期待がそのまま意に沿った結果をもたらすことはない。必ずズレがある。
さつまいもドはさほど大きな期待も負わず大きな結果ももたらさないようである。すでにそんな空気を感じさせるのは決して個人的な味覚の違いによるものではない。季節に合わせて生まれたドーナツがまんべんなく狙った的にまんべんなく当たり同じようにまんべんなく外れるというだけである。
大学芋はその見た目の完成度が高い。濃い茶色の照りと胡麻がいつも見る大学芋らしさを十分に表している。もちろんこれはドーナツである。そのためそれほど高い完成度を期待して食べるわけでもなかったが見た目から得る情報はかなり忠実な大学芋であったのだ。
しかしその忠実性は見た目に限られたものであった。このかけられたグレーズは何味かと言われればみたらしであり大学芋にあるあの感じではない。みたらし芋ドーナツは人生で感じたことのない感覚を得ることができた。謎である。奇妙である。
上にかかったグレーズはカリッとしたあれではなくドロッとしている。そして芋ドのほっくほくとしたような感覚と合わさって非常に濃く感じられる。さつまいもドはほろほろとしたケーキ生地を思い起こす食感であるが芋らしいといえばいもらしい。しかしそれはねっとりとしたいもではなくホクホク芋である。そこにとろっとしたみたらしは失敗と感じられなくもない。
しかしスイートポテトは気に入ったしミスドではなかったドーナツなのでチャレンジとしても悪くない。
ただ、ミスドはチャレンジをしてもミスドはそこから進化することは少ない。ないといってもいいほどない。せっかくのチャレンジであるが修正せずに終わりにしてしまう最近の高校生のようなメンタルである。