NHK大河ドラマ『麒麟がくる』は2020年2月9日、第四回「尾張潜入指令」を放送しました。早くもドラマ内で本能寺が言及されました。脚本の池端俊策さんは「本能寺の変を起こした明智光秀から逆算して考えないでほしい」と述べますが、むしろ本能寺の変に収斂していく物語に感じます。
第一話は夜盗から領地を守るところから始まります。光秀は流浪の後に信長に仕官したと説明されますが、その前に領地との絆があったことを示すことは、自分の領地に深い愛着を持つ人物と性格設定できます。これは本能寺の変の動機の一つとみられる領地召し上げへの反発に現実味を持たせます。
また、松永弾正との会話では主君の好き嫌いと仕事は別という割り切りをしました。これは織田信長との関係を暗示します。また、「麒麟はこない」との台詞がありました。これも信長への期待と失望を暗示するように感じます。
第二話で斎藤道三は光秀に織田信秀との戦で二人の首級を挙げることを命じました。この戦いの光秀には首を獲ることへの強迫観念と躊躇がありました。これも本能寺の変後に明智勢が信長と信忠の二人の首を必死に探したことを連想します。
信長に仕える前の光秀は、あまり分かっていません。知らない話だから楽しめる方もいる一方で、知っている内容がどのように解釈されるかを見ることも歴史作品の楽しみ方です。『麒麟がくる』には本能寺の変へのつながりを意識するという楽しみが生まれました。
第四話は美濃と尾張の対立を背景とした緊迫感のある展開でしたが、その中で帰蝶(川口春奈)と駒(門脇麦)のガールズトークは、ほっこりさせられます。川口春奈さんは麻薬取締法違反の沢尻エリカさんの尻拭いという不幸なキャスティングのされ方でしたが、最初から帰蝶役に適していると感じられるほどです。
逆に沢尻エリカさんの帰蝶が考えられません。ひょっとしたら斎藤家の面々は道三も子どもの義龍も帰蝶も皆、光秀に無理難題を押し付けるストレスの素で、駒だけが癒し成分という設定であったかもしれません。それは新進気鋭の門脇麦さんをプッシュするマスメディアの傾向とも重なります。
沢尻エリカさんMDMA所持容疑で『麒麟がくる』どうなる
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NHK大河ドラマ『麒麟がくる』放送開始
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『麒麟がくる』帰蝶は我がまま姫