さて、今回はリップル(Ripple)と
そのポイントになるコルレス銀行に関してお話していきたいと思います。
リップル(Ripple)は、アメリカのリップル社により作られた仮想通貨です。XRPがリップルの通貨単位であり時価総額も非常に高い通貨となっています。
リップル(Ripple)が注目されている大きな点は、この仮想通貨を用いた「リップル・プロジェクト」にあります。
「リップル・プロジェクト」では、現在の国際送金の際にかかるコストや効率の悪さをなるべく抑えようというプロジェクトです。具体的には、リップルの仮想通貨ネットワークを銀行間で結ぶことで安価でありながらリアルタイムに処理を出来るシステムを構築していこうというものです。
リップルでは、ブロックチェーン関連技術を用いて銀行間のネットワークを直接繋げます。また、分散型台帳で情報を共有しながら、送金をスムーズに行います。
現行の国際送金は、コストが高く処理速度が速いとは言えません。その問題のカギになるのが「コルレス銀行」の存在です。
コルレスとは、英語のコレスポンデンス(correspondence)の略称で、代理の意味を持ちます。
日本からアメリカに国際送金を行う場合、送金主から海外の受け取り主に直接送金できるという訳ではありません。
基本的に、日本と海外の銀行間で契約を結んでいます。その銀行に日本から電信送金によって資金を移動させています。そのため、コルレス銀行は遠隔地取引先代理金融機関とも呼ばれます。
下の図が、イメージになります。
ややこしくなるのが、A行とB行の銀行にコルレス関係がない場合です。直接契約がないから、送金が出来ないということにはなりませんがどこか他の銀行を経由することになります。
まずA行とB行の双方がコルレス関係のある銀行を探します。その銀行をC行とした場合、C行に仲介を依頼してA行→C行→B行の流れで送金が処理されることになります。
イメージは下のようになります。
当然、C行に回り道した分、処理にかかる工程が増えたことになり送金の日数がかかり手数料も重たくなります。
リップルのネットワークを用いることで、このような問題を解消していきます。より低コストで早い処理が、リップルを使用することで見えてくるのです。
リップルの国際送金システムは2016年頃から徐々に注目され始め、大手銀行もリップルを用いた実証実験に参加するようになってきています。
日本からは三菱UFJ銀行やみずほ銀行などです。海外からはバンクオブアメリカ・メリルリンチ・UBSなどが参加しています。
参加行の面々がとても豪華でリップルの注目度の高さが伺えます。リップル・ネットワークは参加行が急速に増加したこともあり拡大を続けています。
また、日本国内だけでのリップル・ネットワークの着手にも取り組んでおり、どこまで広がりを見せるか目が離せません。