2018年5月から毎月1回公開されることになっている、CCID(中国电子信息产业发展研究院)による「全球公有链技术评估指数(Global Public Chain Assessment Index)」の第3回目リストが、2018年7月20日に公式ウェブサイトで公開されました!
2018年5月の1回目には日本語で多くの情報が出回っていましたが、6月の2回目はグッと情報量が減り、今回の3回目は日本語では今のところ見当たりません…
ですが、スコアの変遷がデータとしては重要かなと思うので、今回の結果と過去2回のスコアを対照する形で書き留めておきたいと思います。
インデックスの基準についてはCCIDが公表している内容を基に、以下の記事にまとめました。
また、前回、2018年6月の第2回リストについては、以下の記事にまとめました。
インデックスの背景説明や補足説明、第1回リストの内容についてもリンクを貼っていますので、ご覧いただければ嬉しいです。
本リストの発信元は「赛迪(青岛)区块链研究院」で、リストは公式ウェブサイト「CCID赛迪区块链」に掲載されています。
詳細は上記のウェブサイトを見ていただくとして、以下、今回の順位にしたがって、3回分の総合評価と順位(丸括弧内に明記)を並べたものをまとめましたので、画像として貼り付けておきます。
今回は、第4位にランクインしているGXChain(公信链)が新たにリストアップされ、全部で31のパブリックチェーンが評価されています。
上に挙げた記事にも書きましたが、今回のリストも含めて3回のインデックススコアを見ると、評価基準が厳格に守られているなあという印象です。
その評価基準は、総合点の「基础技术水平(Basic-tech)」基準のひとつとして、「スマートコントラクト(智能合约)>特定の応用機能>デジタル貨幣のトランザクションサポートの順に点数が高い」というものです。
CCIDはこのインデックスを「仮想通貨」としての順位ではないと明言していますが、そのとおり、いわゆる「プラットフォーム」系のプロジェクトが高く評価されている印象です。
そのうえで、3回分のスコアの変遷を見るといろいろなことに注意が向きますね。
たとえばスコアに大きな変動があったものとして、Wavesのスコア上昇とSteemのスコア下降が個人的には目につきました。
以下、この2つのスコアの変化に少しだけ触れておきたいと思います。
Wavesについては、総合スコアを構成する①「基础技术水平(Basic-tech)」、②「应用层级(Applicability)」、③「创新能力(Creativity)」のスコアを見てみると、③についてはほとんど変化が見られません(第1回から、16.0→16.9→15.6)
他方で、①は58.2→63.8→67.4、②は12.3→19.5→18.1となっています。
スコアを見る限り、開発の進捗とアプリ開発の容易さが評価されているように感じます。
それに対し、Steemの3スコアを見ると、①は上昇傾向にある(82.6→86.9→88.3)反面、②は9.4→7.5→6.5、③は23.9→10.1→10.0と下降傾向にあります。
開発が順調に進んでいるのに対して、アプリ開発の容易さや創造性というところで評価を上げる材料に欠けているというスコアに見えます。
もちろん、個々のプロジェクト担当者にとっては異論を唱えたくなる部分も多くあるだろうと思いますが、中国がブロックチェーンをどのように捉えているのかを図る指標として重要だろうと思います。
こうした格付けを見ると、つい順位の変化に注意が向いてしまいそうになりますが、インデックススコアの基準がある程度明確だということと、毎回新たなプロジェクトがリストアップされるので、順位の変化よりもスコアの変化のほうが重要だろうと思います。
そのうえで、そうしたスコアの変化から一定の動向を読み取っていくためには、もう少し継続的にスコアの変化を見ていく必要があるだろうと感じます。
せめて、半年から一年のあいだに公表されるスコアを並べてみると、何か傾向が分かるかな…と思っていますので、引き続き情報を追いかけていきたいと思います!
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