リュシオンでの会合から2年が過ぎた頃
楽園は変わらぬ日々が流れていた・・・
不死者の果樹園をケルベロスとイグニスが戯れ合っている
よく見るとケルベロスの毛が所々チリチリになってる
淀んだ空気の中、目的もないままただただ歩き続けるゾンビが
無数にいる中、そこの雰囲気とは正反対に明るい家がそこにはあった
???「おんぎゃ〜おんぎゃ〜!!!・・・・」
フレイラ「おしっこが出たのかな?おっぱいかな?どっちでちゅか?」
リッチ「可愛い!可愛いなぁー!!!こっちむいて!笑った!」
パシャ!パシャパシャシャシャシャシャシャシャシャ!!!!!
フレイラ「撮りすぎ!ww容量いっぱいになっちゃうよ!」
リッチ「いらない写真全部消す!友達の結婚式の写真って見返さないし、無駄に撮って容量圧迫するんだよね。あー!可愛い!世界中の子供のなかで一番可愛い!」
笑い声が外にまで響き渡るリッチの家では
フレイラとリッチが仲良く暮らしていた。
ピンポーン!
家のチャイムが鳴る
リッチが玄関のドアを開けると
シーラ「フレイラ〜!!!!!おめでとう!!!!赤ちゃんどこ〜!」
アルベリッヒ「リッチおめでとう!まさかフレイラと結婚とはな・・・」
ジークフリート「おめでとう!リッチ!先越されるとは思ってもいなかった!」
フェンサー「おめでとう!リッチの家きれい!!!!!今日もフレイラの手料理あるのかー???」
ぞろぞろとフレイラと赤ちゃんが待つリビングへ
上がっていく
シーラ「はい!これっ!みんなから出産祝い!」
おむつケーキにバウンサー、メリーに肌着、洋服、おもちゃ
たくさんのプレゼントを渡す。
フレイラ「みんなありがとう!ほらママのお友達が来てくれたよ〜たくさんプレゼント貰ったよ!」
???「キャッキャ」
フレイラに抱えられた子供は満面の笑みでみんなを見ていた
アルベリッヒ「まさかあの会合の後から2人が付き合ってるなんて、最初の報告が
赤ちゃん生まれましたってのは儂の人生でも初めてじゃよ!」
シーラ「私はすぐに感づいたよ!リュシオンでコソコソやってんなーって。フレイラ意外と積極的だな!って」
フレイラ「///」
シーラ「赤ちゃん抱かせて!・・・目元はリッチそっくり!笑った顔はフレイラに似てる!きっとイケメンになるぞー!」
ジークフリート「俺にも抱かせてくれ!」
霧の季節は着実に近づいているなか、
互いに交わることのなかった、赤と黒の文明から
新たな光が誕生したのだ。
この大きな出来事は全く間に楽園中に知れ渡り、
徐々に文明との境界が曖昧になっていった
リッチとフレイラの結婚がきっかけなのか
あるいは霧の季節の影響なのか・・・
ジークフリート「はぁ〜楽しかった!子供って可愛いな!俺も早く彼女見つけなきゃ!」
シーラ「あんたはその性格をまずどうにかしなさい!」
フェンサー「シーラ今日全然食べてないじゃん!もらっていいか?」
返事を待たずにタッパーに詰めるフェンサー
フレイラ「あれっ!?料理口に合わなかった?」
シーラ「ううん!すごく美味しかったよ!ちょっと今日食欲なくて」
フレイラ「???」
アルベリッヒ「大丈夫か?無理しないようにな」
フェンサー「無理すんな!うち業務用冷凍庫買ったから、冷凍保存余裕あるから」
・・・
・・
・
アリベリッヒ「そろそろおいとまさせていただこうか、外にガルディアを待たせてしまってるからな、フレイラしっかり食べて、子育て頑張るんじゃぞ!」
ジークフリート「シーラ!この後緑の楽園いかない?」
シーラ「・・・」
フェンサー「ジーク、もう諦めろよ!wwwお前んところの法の番人、ジークのこと気になってるらしいぞww」
ジークフリート「俺にそっちの趣味はない!俺は小さくて可愛い子がいいんだ!」
シーラ「きんもっ!あー無理無理!じぃじ!さっさと帰ろっ!」
リッチがそっとジークフリートの肩に手を置く
リッチ「ジーク、まだ気付いていない本当の自分というものがあるのかもしれない、私もフレイラと付き合うようになってから、いろんなことに気づかされた。
・・・一度、法の番人と」
ジークハルト「やめてくれ!俺は諦めない!小さいこそ正義!可愛いこそ正義!緑文明には可愛い子がたくさんいるからな!諦めないぞ!ヒスイちゃんにルナ・ティアちゃんに・・・」
ジークフリートが緑文明の可愛い子の名前をあげているのを耳にしたアルベリッヒが何かを唱え始めた
アルベリッヒ「豚力豚力豚力豚力豚力豚力豚力豚力 倍化倍化倍化倍化」
