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ゴールドマン・サックス、暗号分野がデータ経済を支えると指摘

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  • ブロックチェーン・ジャパン
  • 2021/06/12 01:39

 

by Nathan van der Heyden 
CRYPTO BRIEFING

ゴールドマン・サックスがブロックチェーンがデータ経済の重要なインフラになりうると主張するレポートを発表

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主要なポイント

ゴールドマン・サックスは、機関投資家の資産クラスとしての暗号資産の可能性を論じたレポートを発表

ブロックチェーンの価値は、そこに保存されている情報に依存し、イーサリアムが将来的にナンバーワンチェーンになる可能性があると主張

この分野の将来における分散化の重要性についても論述

ゴールドマン・サックスのリサーチャーであるジェフ・カリー氏は、イーサリアムが、個人が個人データを私的に保存、移転、販売できる「情報のAmazon」になる可能性を指摘

ブロックチェーンとデータ経済

ゴールドマン・サックスのリサーチャーは、データ経済における暗号分野の将来的な役割に強気な姿勢です。

ゴールドマン・サックスは最近、「Crypto.A New Asset Class」と題したレポートを発表しまし、この技術が機関投資家にとっての有力な資産クラスになる可能性について論じています。

その中で、コモディティリサーチのグローバルヘッドであるジェフ・カリーは、ブロックチェーンがインターネット上での情報の取り扱い方に変革をもたらす可能性について述べています。信頼が重要な業界では、プライバシーを保護しながら不変的で公開可能という機能性を持つブロックチェーンの能力は、信頼を必要とするフレームワークに対して大きな優位性を保持しています。特に金融や法律、医療などは、スマートコントラクトによって情報伝達の方法を変えることができる重要な分野であるとカリー氏は指摘しています。

また、イーサリアムはスマートコントラクトをネイティブに実装していることから、将来的にビットコインを抜いて世界で最も価値のあるブロックチェーンになる可能性があるとし、カリー氏はこう書いています。

“最も価値のある暗号資産は、経済にいて重要な、“情報の検証性”について最も役立つものとなるでしょう”

さらに、医療データや個人の財務、資産の所有権、知的財産権などの例を挙げ、より多くのユーザーが個人データをブロックチェーンに持ち込めば、デジタルプロファイルの数が増えるにつれて、プライバシーに関する懸念は消えていくだろうと説明しています。

また、Galaxy Digital社のMike Novogratz氏も、イーサリアムの将来について同様の見解を示しており、次のように述べています。

“暗号エコシステムにおける3つの大きな潮流である決済、DeFi、NFTは、その大半がEthereum上で構築されているため、今後使う人が増えれば増えるほど、そのネットワーク価値は構築物と共に増加し、最終的に価格も高騰していくでしょう。”

ここ数週間、暗号市場は大幅な下落に見舞われています。BTCは過去10年間で最大の月間下落率を記録し、ETHは過去最高値からも40%以上下落しています。その一方で、イーサリアムの使用率は上昇しています。カリー氏は、このネットワークが将来的に“情報のAmazon”に相当する存在になる可能性について語りました。

“Ethereumのようなブロックチェーンプラットフォームは、現在の消費財のAmazonのように、信頼できる情報のベンダーにとって大きな市場になる可能性があります。”

ゴールドマン・サックスが強気転向

現在のGoldmanの暗号分野に対する考えは、同銀行が過去に抱いていたものとは対照的です。この機関は、2020年のプレゼンテーションで暗号について議論し、暗号は “資産クラスではない”と結論づけたことは記憶に新しいものです。彼らは、機関投資家や銀行が投資に値すると考えるには、ビットコインはあまりにも変動が激しいと主張していました。

それ以来、ビットコインは史上最大の強気の動きを見せ、同機関はそのスタンスを変更しました。最近では、彼らは富裕層向けにビットコイン商品を提供する計画を発表しました。最新のレポートでは、ビットコインが世界的に急速に普及している理由として、ビットコインの強力なブランド力と、プライバシー、セキュリティ、譲渡可能性などの潜在的な価値の貯蔵庫を形成する特性が挙げられています。また、ビットコインのデジタル性は、若い世代にとっても魅力的であると主張しています。

ゴールドマン・サックスは、ビットコインのハードキャップ供給が最も注目すべき資産特性の一つであると主張し、イーサリアムの無制限の供給と比較しています(イーサリアムは供給問題をターゲットにしたメジャーアップグレードを実施予定)。

レポートによると、世界的な暗号通貨の普及にとって最も脅威となるのは、法的な規制強化です。カリー氏は、規制当局を満足させるためには、ブロックチェーンを真に分散化させる必要があると主張しています。

“ 暗号資産が生き残り、その潜在能力を最大限に発揮して成長するためには、規制当局を満足させる「十分な分散化」という概念を定義する必要があり、それが出来なければこの技術は使い物にならなくなるだろう。”

と述べています。

 

免責事項:筆者は執筆時にBTC、ETH、その他いくつかの暗号通貨を保有していました。

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