2012年1月10日
北陸に向かうとき、京都駅で少し時間があったので、東本願寺に行き、「親鸞と被差別民衆」というギャラリー展示を見たけど、がっかりした。
これは大阪人権博物館、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派から成る「親鸞と被差別民衆展実行委員会」の企画展のようだが、それならなぜ親鸞の生涯の宣伝で終わってしまうのか。
もちろん後半には親鸞と被差別民衆との出会いと思想の深化に言及されていたが、それもこみで親鸞の生涯の一般的な紹介に過ぎない。
もともとそれがこみなのが、一般的な親鸞の思想と生涯のスケッチである。
何もあえて切り込んだものが感じられなかった。
というのも問題はむしろ両本願寺がいかに差別を推し進めてきたかなのである。
今さら親鸞の生涯を両本願寺が紹介すること自体がおこがましいではないか。
へそが茶をわかすわい。
もっとももらってきたパンフレットには少しばかり両本願寺と部落差別との関わりが書いてあった。
それで、展示そのものからはそこが意図的にカットされていることがますます明瞭になったわけだが。
企画の趣旨からは、むしろそこが(両本願寺の差別体質が)メインになるべきだろう。
君らは親鸞の紹介をするような立場のものではなく、いかに親鸞を裏切ってきたかを告白するべき立場であるのだから。
しかし、パンフレットの記載においてもそのことへの切り込みは通りいっぺんでお茶を濁すような書き方をしているようにしか思えなかった。