今更ですが、台湾のために振り返ります。
TwiceのツウイがPVの中で中華民国の旗を振ったことについて、中華人民共和国の圧力に屈し、この謝罪会見をした(韓国の事務所にさせられたというべきか)のは、台湾人の反発を招き、その後の総統選に影響を与えたとさえ言われている。
すなわち、民進党(民主進歩党)の蔡英文が国民党候補を破って勝利した背景には、この、当時16歳のひとりのアイドル、ツウイの謝罪会見に対する台湾人の反発も影響しているとすら言われている。
しかし、昨年秋の統一地方選挙では、台湾で国民党が民進党を突き放して圧勝。
2020年1月に選挙される次の総統は国民党に返り咲くのではないかと多くの人たちが、予想した。
しかし、その後、逃亡犯条例を巡る香港のデモやその弾圧などの状況などを見て、台湾の民衆は再び中華人民共和国に反発。
台湾の政治情勢は混沌としてきている。
そんな中、総統予備選が行われ、民進党では蔡英文が、頼清徳を破って予備選に勝利した。
その微妙な感じ・・・。
対中国独立路線では、頼清徳の方が強硬な独立派である。
しかし、台湾が経済的に中華人民共和国との協調を壊さず、武力介入も忌避するのであれば、
強硬な独立路線の頼清徳よりも、「台湾を守る責任を果たす」「香港のような一国二制度も拒否する」というところだけは押さえつつ、微妙な立ち位置を維持する蔡英文が支持されることとなる。
ビミョー。
これが現在、台湾の立つ、微妙な立ち位置というものであろう。
一方の国民党は、7月中旬にも総統候補を選出する。
そして、一時は圧勝かに見えた国民党の総統候補トップの韓国瑜・高雄市長と、民進党の蔡英文支持率はわずかなものに縮まってきている。
何をどちらから見るかによって、物事の見え方は変わってくる。
だが、これまでの成り行きを見る限り、私の考えでは、中華人民共和国の強硬路線は常に台湾や香港他の反発を招き、人民共和国にとっては「逆効果」である。
中華人民共和国もその「逆効果」は、心得ているため、たとえば台湾総統選前の強硬な動きは控える方向をとってきたはずである。
しかし、今回は香港の逃亡犯条例を巡る情勢が、その「逆効果」を生み、民進党にとっては追い風となっている。
そこにあのややこしいトランプが、台湾を支援すると称した軍備売却などに熱心な動きを見せるものだから、
中国政府習近平も台湾海峡の軍備強化によって対抗せざるをえないこととなる。
だが、それらすべての情勢を踏まえた上において、
最終的に私は2020年1月の台湾総統選で民進党の蔡英文を支持する。