TomoChainのメインネットは、2018年12月14日に公開されました。
しかし、メインネット公開数日前におけるTOMOは、CoinMarketCapの上位250位で、しかも20セント未満であったため、期待しているコミュニティメンバーは少なかったかと思われます。
そこから1年と少し経ちました。
コミュニティの強さ、ネットワークの規模、TOMOの価値などあらゆる面においてTomoChainは成長しており、私は、TomoChainの2020年に非常に期待しています。
私たちのビジョンは、開発者やプロジェクトがTomoChain上で開発・構築を行う上で役に立つ機能・サービスを提供できるようなパブリックチェーンを開発することです。
現時点における他のパブリックチェーンとTomoChainの差別化ポイントは、
-PoSVコンセンサス
-TomoZ(トークンによる取引手数料支払プロトコル)
-TomoX(DEXプロトコル)
-TomoP(プライベートトランザクションプロトコル、未実装)
があり、いずれもTomoChainを魅力的なパブリックチェーンとする上で必要な機能を果たします。
TomoChainのコアチームは、今後数年間に渡り、インフラストラクチャレイヤーと主要なアプリケーションの構築を続けます。プロトコルレイヤーでの作業量が時間の経過とともに安定し、デジタルファイナンスの価値をグローバルに転送・自動化するインターネットインフラストラクチャの一部になることが期待されます。
長い道のりであり、私たちの旅はまだ始まったばかりですが、暗号通貨の未来と業界におけるTomoChainの役割・存在感については楽観的です。
以下では、ブロックチェーン業界における問題点やユースケースなどとTomoChainを結びつけて、2020年の展望を語ろうと思います。
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TomoChainは、当初、パブリックチェーンのスケーラビリティ問題を解決をスローガンに掲げてスタートしました。
当初は、Proof of Authorityコンセンサスを使用していましたが、PoAの抱える中央集権化問題を考慮し、すぐに新しいコンセンサスメカニズムの研究に着手しました。そして、2018年8月にPoSVコンセンサスを生み出し、テストネットをローンチしました。
PoSVの主な革新点・技術的利点については、テクニカルホワイトペーパーやこちらを御覧ください。
それ以降は、コアクライアントの安全性と安定性を高めるために、スラッシュメカニズムなどのバグ修正・更新がなされてきまし。
現時点では、PoSVおよびマスターノードアーキテクチャにより、TomoChainでは、2秒のブロックタイムと最大2000 TPSが実現されています。
これは、ブロックチェーン業界では最高クラスのコンセンサスメカニズムの1つです。
他にも、研究チームは、シャーディング設計に関する研究提案や、2018年半ばのシャーディングの利点・欠点に関する報告記事など、他の方向性に積極的に取り組んでいます。
もっとも、研究チームは、シャーディング技術の採用によるメリットが採用コストを上回ることはないと考えていることから、現状ではこれを採用するに至っていません。
スケーラビリティの向上は重要ですし、可能ですが、それよりもネットワークの安全性と安定性の維持の方が重要です。
研究チームは、さらなるスケーラビリティ向上のための技術について注視し続けるつもりですが、2020年には、シャーディング技術をはじめとする他のレイヤー1スケーリングソリューションが強くプッシュされることはないだろうと考えています。
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TomoChainは、IoV(Internet of Vakue)の構築に早期から注目しており、その一環として、DeFiにも着目していて、TomoChainのコアプロトコルはDeFiを狙いとしています。
DeFiを狙ったTomoChainの開発プロダクトには、主に次のものがあります。
TomoZは、ネイティブコインではなく、送金したいトークンによりトランザクションフィーを払うことができる画期的なプロトコルです。
イーサリアムプラットフォームでは、トークン送金の際に、トークン以外にETHが必要となり、送金のハードルが上がるという摩擦がありますが、TomoZにより、この摩擦が解消されます。
TomoXは、TomoChainの分散型取引プロトコルで、現在テストネットが実施されており、メインネットのローンチは、2020年3月に予定されています。
TomoChainのコアチームは、TomoX上に『TomoDEX(仮称)』というリレイヤー群を構築すること、及び、TomoXとTomoDEXの上に、分散型レンディングプロトコル及びクロスチェーントークンスワップサービスを構築することが計画されています。
これは、TomoXを巡るエコシステム全体の流動性プールの向上に役に立ちます。
また、TomoZを活用してトークンをローンチしたり、TomoX-SDKを使用して他のリレイヤーをローンチしたりすることもできるため、コミュニティその他の関係者にとっても非常に魅力的です。
TomoChain上では、TomoSwapを利用し、ConstantというUSDペッグのステーブルコインがローンチされていますが、それ以外にも、他のステーブルコインをTomoChainエコシステムに導入することも検討しています。
以上のように、TomoChainは、DeFiを実現する上で様々な非常に魅力的なプロダクトを備えています。
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個人的に、プライバシーは、インターネット上の金融において、非常に重要な要素さと考えています。2019年半ばにはプライバシーについてリサーチを開始し、近時、TomoChainプライバシープロトコル『TomoP』のホワイトペーパーと開発ロードマップを作成しました。
プライベートトランザクションを実現するTomoPは、TomoX・TomoZに勝るとも劣らない魅力を備えていると思います。
