(台湾のブロックチェーン専門メディア「動區BlockTempo」も「EvenToken」のメディアスポンサーのひとつだそうです)
台湾では連日、ブロックチェーンや仮想通貨に関するイベントがいろんなところで行われています。
そうしたイベント情報を探すにあたって僕がよく活用しているのが、多くのイベント情報を掲載し、チケット販売も行っている「Accupass」です。
以下の記事に書き留めましたが、Accupassはサービス拡充の次のステップとしてブロックチェーンの導入を公表していました。
今回、Accupassがブロックチェーンを導入することによってどのようなことを実現していこうとしているのかに関する具体的な動きが報じられていましたので、記事として書き留めておきたいと思います。
・AccupassがBytePayと提携して仮想通貨決済を導入⁉︎
・ブロックチェーンを活用した新たなプラットフォームも公開⁉︎
・「Accupass×ブロックチェーン」のインパクト
台湾の大衆紙「旺報」が2018年11月22日、ウェブサイト上に掲載した記事によると、台湾発のイベント情報・チケット販売プラットフォームである「Accupass」が、仮想通貨決済サービスを開発している「BytePay」と提携して、チケット購入にビットコインとイーサリアム決済を導入することを明らかにしたそうです。
BytePayは公式ウェブサイトのトップページには、「あなたのオンラインショップからリアル店舗まで、どこでもビットコイン決済ができるようにします(讓您的線上商城以及實體商店都可以接受比特幣付款)」と書かれています。
より具体的には、ビットコインやイーサリアムだけではなく、「あなた自身が発行した仮想通貨(您自己發行的加密貨幣)」で決済できるシステムを、手数料ゼロで実現するサービスを提供しているということのようです。
サイトにはQRコードによる決済サービスのデモが公開されていて、ビットコイン、イーサリアム、Binanceの独自トークンであるBNB、台湾のブロックチェーンプロジェクト「Mithril」のMITH、「ブロックチェーン×映画」を実践している「SELFPICK」のSELFトークンの事例が挙がっています。
仮想通貨のボラティリティの大きさから生じるリスクについてもBytePayが負担するというメリットも打ち出されていますので、今回のAccupasによる導入を契機に、ポジティブな動きが広がっていくかもしれませんね。
Accupassは台湾だけにとどまらず、香港や中国など、中華圏で多くのユーザーを獲得しているプラットフォームなので、ここで仮想通貨決済が導入されたということだけでもインパクトは大きいのですが、今回、Accupassはこれ以外にもブロックチェーンを活用した新たなサービスを公表したようです。
台湾のIT系ニュースサイト「iThome」が2018年11月23日に掲載した記事によると、Accupassは仮想通貨決済について公表した場で、新たなブロックチェーンを活用したサービスとして、「分散型イベントプログラムスポンサープラットフォーム(去中心化活動項目贊助平臺)」である「EvenToken」を2018年12月からスタートさせると発表したそうです。
記事によれば、いわゆる「クラウドファンディング(群眾募資)」プラットフォームということのようですが、これをブロックチェーン上に構築することにより、透明性と安全性、およびスマートコントラクトによる確実な契約を実現するという意図があるようです。
EvenTokenは公式ウェブサイトがすでに公開されていて、トップページにはブロックチェーンを活用したプラットフォームが実現するソリューションとして、以下の3点が挙げられています。
イベント実施のハードルを下げる(降低活動啟動門檻)
偽チケット問題の解決(解決假票的問題)
二次取引による利益をイベント主催者に還元(二手交易利潤回到活動主辦方)
ブロックチェーンおよびスマートコントラクトの特性を活かして、イベント実施をめぐる課題の解決を目指していくことがはっきりと示されていますね。
運営グループはAccupassの創始者でCEOの謝耀輝さんをはじめとするAccupassの主要メンバーで構成されているとともに、アドバイザーとして、台湾の「CryptoCongressman」と呼ばれている立法委員の許毓仁さんや台湾の仮想通貨取引所「JOYSO」の創始者でCEOの宋倬榮さん、メンターには上に挙げた「SELFPICK」の葛如鈞さんや、オーストラリア発の仮想通貨取引所で台湾にも取引所を開設している「BitRabbit」のLucy Chenさんなどが名を連ねています。
(ここに挙げた人々や企業についてはこれまでに記事に書き留めましたが、リンクだらけになるので、許毓仁さんの関連記事のみリンクを貼っておきます^^;)
提携パートナーやメディアパートナーにも、たとえば「プライベートプレイスメントプラットフォーム」を提供している「LeadBest」など、台湾のブロックチェーン関連企業が少なからず名を連ねていて、台湾のブロックチェーン業界の期待を受けたプロジェクトであることがうかがえます。
iThomeの記事によれば、プラットフォーム上では「ET(Event Token)」、「ERT(Event Redeem Token)」、「EST(Event Sponsorship Token)」という3種類のトークンを活用したトークンエコノミーの構築が意図されているようです。
詳細は、間もなく公開される予定のホワイトペーパーに掲載されているはずですので、続報を追いかけていきたいと思います!
日本のLINEや中国のアリババなど、すでに多くのユーザーが存在する既存のプラットフォームを有する企業がブロックチェーンの導入を推し進めていくことには、非常に大きなインパクトがあるように思います。
Accupassは日本での知名度はまだまだですが、中華圏を中心に多くのユーザーを持つ「成功した」スタートアップのひとつですので、今回のブロックチェーン導入は一定のインパクトを持って受け止められているように感じます。
しかも、Accupass本体への仮想通貨決済導入だけではなく、新たなプラットフォームの構築と速やかなサービス開始を実現するというスピード感は、変化の激しい業界のなかでも目を惹く動きなのではないかと思います。
EvenTokenのサービス開始までもうまもなくというところですから、具体的な動きがどのように展開していくのかに注目しながら、コツコツと情報を追いかけていきたいと思います!