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『ブロックチェーン・レボリューション』の当時と今

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  • もずく
  • 2020/01/19 14:08

もずくです。

 

諸事情ありまして、『ブロックチェーン・レボリューション』が書かれた2016年当時からブロックチェーンを取り巻く状況がどう変わってきたか、特にこの書籍で予想されていなかった部分について個人的な所感をまとめます。

 

なお、私が『ブロックチェーン・レボリューション』を読んだのは2年前で内容をあまり覚えていないということと、ここ1年は仕事が忙しくてブロックチェーン情勢についてほぼ情報を追っていませんので、信憑性みたいなものはありません。

もし、「いや、予測していなかったことといえばこれでしょ!」というものがありましたらコメント欄にいただけますと幸いです。

 

~ここから~

 

まず、『ブロックチェーン・レボリューション』で語られた未来の世界が一部でも実現したか…というと、2020年1月現在ではまだまだ未来の話という印象です。

何が障害となっているか…というと、技術的な側面もありますが、既に稼働しているシステムはそう容易に置き換わらないということと、(既得権益という点では同じことかもしれませんが)国の法的な制約が思ったよりも強くかけられた…ということがあるかと思います。

このことも含めて、私が各種のニュースやTwitterから感じる『ブロックチェーン・レボリューション』では予想されていなかった(あるいは予想はされていたけれどもこれらがまず最初に来るとは考えられていなかった)ものは次のとおりです。

 

1. 国の法的規制が暗号資産としてのブロックチェーンの普及を抑え込んでいる

2. ブロックチェーンのDecentralized(非中央集権・分散化)という側面にそれほど人々が関心を示していない(?)

3. 一方で、コンソーシアムチェーンは一気に普及しそうな気配を感じる

4. FacebookのLibraのように国境を越えた電子通貨としてのステーブルコインはいくつか出てきそう

5. Decetralizedという点ではDeFi(分散型金融サービス)がまず伸びてきた

6. 法規制次第ではあるが、ブロックチェーン技術のゲーム利用も普及への一つの突破口となりそう

 

1の法規制については、少なくとも表向きはマネーロンダリング対策と投資家保護が具体的に進んだ結果だと思われます。もちろん、国の通貨発行権を脅かす存在としてみられている…ということもあるだろうと個人的には思います。

2のDecentralizedという側面に人々があまり関心を示していない…というのは、古くはオープンソースソフトウェアでもそうでしたし、まあ、そういうものなのかもしれません。法規制が厳しくなった後のDeFiの活発化をみていると、匿名ファイル共有でP2Pが一気に脚光を浴びたのと同じように、欲望に繋がるメリットがあればDecentralizedな側面にもみんな興味を持ってくれるのかもしれません。
個人的には「Decentralized」というのがビットコインから始まるブロックチェーン技術の一番の肝だと思っているのですが。

3の「コンソーシアムチェーン」はビットコイン以前からある分散台帳技術のリニアな延長であり、『ブロックチェーン・レボリューション』で語られている革命とは異なる気もしていますが、中央集権が数個に分散するだけでも消費者にとっての価値はあるのかもしれません。

4のステーブルコインですが、私は、日本のQRコード決済争いと似たようなものを感じています。クラウドサービスやAIと同じく、どの企業連盟が国際デジタル通貨のシェアを握るか、Facebookと国のやりとりをしばらく見たあと、各IT巨人が似たようなものを出してくるのでは…と邪推しています。

5のDeFiは、通貨→DEXの自然な延長線上にあるものとして、Decentralizedな仕組みに乗りやすかったのかな…とも思います。利用者としても、2017年ほどの暗号通貨の大きな値上がりも期待できない中、手持ちの暗号資産を活かすにはレンディングがリスクも少なくてよいですよね(勝手な所感)。

6のブロックチェーンゲームに関しては日本だけかもしれませんが、元々ゲームというのがトークンと相性がよく、さらにNFTの登場によってインターゲームな世界観を構築できるようになったのが面白いな…と。
とはいえ、カストディ業務の規制によって一気にブレーキがかかりそうではありますが…

 

ということで、『ブロックチェーン・レボリューション』が描いていた未来については、Decentralizedな世界ではなく、企業によるコンソーシアムチェーンの世界としてしばらくは展開されていくのかな…と私は予想しています。

『ブロックチェーン・レボリューション』で夢語られていた種々のDAO(Distributed Autonomous Organization)については、この先のAIがどうなるのか…というのも無関係ではないように思います。AIが「理想的なマネージャ」となってくれるにはAIブームをあと2回くらい経たあとだろう…と考えていたのですが、今回のAIブームは息が長く、深層ニューラルネットワーク+強化学習にノンパラメトリックな手法が加わってきて思ったよりも期待できる状況になってきているように思います。

そして『ブロックチェーン・レボリューション』に何度も挙げられていた国際送金への利用は…ね…

 

以上、メモ代わりで失礼しました。

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