日本の有機農産物に関係する法律について

「オーガニック」や「有機」と農産物に表示するためには、「有機農産物の日本農林規格」いわゆる有機JAS法に基づいて、有機認証団体による審査を受けて、これによって認証され、「有機JASマーク」と合わせて表示する必要があります。

参考)有機食品の検査認証制度(農林水産省)

有機野菜以外には有機加工食品、有機畜産物(一部の食肉、乳など)、有機きのこ、有機スプラウトが規格化されています。食品に関しては法律によって「オーガニック」や「有機」という表示は厳しく使用が制限されています。

 

お酒は有機JASマークを付けられない。

面白いのは、有機JAS法は農林水産省が管轄している農産物および加工食品にのみに適用されるため、酒税法の絡みで国税庁が管理しているお酒については「有機JASマーク」を表示することができません。有機JAS法を参考にして国税庁が「酒類における有機の表示基準」についての告示を出していますので、認証を受けて「オーガニック」または「有機」の名称を使用することはできます。

 

有機畜産物はあらゆる家畜が対象ではない。

有機畜産物は牛、馬、めん羊、山羊、豚、鶏、うずら、だちょう、あひる、カモだけが対象となっており、それ以外は認証を受けることができません。

例えばハチミツ。蜂が集めてくことから家畜扱いになりますが、有機JAS法では蜂は対象となっていませんので有機JASに基づくハチミツはありません。海外の認証団体や独自規格に基づいて「有機ハチミツ」と表示しているものはあります。

特に何の根拠もなく有機ハチミツと表示されている場合は、景品表示法によって取り締まられることになります。

 

「有機農産物」と「有機農業」との法的な関係性

有機JAS法は農産物そのものを認証しているものではなく、農産物の圃場(田畑や果樹園など)や栽培方法、流通までが適切に管理されているのかを認証団体によって審査を受ける検査認証制度です。

有機農業そのものは「有機農業の推進に関する法律(農林水産省)」=有機農業推進法によって定義されています。有機JAS法では農産物が全滅する恐れが予想される場合など、やむを得ない場合に使用することが許容されている化学合成でない農薬がありますが、有機農業推進法では農薬を使用しないことが盛り込まれています。

つまり「有機農業」と「有機農産物」は法律としては区別されていて関連性は希薄 なわけです。

この2つの法律が成立する過程には、「無農薬」にこだわる有機農家と、有機JAS法のお手本になっている国際規格CODEXのオーガニックの基準との整合性も含めた行政や経済界とのせめぎあいが見られます。ネットで1990~2006年前後に行われた議論についての記事が散見されますので、調べてみると面白いと思います。農水省で議事を見てみるのもよいかと思います。

 

有機農家やオーガニックショップは名乗れるの?

そしてこれらの法律には農業と農産物以外の関しての有機に類する言葉の使用は特に何も触れられていません。有機農家は自己申告で誰でも名乗れるわけです。もちろん何の根拠もなく自称するのはよくないですよね。

同様にオーガニックショップやオーガニックレストランも、それっぽい雰囲気を出していれば、有機じゃないものしか置いてなくたって名乗れちゃったりします。「オーガニックサラダです。」と言って、人参だけが有機でそれ以外のレタスやトマトなどの野菜、ドレッシングはそこらへんのスーパーで適当に買ってきたものってことが極端な話、あるかもしれない。

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2019/04/10 10.89 ALIS 0.00 ALIS
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