「古事記」のお勉強(6)～大国主命～因幡の白ウサギ、赤い猪、大国主の試練

matol
2021/08/30 23:27

やっと大国主神（オオクニヌシ）の代まで来ました。次の物語は、

上巻
因幡の白兎
八十神（やそかみ）の迫害
根の国訪問
古事記出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』最終更新 2021年8月2日 (月) 08:13

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・大国主神（オオクニヌシ）は
　別名
・大穴牟遅神（オオナムチ）
・葦原色許男大神（アシハラシコオ）
・八千矛神（ヤチホコノカミ）
・宇都志国玉神（ウツシクニタマ）
と、5つの名前で呼ばれていて、試練を経るごとに呼び名を代えて登場する。

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■因幡の白ウサギ

●因幡の国に、美人として名高い八上比売（ヤカミヒメ）が居た。兄弟の神々はみなヤカミヒメを妻にしたいと思い、揃って因幡国へ出かける。オオナムチは荷物持ちで付いていく。

●「気多の前」という所を通りかかると、赤はだかになったウサギがいた。隠岐の島の住むウサギで、ずらっと並んだサメの背を踏んで本土に渡ってきた。最後のサメに本土に渡りたいという魂胆が知れ、毛の着物を剥され赤くなっていた。

●兄神たちは、赤はだかのウサギに海水を浴びて、高い山の上で風に当たって寝ていると良いぞと進言する。赤ウサギは、その通りにすると、肌がピリピリ引き裂かれ焼け付くような痛みに苦しんだ。

●遅れてきたオオナムチが、川の水で良く体を洗い、川辺の蒲の穂綿の上を転げまわりなさいと、進言する。これによりウサギの傷は治った。
ウサギはオオナムチにヤカミヒメとの結婚を予言する。

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■赤い猪

●因幡の国に着いた兄神たちが、ヤカミヒメに求婚を迫ると、ヤカミヒメはオオナムチの妻になりたいと宣言する。

●怒った兄神たちはオオナムチを殺そうと計画する。出雲の国へ帰る途中、伯耆国の手間山の麓まできた時にオオナムチに赤い猪を捉えるように命ずる。兄神たちは真っ赤に焼いた大石を猪に見立てて山の上から転がし落とす。オオナムチは全身で受け止め大火傷を負い息絶えた。

●母の刺国若比売（サシクニワカヒメ）は嘆き悲しみ、高天原に上り、造化三神のカミムスビにオオナムチを生き返らせてほしいと嘆願する。カミムスビは、キサカイヒメ・ウムカイヒメを派遣してオオナムチは生き返る。オオナムチは以前よりも立派な青年となって出歩けるようになった。

●兄神たちは再び、オオナムチを殺そうと狩りに誘い出し、大木の下敷きにする。それを知った母のサシクニワカヒメはオオナムチを助け出す。

●ここにいては兄神たちに殺されてしまうと、サシクニワカヒメはオオナムチを紀伊国の大屋毘古神（オオヤビコノカミ）の所へ逃がす。更に兄神たちが追ってくるので、スサノオの居る根の堅洲国へ行く。（スサノオは奇稲田姫を結婚し、須賀という土地に宮を造り暮らした・・・その後、黄泉の国（根の国）の支配者となったのか？でも、その後の話は地上のお話だなあ。黄泉の国は地上にあるという説もあり）

●オオナムチは根の堅洲国で最初にスサノオの娘、須勢理毘売（スセリヒメ）に会う。二人は恋に落ちる。オオナムチはスサノオと面会する。

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■試練

●スサノオはオオナムチを葦原色許男命（アシハラシコオ）というと告げる（この名は葦原の中つ国からきた色男の神という名前）。

●スサノオはオオナムチに試練を与える。大小様々の「蛇の室屋」や「ムカデと蜂の室屋」で休ませたりするが、スセリヒメに助けられる。

●スサノオは草原に矢を放ちオオナムチに拾ってこさせるが、火を放つ。火に囲まれたオオナムチは「内はほらほら、外はすぶすぶ」と囁くネズミに救われる。地面の空洞に入り助かる。ネズミはスサノオの鳴鏑（矢）を拾っていた。オオナムチはスサノオに鳴鏑（矢）（なりかぶら）を献上する。

●オオナムチはスサノオの頭でうじゃうじゃしているムカデを取ってあげると、スサノオは気持ちよく寝込んでしまう。その隙にスサノオの髪の毛を広間の垂木ごとに結び付け、大岩で室の戸を塞ぎ、オオナムチはスセリヒメを連れて出雲の国へ帰ることにする（スサノオの宝物の生大刀、生弓矢、天沼琴と共に）。

