ファスティングをやるのは2度目になる。年末に1週間ほど期間を設けて1日2食→1食へ減らして、準備期間を経て3日間のファスティング(断食)をした。
体重が減ったこと以外、結果自体を大きく実感することは少なかったが、ファスティングによって体の掃除が行われたと満足して、できることなら半年に一回くらいやろうと思っていた。
もともと断食には良い印象を持っていなかった。精神修行のような苦行のようなイメージを持っていたためで、どこか精神論で体に良い、という迷信めいたことを信じること、のようで、あまり良い印象ではなかった。
イメージや先入観で全てを事実であると判断するのは良いことではないので、いつもそういった時は自分なりに調べたりしてその結果試してみたりして、取り入れるようにしている。
ファスティングをしようと思った一つの出来事に、オートファジーを知ったことが大きい。
オートファジーとは、簡単に言うと細胞の自食作用のことで、体が飢餓状態になった時に、オートファジーのトリガーが引かれ、細胞が古くなった細胞を食べてタンパク質合成をするという作用のこと。
体に栄養が供給されなくなると、体は自身の体内の中の優先度の低いタンパク質や古くなった細胞など食べてタンパク質合成をすることで必要なエネルギーを作り出す。
オートファジーは昔からあることは知られていたが、その仕組みは解明されてなかった。そこに2016年に大隈良典さんがオートファジーを仕組みの解明し、ノーベル賞を受賞した。
その研究所にいた人がオートファジーのことを書いていて、その本を読んだところが始まり。
本はとても作用が詳しくのっており、今分かっていること、わからないこと、なども語られ、興味ある人は読んでみると良いかもしれない。
自粛の影響で自宅待機が増えて、適度な運動と食事も1日1食で体重もキープをして過ごしていたが、楽しみをスイーツや糖質に求め、その代わり食事の回数を減らす、などうまくコントロールできていたところに、緊急事態宣言の解除に伴い、僕自身も何故か食べ物制限解除、という謎の自分緩和を行なってしまった。ここ1週間で急に色々食べはじめてしまい、あっという間に3キロアップ。
前回のファスティングから、その間はずっと仕事が少ない日は1食、通常でも2食、グルテンフリーというか、糖質制限をかけつつ、という感じで基本でいたので、手前の一週間は謎の自分緩和をしていたとはいえ、大丈夫だろうという、これまた謎根拠に基づく意思決定と、半年に一回という良いタイミングということもあり見切り発車的に昨日の夕方の食事を最後に水のみではじめた。
前回はグリーンスムージーを1日2〜3回飲んでいたので随分と楽だったが、元来面倒くさがりか、なんでも手軽に身軽に行うのが好きなため、今回は水飲みというシンプルな方法にすることにした。
断食といってもうまくいかないと栄養失調になったり、食べ過ぎて胃に負担をかけてしまったりして危険な部分もある。
ファスティングのスターターキットを売っているところもあるくらいなので、僕みたいなシンプルで手軽が好き、という価値観だからといって、いきなりこれをやるのはお勧めできないので、興味ある人は調べてぜひ安全なやり方を。
さて、断食をしていて思ったことがあった。時間を持て余す、という不思議な感覚。
考えてみれば、食事を1日3回していた場合は、その3回の食事をする時間、作る時間、食材を買う時間が全てなくなる、そしてお金も使わなくなる。時間を別のことに使うことができます。
食材を買いに行って作って食べる、という流れが例えば1時間だとすれば3回なら3時間、1日の時間が増える。
これでは実感し辛いかもしれないが、自分がやっている作業が食事によって中断されなくなる、と捉えたらどうだろう。これはかなり面白い体験だった。
しかし断食中は食事を取らないので、アグレッシブにも動こうと思えなくなりどことなく力が抜けているような感覚。特に2日目以降は。
空腹になれないと作業に集中なんてできないので、手にはつかなくなるが、それでも頭は何かを考える。
その間に自分を断食というものを自己の決定のもとに行っているが、これを強制的にずっとされた人も歴史上いたのかもしれない、など考えると今自分で自分のことを決めれていること、自分の意思決定が自分で執行できることの幸せを考えさせられた。
そもそも何故断食をするかの正直なところは、健康よりまた美味しいものを制限なく食べたい、にあるかもしれない。美味しいものを食べる食べるにはやはり健康でなくてはならないが、そのため一度食べ過ぎた体をもとにもどそう。
もうすぐ24時間が経過するが、それでも美味しい食べ物への魅力は尽きず、アイキャッチの写真を自身のフォルダから探している時に何度も断食をやめようと思った、という事実は断食へいよいよスタートしたということ。3日目になればそれが断食が終わった後、胃が受け付けなくなり食べれないということにも気付くだろう。
必要以上のものを無駄というなら人間が生きていることの殆どが無駄かもしれない。その中で自分の決定によって納得して少しでも無駄を楽しんでいきたいものだなぁ、と考えた断食1日目です。
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みてるだけでちょっと音楽教養かも、かねこのジャズチャンネル
ジャズピアニストかねこ