前者は女性二人の電話による会話を、一方の台詞のみ記して進行させていく、対話風独白劇。
珍しい形式だが、何を書かせてもラストはしっかり捻りが効いているのはさすが。
後者はお得意の歴史もの。
時は江戸時代、徳川家光の治世。
不遇な扱いを受けている大臼砲にまつわる逸話を主軸に据え、和流砲術の大家二代に亘る因縁譚を乾いた筆致で描く。