Ethereum経済の分析が主。今期はDeFiとNFTが牽引していた。
全部大事だろうけど、今回私が注目したのは2021Q1の手数料(USD建て)。
Ethereumの総手数料がBTCの倍。またUniswapの総手数料はBTCの手数料の半分。つまりEthereumの総手数料の額の1/4の額をUniswapが生み出している。
当然、gas代の高騰によるEthereum手数料の増加があるのでQ1のEthereumの手数料は高く見積もられていると思う。しかしその1/4に相当する手数料を生むだけの取引がUniswap上で行われてるというのは、UniswapがEthereum上で本当に重要な位置を占めていると思った。
平行的に、他のL2やサイドチェーン、EVMチェーンやパブリックやエンタープライズを自称しているチェーンにおけるUniswapコピーのAMM取引所もそのチェーンやプロトコルにおいては重要な金融アプリであると示していると思った。
またコピーブランドとして始まったものの再始動し、そのトークン動機付けのしたたかさを活かして今や一つの一大DeFiブランドともなったSushiswapでも総手数料収入がUniswapの1/3程度(4.1%, $184M)になっており、Compound(2.5%, $113M)を凌ぐ手数料をたたき出している。
前述したUniswapコピーAMMはどちらかというとトークン動機付けによって流動性を呼び込み、同時に高いAPYを見せびらかすどちらかといえばSushiSwapの得意とするところなので、本家本元のSushiSwapの手数料もこれほどあるというのは心強いと思う。
もう一つはStable Coinの分類。
Stable Coinと呼ばれるものを5つに分類している。これまででは2つ(発行元がいてリアルなドルにできるかできないか)か3つ(法定通貨担保か暗号資産担保か無担保か)ぐらいの分類でしたが、ConsensysではStable Coinを5つに分類している。
1) 法定通貨担保
法定通貨を担保として発行されるStable Coin。発行元の企業と国を信頼しなければならない。USDT, USDCなど。
2) 暗号資産担保
ETHやBAT, USDCなどデジタル資産を担保に発行されるStable Coin。DAIなど。
3) 利子付きのStable Coin
CompoundやAaveにStable Coinを貸し出している証明となり、金利を貰えるcトークンやaトークンも、Stable Coinと兌換なのでStable Coinの一種とみなすことができる。cUSDC, aUSDCなど。
4) 合成資産
Synthetixから発行されるsUSD。SNXトークンをステークすることで鋳造できるので暗号資産担保と区分されることもある。SNX(Synthetix)経済圏による合成資産としてのStable Coinの鋳造・焼却なので別のカテゴリにしているのだろう。
5) アルゴリズミック(無担保, リベース, 理論型)
コントラクトに基づいて自動で売買価格や供給量が変動することで1トークンいくらを目指すStable Coinの一種。FEI, AMPLなど。
他、気になる話
・特定のNFTを入手するための自律分散型組織(DAO)
NFTの所有権・移動をマルチシグやFungible Token化したRefungible Token(RFT)としてDAOのガバナンストークン発行みたいな動きがあるかもしれない。
・暗号資産の取引やwalletを取り扱う業者やDapps運営者を含むVASPを規制する話
・銀行がStable Coinと分散型台帳技術を使った運営業務についてはアメリカはポジティブに規制や認可を出した話
取引高や価格の上昇から分析できる客観的な相場観が売り。
事実として、Bitcoinは機関投資家によって買われていてBull相場を作っている。
またEthereumの基軸通貨ETHより、他のチェーンの基軸通貨, BNB, ADA, DOTの上昇率が高かった。
Binance Smart Chain, BNBの伸びと共にBSC上のEXであるPancakeSwapのTVLや出来高およびトークンのCAKEが上昇。
Top-10 DEX Total Trading Volume Growth in Q1 2021が+250%に対して、Top-10 CEX Total Trading Volume Growth in Q1 2021が201%と、成長率だけ見ればDEXがCEXより躍進した。金額の実数値でみるとDEXはCEXの1/1000ぐらいなのでまだまだ。
BTCとETHが中心に、CEXの現物取引のみならず先物やオプション、on chainデータの分析が中心。
・1000BTC以上を保有しているWalletの減少
・2020年のDeFiの夏と呼ばれた時以上のTx Fee(USD建て)
・1000ETH以上を保有しているWalletも2020年初めから減少傾向, まあDeFiに預けたりしているし......
・Token Transaction Countは確かに昨年よりは増えているが頭打ちな感じがある
・Compound, Aave, dYdX, FulcrumといったDeFiの金利はBlockFiやNexoといったCeFiの金利とそこまで差がない
・NFTは2月から一気に来た感じ