は仕方なく現金を使うことを余儀なくされていました。
Ibrahimさんは最近、ビットコインと暗号分野について学び、現金を使う代わりにデジタルでお金を稼いだり、貯めたりできることを知りました。仕事以外の時間はいつも、ビットコインの価値の動向をチェックしています。Ibrahimさんは、入金と貯蓄を同時に行うことができ、暗号通貨の購入も可能な信頼性の高いプラットフォームを欲していました。そんな中で、彼は友人を通じてDuniaPayアプリを発見し、すぐにこの製品が彼のニーズと一致する事を知りました。
DuniaPayは、サハラ以南のアフリカの誰もが、1つのプラットフォームから暗号通貨による貯蓄、支出、投資の全てを実行することができるウォレットです。Ibrahimさんは、DuniaPayを使用することで、プラットフォーム上で便利にお金を貯めたり、お気に入りの暗号通貨に投資したりすることができるようになりました。彼は、彼の国ブルキナファソで展開されているこの刺激的なテクノロジーと、お金の管理に役立つシームレスなエクスペリエンスに非常に興奮しています。
— The Dunia Payment team
PARSIQ: ブロックチェーンによる監視とワークフローの自動化の提供
CoinMetroは、規制に準拠したヨーロッパの暗号通貨取引所です。この野心的なプロジェクトは、取引所の領域にシンプルさと安全性をもたらし、初心者からベテラン投資家までのニーズに対応した直感的でユーザーフレンドリーなワンストッププラットフォームとして機能することを目指しています。例えば、簡易的なcrypto-to-fiatの清算、堅牢な取引プラットフォームそのたのユニークな機能を有することによってそれを達成します。
このプロジェクトは、高い透明性と顧客サービス評価を受けているFXブローカーFXPIGの創設者であり元CEOのKevin Murckoさんの発案によるものです。
現在、暗号分野の取引所に対する規制の遵守とコンプライアンスの維持に必要な内部プロセスの標準化が各機関から求められています。しかし、現状ではこの点に関する抜本的なソリューションは存在せず、内部のワークフローの適切な管理にも大量の手作業が必要となっているのが実情であり取引所の業務に大きな負担となっています。
“私たちは様々なタイプのツールを使用してきましたが、それぞれがAMLアラートや関連アクション、資産の追跡や財務会計といった特定のニーズのみに合わせた設計がなされていました。プロセスを合理化するために、社内でコミュニケーションシステムを構築したこともあります。しかし、私たちは複数のユースケースを後半にカバーし、シームレスに相互通信できる単一のツールを求めていました。そこで、CoinMetroは根本的に解決するためにPARSIQの機能を利用し、従来手動で処理していた複数の社内プロセスを自動化し、エンドユーザーに付加価値を提供することに成功しました”
彼らはPARSIQプラットフォームを介して、規制当局や金融機関の様々な要求に対応しながら、効率性を高め、時間を節約することも可能にしました。複雑なシステムを社内開発するために時間とコストを費やしたり、相互通信不可能なスタンドアロンの高価なサービスを使用する必要もなくなりました。これによって、ユーザーエクスペリエンスや管理プロセスへのメリットはもちろん、サーバーインフラコストと人的資源コストの両方の大幅な削減効果が得られました。現在では、PARSIQを使用することで、数回のクリックで全ての自動化を作成・展開することが可能となっています。
— The PARSIQ team
Lovecrypto: LovecryptoがDeFiを通じてもたらすユースケースとは
Lovecryptoは、ブラジルに流入するベネズエラ人移民の難民危機に端を発したインスピレーションによってスタートしました。2019年初頭、彼らの悲惨な話がニュースになり、プロジェクトチームは彼らを助ける方法を模索していました。
LovecryptoのCEO Ed Rodriguesさんは彼の母校CIn/UFPEでコンピュータサイエンスを勉強しながら、新たなアイデアに取り組むためのチームを組みました。スマホの保有者であれば誰でもタスクを実行し、暗号通貨を得ることができるアプリ。これによって、困窮している人々に収入源と暗号通貨の利便性を提供することが可能になります。
