ダラムサラから30分ほど山を登ったところにバグスー村というとても穏やかな村があります。
村の中にはロバやウマたちの群れが歩いていて、とてものどかな雰囲気です。
このバグスー村に小さなヒンドゥー教の寺院があります。
お寺の入り口の上にある3人の像はブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァのヒンドゥー教の神さまです。
この3人はそれぞれ、創造、維持、破壊という宇宙の普遍的な3つの原理を表しています。
このお寺の内部は本当に色々なものが混ざっていて、中にはキリストの貼り付け像まであるという混沌ぶりです。
そしてお寺の片方の端っこには、虎の口の中に入っていくような階段が続いています。
実はこの階段が女神の胎内への入り口を表しています。
この階段を登っていくことで、女神の胎内を巡ることができて再び生まれ変わることができます。
この寺院の外側の男性神3人が象徴する創造、維持、破壊のプロセスを、寺院の内側の女神の胎内を巡ることによって逆行していきます。
まずこの虎の口から続く階段を登っていくことが破壊を象徴します。
今まで生きてきた中で築き上げてきた様々なものを全て破壊し手放すことを象徴します。
日本の神社などの胎内巡りとは違って真っ暗ではありません。
薄明かりがあるのでそこまで恐怖心は感じません。
中にはかなり不気味なものがあります。これは虎の生首のオブジェです。
そしてこの祭壇の下の方にも謎の生首っぽいものがあります。
これらは全て現実世界の名声や執着などを破棄することを意味しています。
そしてこの破壊を象徴するのがこの3人の女神たちです。
地元の人に名前を聞いたのですが、カーリーとドゥルガ、そしてもう一人はわからないとのことです。
そしてこのおどろおどろしい通路をくぐった後は、寺院の反対側の階段から下っていきます。
ちょっと写真が暗くて見づらいのですがこの階段の出口はワニの口になっています。ワニの口から再びこの世界に戻ってくることで創造を象徴しています。
日本の神社にある胎内巡りとは全く違って、いろんな装飾があったり神々がいたりとかなり派手な胎内巡りです。
ですが女性の胎内をくぐって再び生まれ変わり、人生を再出発させるという意味ではかなり共通している気がしました。
ヒンドゥ教にはやたらとたくさん神々が登場しますが、それぞれが人間が持つ様々な側面や、自然や宇宙の多様な働きを具現化した存在です。
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