こんにちは、積分定数です。みなさん、Coinhiveってご存知ですか?これは、JavaScriptで書かれたコードをサイトに埋め込むことで、そのサイトの閲覧者のCPUを勝手に使い、暗号通貨Moneroのマイニングをすることです。今日はこのCoinhiveの秘密にせまっていきます。
多くのWebサイトにはGoogle Adsense等の広告が表示されていますが、ユーザーからすれば、広告は邪魔でしかないことがほとんどですよね。ALISも広告について以下のように述べています。
"従来のメディアにありがちな広告のためのコンテンツ、ステルスマーケティング、信頼性の低い情報にうんざりしている人々を解放することがALISの目的です。"
つまり広告とは、過激な言い方をすれば、「企業の利益のみを追求し、ユーザーへの配慮が足りていないビジネスモデル」と言い換えることができます。
Coinhiveは、サイトの収益を広告ではなく暗号通貨のマイニングによって得るという仕組みです。ユーザーのCPUを勝手に使うことで、Moneroのマイニングを進めます。手数料として、採掘したMoneroの30%をCoinhive Teamが受け取り、70%はサイトのオーナーが受け取ります。現状、Coinhiveによる収益は広告収入よりはるかに率が悪いようですが、これから先の技術の進歩次第では広告と同等のビジネスモデルになる可能性もあるのです。競合サービスとして手数料を12%に抑えたCryptoLOOTというものもあります。
他人のCPUを勝手に使用することから「ただのウイルスだ」と批判されているのも事実です。Coinhiveによってマイニングされている間はCPU使用率が100%となり閲覧者のPCにかなりの負担をかけてしまいます(サイトのオーナー次第でCPU使用率は変わります)。最近問題になった漫画村のサイトのオーナーも、Coinhiveを使ったマイニングをしていたらしく、月に数百万円の収入があったと言われています。このように悪質な業者の収入源にもなり得る技術なので、ほとんどのアンチウイルスソフトがCoinhiveをウイルスとして認識し、ブロックしているようです。
このような事態を受け、Coinhive Teamは「ユーザーの許可がある場合のみ、ユーザーのPCでCoinhiveを走らせるようにする」と発表。今後、広告に代わるビジネスモデルとなるかどうかはCoinhive Teamにかかっているのかもしれません。