ジャズピアニストのかねこです(✿︎´ ꒳ ` )。写真は昨日の晴れの空。昨日、久々に打ち合わせをしながらいろいろ話をしました。
歴史が好きな人で世界史、日本史と盛り上がりました。
さて、アーティスト表現をしてたら、自分が何に対して、反発したり、あるいは賛成したり、そんな価値観ってどうやってできるのかなぁ、というのが自分の中でまとまってきたので書きたいと思います。
自分なりの頭の整理という形なので、ご了承くださいませ。
なぜそれが良いと思ってたり、良くないなぁと思ったりするのかなぁ、それのベースはなんだろ?が疑問のスタートでした。
僕は自分が生まれた場所の環境が一番最初の価値観のインストールと思うことにしてます。
その環境は土地の文化や宗教や慣習などなど、意識するかしないかにかかわらず自分には無意識に影響して物事の思想体系が自分に作られる。
作物を育てる地域にあれば雨が降れば雨は素敵、という印象を抱くし、関係ない地域なら雨はやだなぁ、と思ったり。祈ることが普通ならそれが当たり前になるし、祈らない人はそれが普通になるし。
これらはどっちが良いとかありません。
環境が最初のインストールされる母体でそこで宗教や文化の慣習、人の影響など様々な要素の関係により自分のなかにベースが出来上がる。
最近みたシリコンバレーというHBOのドラマにサタニストという人がでてきました。簡単に言うと個人主義みたいな価値観ですが、そうやって環境をもとにした思想から、社会生活や人間関係、新たな情報によってその人の思想が細かにアップデートされその人なりの判断が出来上がってきます。
何かの仕事をするときに、チームでする方が良い、一人でする方が良い、そういった身近な捉え方から、輸血もしていけない、なんて考え方もあったりします。
そんな社会生活をする中でまた外部からの情報や人間関係においてその都度変化したりしていったり。
根っこの大きな変わらない抽象的な柱の価値観みたいなのは変わらず、端にある価値観の変化は多様性を持ってする、なんて人もいるかと思います。
それはひとつの神様の言葉を信じてそれに裏切らない限りは、わりと食べ物も食べる、みたいなことだったり。
あるいはそれら全ては認知していない人もいるかもしれません。なんとなくそれはいけないことと思う、とかの印象レベル。
これは環境からのインストールが、場所が変わっても無意識でされ続けて少しずつ変化しているかもしれません。
この状態で普段過ごすことは多いかもしれませんが、ここ数年歴史を良く勉強してるせいか、価値観のアップデートに重要なのは歴史をとらえるということだ、と思いました。
周りの環境や社会生活、人間関係からだけではなく、今は歴史を知ると価値観がアップデートされます。
例えば、奴隷制度、ときけば黒人さんを白人が売る、なんてイメージかと思います。僕はジャズが好きなのでそのあたり気になって調べたことがあったのですが、奴隷は古代ローマ、もっと前からも白人が奴隷でした。
もちろん解放奴隷などがあり一定の条件を満たせば通常の権利をもてる制度や奴隷主も解放奴隷を作ることに一定のメリットがあったりしてました。
黒人が奴隷として歴史に多くでてくるのは15、16世紀くらいでしょうか。大航海時代から。
その時はむしろアフリカの黒人が部族争いで黒人を奴隷にしヨーロッパの国々に売り、武器と引き換え、さらに部族争いをする。と言う形でした。
紀元前からいた白人奴隷より、16世紀から出てきた黒人奴隷の方が歴史的に短いです。
そんな事実を知るだけで自分の中で何か物の見方が変化すると思います。
何かの歴史をポイントで知る、悪いことではありませんが、できれば文脈で知ることが価値観と表現をアップデートできる大事なことかなと思っています。
先の黒人奴隷だとポイントで黒人奴隷がいた、というと、なんて白人はひどいんだ、ってなってしまいますが、紀元前からあったことや解放奴隷制度、その制度利用に奴隷主も一定のメリットがあった、知的労働も担当していた、などなど知ると、簡単に誰かが悪い!と言う形では無くなります。
15.16世紀の件をさらに知ると、白人が悪い、黒人が悪い、あれが悪い、と言う簡単な思考より、本質的な、「他人が他人の決定権を制限するのが本質的にいけないこと」ということが見えてきたりします。
この答えの持ち方は人それぞれ表現は違うかもしれません。ただ大事なのは単純にこれがだめ!と言う思考にならないと言うことです。何より人類の歴史は簡単ではないですから。