“CeloのFacebook投稿を見て初めてCeloの存在と理念を知ったとき、私たちが求めるものと全てが一致したのを感じました。Celoは金融包摂を目的として設計されており、新規ウォレットの作成コストをゼロにし、送金コストを極限まで低く抑えます。さらに、エコシステム全体がソーシャルインパクトに非常に熱心であり、数十億人の生活に影響を与える10億ドル規模のビジネスを構築するという私たちのビジョンに通じるものがあります。Celoに関わる人々にとって、社会的影響力を持つという野望は決して大きな問題ではありません。Celoを支える人々は、社会的な課題解決を目的としており、そこに金銭的な欲望や邪念は存在しません。だからこそ、私たちがこのエコシステムの一員になれるということは非常に大きな喜びでもあります。技術だけでなく、人々によって支えられるプロジェクトなのです。そして、その中でLovecryptoがスマホ一つだけで世界中の難民に仕事の機会を提供することが、私たちが実現すべきミッションです。”
— The Lovecrypto team
Air Protocol: Celoのブロックチェーン技術を利用したSykloアプリで南米の金融危機の解決
Air Protocolを創設した私たちは、パブリック・ブロックチェーンと暗号通貨によって、インターネットのビジネス的な可能性を解放することをミッションとしています。どこにいても誰でも必要なサービスにアクセスでき、オープンで効率的なグローバルマーケットプレイスで商品やサービスを利用できるようにすることを目指しています。
私たちはラテンアメリカに住んでおり、ベネズエラとアルゼンチンの経済危機を経験している多くの友人がいます。私たち自身もこれらの国に旅行し、彼らが経験したような恐ろしい状況を直接目にしてきました。私たちの家族もまた、1994年にメキシコペソが切り下げられた時の経済危機によって困難な時期を過ごし、年々ペソが米ドルに対しての力を失っていくのを見てきました。そして、メキシコでも近い将来、同じような経済危機に陥る可能性が高いのではないかとも考えています。
ここ数年でのピア・ツー・ピア・プラットフォーム関連の活動経験から、特にベネズエラで、この種のプラットフォームによって生活を変えた人々のケースを間近で見てきました。ボリバルが日に日に切り下げられ、ベネズエラでの生活が徐々に困難になっていることは誰もが知っている通りです。ベネズエラの人々は、食糧不足、停電の繰り返し、独裁的な政府の管理下に置かれることすら慣れてしまっています。
私たちのアプリが影響を与えた象徴的なケースとして、Ana Maríaさんの事例が挙げられます。彼女は2人の子供の母親でありながら仕事もこなしています。過去にはバカンスを利用してヨーロッパ旅行をするなど快適な暮らしを送っていましたが、決して贅沢はしていませんでした。
“私たちは億万長者ではありませんでしたが、不自由なく食べることができていました。今日ではもはやそれすら贅沢な日々出会ったと感じています。仕事はありますが、インフレに対応できるほどの給料はありません”
Ana Maríaは、インフレが進んだこの3年でほとんどの貯蓄を使い果たしてしまいました。更に悪いことに彼女の夫は仕事を辞めることになり、別の国に単身で移住することになりました。現在Ana Maríaさんの家族は、彼女の給料に加えて、夫からの2週間に1度の仕送り分だけで生活しており、そのお金の取り扱いについては、ボリバル以外の通貨で保管できるピア・ツー・ピア・プラットフォームを利用しており、以来裕福ではないにしろ生活の危機を抜け出した日々を送っています。
これと同じケースを辿っている人は他にも何千人にも及ぶと見られます。このような人たちをサポートするために、私たちはAir Protocolを作ることにしました。
私たちのチームは先日、Celo Campに参加し、CeloとAir Protocolの統合に取り組み、最初のアプリであるSykloの開発を終えることができました。このアプリは、他の開発者や起業家がCeloとAir Protocolを利用することで実現できることのほんの一例です。Air Protocolは分散型P2P市場を作るためのインフラを提供し、Celoはそのブロックチェーンを提供することで暗号資産を安全に交換・保管します。
このアプリがユーザーとAir Protocolとの最初の接点となり、人々は非常に低コストで安全な送金が可能になります。この最初の実装を終えられたことに安堵と興奮っを感じています。今後、Ana Maríaと同様のケースがより多く誕生し、Air Protocolがそれらを解決する多数の事例を目にすることが増えていくでしょう。
