ゆうべ、大先輩(親と同い年)年齢の友人と、六本木の和食一品料理屋のカウンターで飲んで、食べていた。
先輩友人は、元なんとかっていう肩書が大量にあって、それも、世間の人が良く知っているような企業名で、現在も忙しくて、本人曰く、引退したはずが全然引退出来てない状態。なんとか建設関係の令嬢であったエレガントな奥様を亡くしても、奥様ラブラブで、初めて会って、一目見た時に心打ちぬかれたほどだったそうで・・・エレガントで、性格がイイ!ほんと素晴らしい人だったと、会うたびに聞いている気がするが、それは聞いてて嫌な感じはしない。
これ、妻の写真、と見せられた時には、
「個性的なお顔ですね」と言った後、心の中で、美しいとか可愛らしいとか言えないから、なんとか無理やり言ったなぁって、つっこみが自分に入った。
浮世絵の美人のような鼻は小鼻ちいさく、ひらがなの”し”を綺麗に書いた感じ、割りばしペンで描いたような目、小さな(上品なお人形のような)口。
頬っぺたは平らで、丸顔。
個性的、というのは正しいと思う。
さて、その友人と話しながら、料理の美味しさについて話していると、友人が、ここは全部美味しいんだよ、先代と自分は同い年で、と、
仲良かった先代の話をしていた。その店の常連であり、先代が亡くなった後、息子たちが継いでからも、友人は通っているようであった。
その割に・・・厨房の料理人ふたり・・・・というか、料理人である男と、横で働いているのは妻、だと後でわかったのだが、お互いの間にあたたかい空気感よりも、子育てで大変な夫婦のへとへと、に似た、心の余裕のなさを感じた。
厨房の中の人って、結構カウンターの客の話、聞いていると、いつも思うのだが、夕べも、友人が何か言ったことについて、時々料理人がコメントすることもあったが、友人が、中に向かって話しかけている時は、しらんふりしていることもあった。
常連だからの放置?
完全に愛想ないキャラ、というわけでもない、話してくるときは笑顔だったり愛嬌あるのに、飾らないということなのか、無理して愛想よくしろとは思わないけれど、客は結構お金出してそこの料理を食べてるわけだから・・・と思わずにいられない。
友人がしきりに、先代は、と言うのが嫌なのか?
先代の料理が良くて、今はダメというようなことは言っていない。
しかし、お父さんのころから知ってるんだよってことを繰り返されると、うっざ!って思うのかもしれないが、客がそういうこと言っているの、
無視!って感じはなんなんだろう。と思った。
前はもっと人数いたらしい。中ふたりで、給仕していた年配の奥様(先代の奥さんかな)だけで、カウンターとテーブルの客の注文に応えるのは結構大変なのだろうな。
渋谷や恵比寿、中目黒などなどで、おしゃれ系和食屋など行くと、洋服屋の店員かって感じのかっこつけとがった感もあるような若い料理人が、無駄にたくさんいて、カウンター内には、使える子と使えない子入り混じったような、女の子スタッフまでいたりする。
その一品料理屋の料理人、男4人兄弟そろって料理人だそうで、以前はそのうちの何人かでやっていたようだ。しかし、
みんな行ってしまった、と人数少なくて大変なこと、料理人(大将ですね)が言っていたが、オーダーしてもなかなかでてこなくて、
友人が、あれ、オーダーしたっけ、オーダー入ってる?と何度か聞いたことを考えると、忙しすぎて追いついてないってわけか。
大将のおくさんもなんか機嫌悪いのかなこの人って思うような、心持フラットを保ってる(不機嫌にはならないよう、無心)風で、その二人の関係は、夫婦と言うより、ボスと弟子っぽかった。
元祖創作和食で、この店は本当に古くから六本木にある店のひとつだと、友人は言っていた。何かと友人は店を褒めていた。
それなのに、店の人は、明らかに向けられている質問をしらんふりするという。
もう必要とされていない客なのか?(お金の意味ではなく、時代的な意味で。)
業界系、クリエイター系の年寄りって、結構、煙たがられるみたいなんだよね。
中には過去の栄光の自慢で生きてる人もいるからね。
でもやることはやったんだから、言うくらい言わせてあげてもいいじゃんとも思うけれどね。害がない人なら。
友人は先にやりたいこともあり、干されてもいないから、過去の栄光話で威張るタイプではないが、やはり、年代的に、もう、現代では必要とされていない世代なのかなぁ、そんなことを、料理屋の店の人の態度を見ながら思うとは・・・
考え過ぎかな。
傷つけるといけないから、言わないけれど、
言える立場なら、いうね、もうその店行くのやめましょって。
六本木も銀座も、中に入ってみないとわからないような看板たくさんあるなかで、絶対的に何か特徴のある味とか他に負けない何かがあるなら別として、生きていくのが大変な店ならなおさら、
ちょっとした気遣いに、気を付けた方がよござんすよ、と思った次第。
自分ところが大変なんだっていうのは、おたくの事情であり、客に感じさせちゃあいけないんと違う?
店に限らず、対人関係でも、忘れちゃいけない気がする。