アーティストならなおさらですが、文脈で歴史を知るのは表現をアップデートできます。
ピカソのキュビズムの絵を知っていて、ピンポイントにそれを真似しても表現になりません。
そこでピカソはそもそも絵がうまかったということを知ると、絵がどのような流れで変わっていったか注目することになります。
天才的な発想でポンとできたんだ!と言う発想から、歴史、文脈を知ることでこの独創性には既存の卓越した技術もベースとして重要だったんだな、と価値観が改められます。
そうなると自身もさまざまな技術を習得をしなければいけないと思う人もいるかもしれません。それの結果でてくる表現は以前より変化するとことになると思います。
歴史を文脈で捉える!といってもだれが勉強しても変わらない、と思うかもしれませんが、何を中心に捉えるか、どのようにそれらを整理するかで変化します。
僕はジャズが好きなのでそもそもジャズを中心に世界史や日本史など捉えてます。
例えば1920年代はジャズが盛り上がりました。
そして、いままでは音のないサイレント映画映画が主流でしたが、1927年に映画に革命が起きる。音声が入った世界初のトーキー映画が公開される。題名は「ジャズ・シンガー」。
映画はそこまで詳しくない僕はジャズの歴史を調べることで映画にも興味が湧き、ジャズ視点で映画を捉えてます。
同じようにアニメーションも1930年あたりのベティブープも当時の大人気ジャズバンドのギャブキャラウェイが出てることで文脈の中で整理されてます。
自身の好きな捉え方で良いのです。あっているあっていない、そんなことはその事実を教えてもらったりしてアップデートしていけば良いのです。
車のOSが遠隔でアップデートされ、便利になる時代、それにのる自分が、考えを昭和の価値観で凝り固めてアップデート不可にする必要はありません。「テスラ、便利だなぁ」と自然に変化させれば良いだけです。
そのように歴史を文脈でとらえるとひとつの共通点が見えます。
必ず変化していると言うことです。
たとえばR&Bという音楽ジャンル。アリシアキースやアリアナグランデなどなど今イメージさるとこの人かな?なんて頭にそれぞれイメージがあるかもしれません。
しかし、初期のR&Bのルイジョーダンを聞くと今聴くとジャズに聞こえるかもしれません。しかし、時代に沿って聞くとやはりR&Bともいえます。
ルイジョーダンもアリシアキースは同じに聞こえないかとしれませんが、大事なのはR&Bというジャンルが成立した中で、時代が進むにつれそのうちのいくつかの要素のうち一つが新しい時代のものと入れ替わり、そして変化している今のサウンドを作っていることです。
例えばロックンロールは50年代にジャズなども要素に入れていたR&Bが登場したあとそれを延長上で進化し、ロックンロールが生まれますが、それをイギリスが取り入れたときに、ジャズのスウィングの要素ははぶき、新しいロックになっています。そして、後年さらに新しいギターの音やフレーズとともにさらに要素は入れ替わり、何年も経つと最初と比べると別のサウンドに見えるかもしれません。しかし確実にもとにあって変化を続けてきた結果いま、大好きなサウンドになっているのです。
そんないま自分が大好きなものが変化の連続でできていることを知ると、物事の捉え方の価値観や自身が生み出す表現は変化していくなではないでしょうか。
最近アイスのピノにハマっているのですが、小さい頃に食べた味と変わらず美味しく、本当にすごいなぁと思っている今日この頃。
ラーメン屋の面白い話を聞いたことがあります。
常連さんが20年通うお店に同僚を連れてきて常連はこう答えます。
「このお店は20年来、味が変わらない、おいしいんだよ」
その後、一人になったときに同僚さんは店主に聞きます。「20年味を変えないのすごいですね。」。
店主は答えます。「常連さんが飽きないように、毎日味を研究して進化させているですよ。だから味が20年経っても味が変わらないと感じでもらえてるんです」
進化することでその時代にあったものを提供できるという面白い話だなぁとなんとなく覚えていました。
さて、今日もハッピーターン食べようかなと思います。
日々のつぶやきは、
みてるだけでちょっも音楽教養かも?かねこのジャズチャンネル
ジャズピアニストかねこ(✿︎´ ꒳ ` )