「うつぼのひとりごと」「回遊人」感想文

2018年1月14日 FACEBOOK

 

親友の芥川賞作家、吉村萬壱が年末に送ってくれた二冊の本、読了。


感想はFACEBOOKを離脱した本人にメールで伝えたが、宣伝を兼ねてここにも書いておこう。


エッセイ集『うつぼのひとりごと』の方が、肩の力が抜けていて、結果的により文学的文章になっている気がした。

味わいもいい気がした。

集中「友」に出てくるNはあびのこと。

これを掲載してもいいかどうかはあらかじめ打診があり、何を書いても自由だが、掲載本は一冊くれと言って、承諾した。

まあ、ほとんどNをくさすために書いたような文章だが、最後に少しよいしょしている。

読んでみたい人は買って読むこと。

 


『回遊人』は設定は吉村萬壱にしてはありがちなSFの構造だった。

文体は吉村萬壱らしかったが、ラストの全部つぶすような一言を含め、これまでに様々な先輩や編集者に言われた「小説はこうでなくてはならない」というセオリーに対して一所懸命なのが、かえってアダになっている気がした。

随所に唐突に切なさのこみ上げるところがある。

これは僕にとっては『臣女』から始まった味わいだ。

これはまあなんというか、女たらしがその裏面で感じなければならない定めになっている宿命的感情のようなものだろう?

この切なさを追体験したい人は買って読むこと。

 

 

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2020/01/14 36.77 ALIS 0.00 ALIS
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  • あび(abhisheka)
  • @abhisheka
10代より世界放浪。様々なグルと瞑想体験を重ねる。53歳で臨死体験。31年の教員生活を経て現在は専業作家。https://note.mu/abhisheka
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