●スサノオは髪を解いて追いかけてくるが黄泉比良坂で、はるか彼方のオオナムチに生大刀、生弓矢で腹違いの兄弟たちを坂の裾に落とし川の瀬に追い払ってしまえ、そして大国主神（オオクニヌシ）となり、娘の須勢理毘売（スセリヒメ）を正妻とし国土を治める、また宇都志国玉神（ウツクシニタマ）と名乗り現実世界の王となれ、と告げる。また、宇迦の山の麓に高天原に届くほどの立派な宮殿を作って住むように告げる。

●出雲に戻ったオオナムチは兄神たちを追い払い国作りを始める。オオナムチはヤカミヒメとも結婚して子どももできるが、ヤカミヒメはスセリヒメを恐れて、子どもを残し因幡の国へ帰ってしまう。子どもは「木俣神（御井神）」と呼ばれるようになった。

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ここに登場する神様を祭神とする主な神社は、

「オオクニヌシ」を祀る神社
大国主神を祀る神社は非常に多く、全国の一宮を中心に無数に存在する。ここでは主な神社を列挙する。
出雲大社（島根県出雲市）
物部神社　境内　稲荷神社、一宮祖霊社（島根県大田市）
大洗磯前神社（茨城県大洗町）
神田明神 (東京都千代田区)
大國魂神社（東京都府中市）
氷川神社（埼玉県さいたま市）
一之宮貫前神社　境内　咲前神社（群馬県富岡市）
二荒山神社（栃木県宇都宮市）
日光二荒山神社（栃木県日光市）
大前神社（栃木県真岡市）
高瀬神社（富山県南砺市）
気多大社（石川県羽咋市）
気多本宮（石川県七尾市）
小国神社（静岡県周智郡）
富士山本宮浅間大社　境内　久須志神社（静岡県富士宮市）
諏訪大社　境内　大国主社、秋宮恵比寿社（長野県諏訪市、諏訪郡）
南宮大社　境内　樹下神社（岐阜県不破郡）
飛騨一宮水無神社（岐阜県高山市）
日吉大社　西本宮（滋賀県大津市坂本）
建部大社（滋賀県大津市）
砥鹿神社（愛知県豊川市）
出雲大神宮（京都府亀岡市）
愛宕神社（京都府亀岡市）
一宮神社（京都府福知山市）
地主神社（京都府京都市）
大国主神社（大阪府大阪市）
道明寺天満宮　境内　元宮土師社（大阪府藤井寺市）
大神神社（奈良県桜井市）
有間神社（兵庫県神戸市北区）
高砂神社（兵庫県高砂市）
伊和神社（兵庫県宍粟市）
中山神社　境内　国司社（岡山県津山市）
飛瀧神社（和歌山県那智勝浦町）
金刀比羅宮（香川県仲多度郡）
八桙神社（徳島県阿南市）
薬師神社 – 全国各地
ほか、全国の出雲神社で祀られている。また北海道神宮（北海道札幌市）をはじめ北海道内のいくつかの神社では、「開拓三神」として大国魂神・少彦名神と共に祀られている。
大国主出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』最終更新 2021年7月1日 (木)

「サシクニワカヒメ」を祀る神社
赤猪岩神社（鳥取県西伯郡南部町）
宮木諏訪神社（長野県上伊那郡辰野町）

「キサカイヒメ・ウムカイヒメ」を祀る神社
出雲大社の摂社天前社（伊能知比賣神社）
岐佐神社（静岡県浜松市西区）
加賀神社（島根県松江市島根町）（キサカイヒメ）
法吉神社（島根県松江市法吉町）（ウメカイヒメ）

「オオヤビコノカミ」を祀る神社
伊太祁曽神社（和歌山県和歌山市）

「スセリヒメ」を祀る神社
大国主神とともに祀られている場合がほとんどである。
出雲大社（島根県出雲市） - 摂社大神大后神社（御向社）
那売佐神社（島根県出雲市）
春日大社（奈良県奈良市） - 末社夫婦大国社
國魂神社（福島県いわき市）
総社宮（岡山県岡山市）
備中国総社宮（岡山県総社市）
など全国の神社で祀られている。

「ヤカミヒメ」を祀る神社
売沼神社（鳥取県鳥取市河原町）
都波只知上神社（鳥取県鳥取市河原町）
島御子神社（長崎県対馬市豊玉町）
八上姫神社（島根県出雲市斐川町）

「木俣神（きまたのかみ）」を祀る神社
一般的に木の神、水神、安産の神として崇敬されている。
御井神社（島根県出雲市）
御井神社（兵庫県養父市）
御井神社（奈良県宇陀市）
津田神社（三重県多気町）
五百井神社（滋賀県栗東市）
気多若宮神社（岐阜県飛騨市）
御井神社（岐阜県各務原市）
御井神社（岐阜県養老郡養老町）
大井神社（京都府亀岡市）