みなさん、こんにちは!先週の億り人妄想の記事にたくさんのいいね&コメントを頂きありがとうございました。実は書いてから2日間パソコンを開けなかったのですが→コメント、お返ししました。Naottaこと、なおこです。
さて。実は私のビジネススクールでの専攻はホスピタリティです。昨日金融機関でホテル事業のアナリストをしている友人と話したのですが、そこでブロックチェーンの話題が出ました。
そこで、私は「おぉ?!」ついに来たか?と思いました。
ホテル事業って、IT業界とは真逆でかなりコンサバで、以前はビットコインに関しても安定したキャッシュフローというイメージがわかないので、それは何?どうやって資産評価するの?という反応でした。
だからこの業界がブロックチェーンに興味があると知ってちょっとビックリ。
オンライン予約サイトが権力を持つホテル業界
実は最近、ブロックチェーンがOTA(Online Travel Agency)を排除できる可能性がある。と言われているそう。
OTAとはエクスペディアやブッキングドットコムなどの予約サイトの事。
大手ホテルチェーンはこのオンライン予約会社に各予約毎に15%-25%ほどの手数料を支払っていて、これはホテルの利益を大幅に減らしています。
特に深刻なのは小さな個人経営のホテルや、ブティックホテルグループです。
これらのホテルは自社で予約システムを持っていないので、OTAに依存しています。
OTAはホテルの利益の25%を持っていってしまうのでパラサイト状態です。
例えば1泊2万円のホテルに3日間滞在して6万円の利益なのですが、1万5千円はブッキングドットコムに渡り、ホテルの利益は4万5千円になってしまいます。
ブティックホテルの経営は荒波だらけ
私は個人的にはデザインに凝ったブティックホテルや、こだわりのある小さなリゾートホテルが大好きです。
ブティックホテルでは作り手の個性が現れていたり歴史的の建築を保存していたりします。そういう強いこだわりとホスピタリティを持ったホテリエに成功してもらいたいと思っているので、小さいホテルほどOTAに依存しなければいけない状態はとても残念なのです。
ただでさえ、ブティックホテルの経営は大変。設備投資や人件費にお金はかかるし、リゾートホテルなら季節によってお客さんの入りも大変動します。
ちなみに宿泊施設で一番マージンが高いのはビジネスホテルで50%ほど、ブティック、ラグジュアリーホテルはベストケースで15%-30%です。
アパホテルみたいなのが一番儲かるんですよね。
ヒルトンやマリオットなどの大手チェーンだと自社で予約システムを開発できるので、OTAに依存する率は少なく総収益の15%ほどですみますが、個人経営の小さなリゾートホテルやブティックホテルだと25%ほど払っていて収益の4分の1なのでこれは大変な痛手です。
OTAへのコストが無くなれば、世界全体のホテル市場価値は年間約50兆円なので、概算で12.5兆円のコストが削減されて、ホテルと顧客に還元できる試算だそうです。
ブロックチェーンはブティックホテルを救えるか?
この力関係が、ブロックチェーンで顧客とホテルを直接つなぐ事によって変わる可能性があるようです。
ちなみにホテル業界の問題も信頼の欠如。
(どこもかしこもWeb2.0に共通の問題ですね。)
一般的にホテルのユーザーは予約サイトは使いやすいインターフェースでホテルと予約方法の選択肢が沢山あり、カスタマーレビューや記事が多ければ、自分は守られていると信頼するそうです。
クレジットというスマートコントラクトのDppsの会社が参入に興味があるみたいですね。
スマートコントラクト上のアプリで自動的にホテルの空室を探して、買い手側に資金(トークン)があるかを確認してから予約可能にし、顧客にはデジタルキーが送られる。もしミニバーから飲み物が無くなってたら、あとで追跡してチャージできる。これらの一連のトランザクションに紙の作業は必要ない。
ちょっとイメージしにくいですが、おそらくマーケティング的な事もする気が・・・
導入のハードルは、既存のシステムとうまく統合できるか、ブロックチェーンのスピードが遅いなどがあり、このハードルを超えられれば問題は解決される可能性があるとありました。(→クレジットは解決できるそうです・・)
実際には、新しいシステムが機能すれば、既存のOTAが手数料を下げる圧力になるので、下克上が起こるという過激なものでなくて、独占状態が緩和されるという感じになるのでは?
というわけで昨日は、ブロックチェーンが今の所どのように使用されるのか具体的にはまだ手探り状態で、コストと時間がどれだけかかるのかも検証すべき点ではあるけれど、長い目で見て経済効果があればやる価値があるよね、という話をしていました。
週末もブロックチェーンづいています、最近!
今回の参考記事はこちら!