アルベリッヒの魔力がどんどん膨れ上がり、リッチの家はもちろん
大地そのものが揺れ始めた
シーラ「じぃじ落ち着いて!」
アルベリッヒ目が赤く光り、鋭い眼差しでジークフリートを睨んだ
アルベリッヒ「お主、発言には気を付けよ、儂の可愛い娘達にちょっかいを出してみろ、文明もろとも消し去るぞ」
今まで見たこともないアルベリッヒの姿に
その場の全員が1歩も動くことが出来なかった
アルベリッヒ「な〜んてなっ!ジョークジョーク!老いぼれジョーク!びっくりした?ジークが誰を好いてもよい!ただし!真面目にな!お主ちょっと厨二病入っておるから心配じゃよ」
フェンサー「じぃじ冗談キツイぜ!気失いそうになったわ!」
シーラ「ごめんね!フレイラ、赤ちゃんもいるのに!じぃじ謝んなさい!」
アルベリッヒ「申し訳ない」
皆、リッチの家を出て、ガルディアに乗り込む
リッチ「今日はありがとな!またいつでも来てくれ!みんながいると楽しいからな」
シーラ「また赤ちゃんみにくるよー!あっフレイラ!あとで連絡するねー!」
ガルディアが大きな鳴き声とともに、翼を羽ばたかせ、空高く飛んで行った
フレイラ「いやー楽しかったな、気付いたか?この子じぃじが起こった時、めっちゃ笑ってた」
リッチ「本当に?おじさんが真面目に怒ってると、ふと面白い時あるからな」
フレイラ「そういうことじゃないと思うけど。それにしてもみんな元気そうでなによりだな、この子も元気に育ってくれれば。」
リッチ「そうだね、霧の季節が来る前に子供たちに明るい未来を作ることが我々の使命だな」
決して皆忘れているわけではない、霧の季節までに「器」を見つけなければ、
そして、『トゥアル・タミナス』を封印しなければと考えているのだ、
リッチもフレイラもこの時代に生まれた我が子に明るい未来を届けなければと
フレイラ「今日の夕飯、馬刺しが食べたいんだが。妊娠中ずっと生物食べられなくてうずうずしているんだ、ナイトメア獲ってきてもらえる?」
リッチ「ナイトメアすばしっこいんだよな〜」
フレイラ「じゃぁキマリス」
リッチ「キマリスの馬!?あいつから馬とったらただのおっさんだよ!可愛そすぎるでしょ!」
フレイラ「つべこべ言わないで馬刺し!馬刺し!はいっ!ダッシュ!」
2年前の会合から文明同士の交流は盛んになり、
食糧や、生活用品、装飾品などの貿易も盛んに行われ、
旅行やイベントなども行われるまでに6つの文明の関係は良好になっていった。
その日の夜
フレイラにシーラから連絡があった
シーラ「フレイラ今日はありがとね!じぃじが迷惑かけてごめん、それでなんだけど、まだ誰にも言わないで欲しいんだけど、私も赤ちゃんがお腹にいるんだよね」
フレイラ「えぇ〜!!!!!!おめでとう!!やっぱり今日おかしいと思ったんだよーつわりひどいの?」
シーラ「ありがとう!うん〜全然食欲なくて、気持ち悪いし、兎に角眠い!今日も乗り心地悪いガルディアの背中で爆睡したよwww」
フレイラ「あーわかる!私も日中ずっと眠かった!吐いたりしてない?私は吐きづわりが凄かったかな。で、相手は?」
シーラ「そうなんだぁ。これ以上ひどくならなければいいな。相手?
相手はじぃじだよ」
フレイラ「じぃじって豚力じぃじ!?歳の差婚!えっ!すごい!えっいつから?えっ、予定日は?えーちょっとシーラに会いたい!」
シーラ「落ち着いてってば!じぃじとは長い付き合いでね、サイラスが生きていた頃から何度か会っててねそれから。こんな時期だけど、この子達の為にも、どうにかしなきゃね!」
フレイラ「そうだね。次の会合近いけど、体調大丈夫か?もしこられるようならガルディアは揺れるからリッチに運んでもらえるように頼んでおくよ」
・・・
・・
・
楽園では普段と変わらぬ日々が流れている。
時を同じくして、月下の楽園ルナヘヴンでは魔道士たちによる
会合が開かれていた・・・
「器になる者は見つかったのか?」
「いや、どの文明も器になる者は見つかってない」
「封印が解かれ始めている中、急がねば!」
「6つの文明同士の交流も盛んになっている異種属どうしから生まれてくる新たな子んいは変わった魔力が存在するらしい」
「刻一刻とその時は迫っている、なんとしてもトゥアル・タミナスの封印を解いてはならん!」
「そもそも封印を解こうとしてる奴は誰なんだ!?」
各文明から集められた魔道士たちにも焦りが見え始めた