階段

こんにちは、ころんです。

今回は怪談部幽霊部員としてこちらの企画に参加です。

それでは、はじめます。

あれは、以前住んでいた家での出来事でした。

家には室内犬を飼っていました。

名前は【ころん】と言います。

近くのブリーダーさんから生まれたての子犬の時に我が家にやってきました。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

と言う犬種で、とても人懐こい、そして元気なワンちゃんです。

人が家に来るとワンワン吠えながら駆け寄って頭を擦り付けて行くほど警戒心の無い元気な犬でした。

普段人が家に居ないときや、夜寝るときはケージに入っておとなしくしており、自分の安心できる場所と認識しているようでした。

ころんが１歳近くなったとき、ケージの反対側の壁に向かってワンワン吠えるようになりました。

少し上を見上げる格好で天井の付近を見上げてるようです。

最初は小さな虫を見つけて吠えてるんだろうと思っていました。

実際、目が良いのか小さなコバエや蚊などにも吠えながら追っかけてましたので余りきにも止めてなかったんです。

いつもではなく時々吠えるので気にすることも無くなっていました。

ある日、私以外の家族は家を空けておりころんと私の二人だけの夜。

お風呂も入りいい時間になったので寝ることにしました。

いつものように寝る時はケージに入るころん。

私は２階に寝てましたので、「おやすみころん」と声をかけて２階の寝室に上がっていきます。

寝室の常夜灯だけをつけてベットに入り、すぐに眠りに付きました。

どのくらい時間が立ったのでしょう、ふと気付くと、ころんの吠える声が１階から聞こててきます。

その時です。

パンッ

パリパリッ

ドアの向こうからハッキリと嫌な音が聞こえてきます。

吠えるころん。

頭によぎったのは。

泥棒?

ベットから体を起こしどうしたものか考えます。

時計に目をやると、午前一時を回っていました。

泥棒なら鉢合わせはまずいと思い息を殺してジッと一階の様子を伺っていましたが、なぜかころんも静かになり、物音も聞こえてきません。

意を決してベットから起き上がり寝室のドアをユックリ開けて外の様子を伺います。

その時、廊下と階段が真っ暗なのに気が付きました。

その晩は一人だったので階段の電灯を付けて寝ていたはずです。

おかしいと思いながらも、暗くて見えないので、廊下の電灯のスイッチを手探りで探して点けます。

そして階段に差し掛かって、音の原因を理解しました。

階段の電灯は天井から吊り下げるペンダントタイプの物で、ガラスのかさの中に白熱灯が灯るタイプのものです。

その、白熱灯が割れて粉々になり階段に散乱していました。

「何だよもぅ」と思いながら、素足だと危ないのでスリッパを履き直して、破片に注意しながら一階に降りていきます。

電灯を付けて、リビングのトビラをゆっくりと開くとそこには、お座りをして首を傾げてキョトンとこちらを見ているころんがいます。

何も無かったように。

一応家中の窓ガラスを確認して周り、誰も居ないかも確認してました。

異状なしです。

取り敢えずガラス掃除をして一息ついてふと時間を見ると午前２時を回ったくらいでした。

しかし、よく考えると電球が破裂することなど普通には聞いたことないし、今まで電球が切れてもただ点かなくなるだけで、割れることさえありませんでした。

その時気がついたのです。

ころんが見上げて吠えていた所は壁を挟んで階段の電灯の辺りであることに。

ころんに目をやると、いつものように天井付近の、電灯のある場所を見上げていました。

ころんには何か見えてたのかな。

なんて思いながら。

その晩は眠たくてそのままベットに入り朝まで寝ていました。

その日以来ころんが天上を見上げて吠えることは無くなりました。

今でも何だったのか気になります。

ほら、あなたの後ろ。

ころんが天井を見上げている姿が見えますよ。

あれ、何。