TomoPのパブリックテストネットは、2020年2月末までに公開される予定です。
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現時点におけるTomoChainのDappのTop5は、TomoMaster、TomoPool、MaxBet、TomoWin、TomoSwapです。
私たちは、この一年で数多くのハッカソンを開催し、何百人ものdapp開発者と話をしてきました。
2020年には、ファイナンス分野が最優先事項になり、ゲームはその次になります。
2019年中に効果があったもの、なかったものを学び、2020年に活かします。
TomoChainは、金銭の支払いによるのではない自然発生的な開発者コミュニティの構築を目指しており、これは持続可能なものであると考えています。
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マスターノードとステーキングは、ネットワークの健全性・強度の確保において、非常に重要な意味を持ちます。
TomoChainは、幸運なことに、2019年初頭以来、安定したステーキング・マスターノードメカニズムを備えたネットワークを維持しています。の1つとなっています。TOMOのステーキングについては、こちらを御覧ください。
TezosやCosmosなどの近時ローンチされたネットワークには、より多くのサポートとよい評判があります。この点をTomoChainと比較すると、TomoChainは、同じようなサポート・評判はまだなく、そのためコミュニティベースのプロジェクトと認識されてきました。しかし、2020年には、より多くの業界パートナーと協力し、ステークホルダーと協議して、TomoChainエコシステムをさらに強固なものとするつもりです。
2020年のどこかのタイミングでマスターノード保持者による投票・意思決定の機会を設ける予定です。これにより、TomoChainの分散型ネットワークにコミュニティ主導のガバナンスという新たなプロセスが追加されます。
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エンタープライズクライアントや政府との連携も、彼らの要求があれば、必要となる可能性があります。
私たちはアジアの複数の企業パートナーと議論してきており、パイロットプロジェクトが関連会社やパートナーとの間で進行中です。
企業によるパブリックチェーンの使用は長期的な見通しで行われるもので、この点についてTomoChainは地域によってはある程度の進捗をみせています。もっとも、場合によっては、関係者のブロックチェーン技術の使用に対する姿勢の変化を待つ必要があります。
それまでにできることは、TomoChainパブリックチェーンを最高クラスのチェーンの1つに組み込むことです。
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TomoChainの財務状況を語る上では、分散型パブリックチェーンである『TomoChain』と、『TomoChainコアチーム(TomoChain Pte.Ltd.)』を区別する必要があります。
前者は、透明でオープンであり、関係者による世界規模での大規模なコラボレーションを促進するように設計されています。TOMOのステークホルダーは、TOMOトークンによって経済的インセンティブを得ており、ネットワークは、コアチーム、取引所、Dappプロジェクト、マスターノードなどの複数の主要なステークホルダー間のダイナミクスによって保護・維持されます。トークンについては、ジェネシスブロック以降、エコノミックペーパーに記載されています。
後者は、民間のIT企業であり、Parity Technologies(Polkadot)、Electric Coin Company(Zcash)、Blockstream(Bitcoin)、Consensys(Ethereum)などのプロジェクトと似た組織構造をしています。私たちは常に謙虚で、オープンで、勤勉に、分散ネットワークの成功に向けて働くことを計画しています。企業として、当社のチームには、技術・開発コンサル、新製品などの複数の収益源があります。2020年の終わりまでにキャッシュフローの損益分岐点を達成する予定であり、ネットワークをさらにサポートする強力な立場にあります。
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チームの絶え間ない努力、TOMOコミュニティ、そしてすべてのパートナーの支援に感謝します。
皆様にとって、2020年が良い年となりますように。
参考文献
・https://medium.com/tomochain/tomochain-regular-updates-in-2019-75b64943f19d
・https://tomochain.com/docs/technical-whitepaper--1.0.pdf
・https://dl.acm.org/doi/10.1145/3320154.3322133
・https://medium.com/tomochain/complexity-in-blockchain-sharding-and-tomochains-direction-2dad35b7a84
・https://medium.com/tomochain/tomoz-explained-a-leapfrog-toward-blockchain-mass-adoption-889f3add7cd4
・https://medium.com/tomochain/the-landscape-of-tomochain-decentralized-finance-d38797e05312
・https://medium.com/tomochain/tomochain-privacy-protocol-whitepaper-e84cd1bc0ad2
・https://www.dapp.com/ranking/TomoChain
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