「LPWA」という技術が最近利用できるようになってきました。
Low Power Wide Area 、つまり、低消費電力で広い範囲をカバーする、という発想の無線通信技術です。
低消費電力、というのは、コイン電池や単三電池一個で数年~10年の電池寿命となるような想定のようです。
夢の技術!というような感じがするかもしれませんが、低消費電力で遠くまで電波を届かせるために、通信速度と通信帯域幅を犠牲にしています。
つまり、通信速度がめちゃくちゃ遅くて、そのわりに帯域幅が広い、ということです。
LPWAにも、いろいろな種類があるのですが、例えば、SIGFOXという技術では、以下のような通信速度となっています。
最大伝送速度は100 bps程度。伝送距離は最大50 km程度。(出典:Wikipedia)
いまどき100bpsです。
4G通信が数十Mbps以上であることと比べると、数十万倍の差があります。
こんな遅い通信、どんな使いみちがあるの?と思うのかもしれませんが、意外と使いでがあります。
例えば、電気が通っていない場所とか、電線を引くのが面倒な場所から、低い頻度でのデータを収集する、というような使い方が向いているわけです。
一日に数回、田んぼの水位を測って伝えるとか
山の中にセンサを置いて、地すべりの前兆をとらえるとか
そんなふうに使えるわけです。
また、届く距離が長い、ということは、必要なときに途絶しにくい、とも言えます。
電波が弱くなっても届きやすい、ということなのです。
さて、広域のIoTとブロックチェーンがつながると、どういう良いことがあるのでしょうか。
例えば、住宅内にLPWA対応の防犯センサを設置したとしましょう。
そうすると、住人の留守中に泥棒が侵入したときに、LPWA経由で警備会社や住人に自動で警報を送ることができます。
警備会社のホームセキュリティというのは、電話回線なりインターネットなりを経由して、警備会社へ侵入者の情報を伝えるようになっていますが、もし、目端の利く泥棒であれば、光ファイバーを切ったりするかもしれません。
もし光ファイバーが切られても、停電中であっても、LPWAであれば問題なく情報を送信することができます。
このとき、送信先がブロックチェーンによる管理システムであれば、仮に一部でシステム障害などがあっても、問題なく機能することが期待できます。
また、以前、マンションの管理人が福山雅治の部屋に合鍵で侵入した、みたいな事件がありました。
侵入時のセンサの動作や鍵の使用の記録をブロックチェーンに乗せて、分散していれば、管理人や警備会社、管理会社が改ざんをすることが不可能になるでしょう。
つまり、LPWAとブロックチェーンが結びつくことで、以下のような良いことが発生します。
・通信回線の途絶やシステムダウンに強いシステムが作れる。
・記録の改ざんもほぼ無理だから、信用性の高いデータが確実に集められる。
センサのデータが、途絶しにくくなり、より信用できるようになる、改ざんを疑う余地が生じない、というのは、とっても強固なシステムづくりにつながるわけです。