googleにもできない『信頼の可視化』のひとつにイラスト投稿SNSのpixivの『人気順検索』があると思います。
普段、イラスト等には興味が無い方でもピクシブという名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
pixivは年間売り上げ30億円以上ともいわれ、数あるイラスト投稿系のサイトではダントツでNO.1ですが、創業当時は赤字経営に苦しんでいたようです。
膨大なPV数があっても、二次創作や児童ポルノまがいなものまでを容認しているpixivにはスポンサーが付きにくく、広告収入だけでは経営が成り立たなかったのは容易に想像できます。
この赤字経営を黒字化させたウルトラCは「有料会員制度」ではないかと思っています。(あくまで個人的な見解です)
当初、有料会員は「キャプションの改行ができる」等のあたりまえな機能しかメリットがなく、会費はpixivを応援するという意味合いが強かったのですが、2012年にリリースされた『人気順検索』は有料会員を増やす事に大きく貢献したと思います。
なぜなら「検索結果をいいね順に表示させる」という機能はお金を払っても使いたいモノだからです。
例えば「アリス」とpixivで検索すると2018年6月現在、155588件のイラストがヒットし、新しい投稿順で表示されます。
検索結果の膨大な数のイラストを全てを見るには大変な時間がかかるので、日常的にpixivを見る人であれば有料会員になるメリットがあるのではないでしょうか。
これって地味に凄いことだと思いませんか?
いいねの多い順という「信頼の可視化」みたいなもので商売してるんです。
(※ALiSの信頼度のようなロジックがある訳ではなく、単純にいいねの数です)
逆に言えば、「有料会員じゃない人には人気のイラストをすぐには見せてあげない」って事なんですけどね…。
これを有料サービスとして実現できるのは、1日に数万点という膨大な投稿と無報酬でもいいねを付ける読者が大量にいる『イラスト』の魔力なのでしょうか。
さらに、面白いのが、この『人気順検索』を支える『タグ付け』機能の特殊性です。
なんとpixivでは投稿者が作品にタグを付けるのは当然として、読者が勝手にタグを付けることもできます。(投稿者は管理する事が可能)
作品に対するコメント機能はあるのですが、『#素晴らしい』『#ありがたいです』等のタグが作られる事もあります。
投稿者が『#お仕事募集中』といった作品とは関係ないタグを付けるケースもあったりします。
ということは、切実に仕事を探しているイラストレーターは簡単に探すことができたりもします。(信頼度や実力等はわかりませんが)
先日のAMAにて、ALiSではタグで一括管理をする方針のようなので、ぜひ参考にと思い投稿させていただきました。
さて、そんなpixivですが、最近『社長のセクハラ事件』を発端に色々と問題が浮上しているようです。
そんな話とトークンエコノミーを織り交ぜてたら収集が付かなくなってしまったので、ここで記事を分けさせていただきます。
よろしかったら続きも見ていただけたらと思います。
参考:itmedia NEWS(2008年10月27日) 「得体の知れないものになった」――「pixiv」急成長、社名も「ピクシブ」に
この記事を書いた人
ALiSでトークンエコノミーや評価経済の世界を勉強していきたいと思います。