— The Air Protocol team
Kotani Pay: CeloとKotani Payによる価値創造
アフリカでは、モバイル端末を保有している約7億7000万人のうち、4億4000万人がインターネット対応端末を保有していないと推測されています。さらに、世界規模では17億人の大人が銀行口座を保有していません。このうち、若年層や女性、貧民家庭、失業者が大半を占めています。ブロックチェーン技術は、銀行口座を保有していない人々のためのソリューションは既に生み出していますが、それらはどれもスマホユーザーを念頭に構築されており、インターネットにアクセスできない携帯電話の保有者は未だに除外されています。Kotani Payは、この層の金融アクセスと生活水準の向上に寄与するためのプロダクトです。
この章は、Kotani Payができることの可能性についての話をしましょう。 ここでの主人公Akinyiさんは、Kotani Payの恩恵を受けることができるケースの典型例です。
Akinyiさんは24歳で野菜を売って生計を立てている3児の母です。彼女は経済的な制約から高校を卒業することができませんでした。また、Akinyiさんの夫Dennisは、収入が安定していない臨時の労働者です。Akinyiさんと夫はナイロビ市の集落に住んでおり、定期的な財政需要を満たす必要に追われています。彼らは家賃や、3人の子供の食費、わずかな収入からの両親への仕送りなどが含まれます。今年、長男が小学校へ入学しましたが、収入を補うための融資をうけられず、教育資金の目処がつかないことから日々悩んでいました。
幸いにもAkinyiさんは、Celoネットワークについて知る機会があり、そのネットワークを活用して銀行へのアクセス手段を持たない人々を対象に融資を提供するKotani Payについて学びました。 Kotani Payは、Akinyiさんの基本ニーズを満たし、同様の問題を持つ地域社会をサポートすることができます。
非構造化補足サービスデータ(USSD)は、発展途上国の人口の大多数にとって、モバイルインターフェースの主要な手段となっています。Celoは電話番号の分散型マッピングを管理しており、ウォレットユーザーは既存の連絡先を使うことで確実かつ簡単に支払いの送受信を実行することができます。Kotani Payはこのシステムを利用して、Akinyiさんや同様の問題を抱える人がフィーチャーフォンを使ってCeloネットワーク上で資金を送受信したりローンを受け取ったりできるようにすることができます。 Akinyiさんはこのプロダクトの背後にあるシステムの詳細を知る必要はありません。彼女がすることは、彼女の名前とその他の必要な情報を入力して提出するだけでいいのです。
Kotani Payを使用することで、Akinyiさんは事業資金を貯めることができます。彼女が行うのは、ケニアシリングをKotani Payに入金するだけです。この資金はCeloドルに変換され、現地通貨の変動に対するヘッジとして機能し、彼女がそれを必要とする時の為の価値保存ツールとして機能します。彼女の貯蓄と引き出しに料金は課されず、彼女の都合に合わせた引き出しが可能です。
最後に、AkinyiさんはデジタルIDと彼女のトランザクション履歴に関連付けられた「評判」を構築することができます。 3層のKYC(Know Your Customer)モデルにより登録でき、彼女のマイクロクレジットの利用履歴を利用して、Kotani Payやその他のパートナープラットフォームから融資を受けることができます。 これによってAkinyiさんの個人情報は保護されながら、家族を養うための適切なローン組成が可能になります。
Kotani Payは、他のCeloコミュニティと同様に、地域社会のニーズと価値観に対応した包括的でオープンな金融システムを構築することが可能であると信じています。お金はきっと今より美しいものになるでしょう。
— The Kotani Pay team
この記事を編集する際に「We can be heroes, just for one day(私たちは1日だけでも英雄になることができる)」という歌詞が頭の中で何度も何度もリピートされました。私たちはたった一日だけではなく、もっと多くの日においてヒーローになることができると思います。
今回紹介したCeloを取り巻くこれらの並外れたチームが、まさにそれを体現しているでしょう。
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