今までに何度も品川の原美術館には行っているのだが、今日は、到着する前から、近辺の通りでも、原美術館に向かうと思われる人がぞろぞろといて、館内も、今まで見たことない位に人が多くて驚いた。
老朽化に伴う改修工事ができそうにない理由での閉館が近づくにつれて、混んでいくのか、それとも展示の内容が人気あるからなのかは分からないが。
一階のミュージアムショップの奥にトイレがあるのだが、その手前で、ポスターを売っていた。なかなかカッコいいのもあったが、この大きさ、いざ貼るとなるとなぁ、と、衝動買いは抑えた。
展示は、人が邪魔な時もあるほどで、これ以上混んだら見にくいだろうなと思った。
展示フロア1Fの奥の方に、半円形の出窓がある。
その近くの扉の取っ手や、出窓のガラスと枠のバランスが好きで、行くたびにそこは何気なく眺める。
外を見ると、以前あった、ただずんでいる人の彫刻はなかった。
掃除された冬の庭。派手さも、特に凝った感じもないけれど、ずっとそこにある感じがいい。
庭の中にも、展示物があることが、窓際の説明書きにあったので、どれのことかなと探す。
二階の展示も見てから、再び降りる時、踊り場のところの窓枠が前と違っていることに気づいた。
あんな枠だったっけ?
近づいてみると、やはり白い枠は新しい感じで、気に入らなかった。
しかし窓に映った、木の枝の影絵が美しかった。
出窓や階段の窓枠に関心を寄せている人はあまりいなさそうだったので、人に邪魔されない写真が撮れたが、展示室は人だらけ。今日やっていた、ソフィ カルの展示は、今の若い人には新鮮なのかな。90年代流行った感じのアート。
夏場に、汗をかきながら品川からの道を歩いてきた原美術館は、たくさんの葉をつけた木と、壁に映る影が、違う時代に連れて行ってくれるような感覚を起こす。
冬の原美術館の玄関前の樹木は、くすんでいるけれど、綺麗すぎない感じが、誰かの庭の端っこのようで、この美術館に合っていると思う。
玄関前の大きな木、写真を撮った時に、ベストを着ているように見えた。
改めて見たら、光のベストだった。
いつもある、電話だけれど、使えるのかしら?お金入れたら吸い込まれるだけだったりして?と思いつつ、コインを入れたら、プー…という音。
生きてるじゃん!
誰かに電話、してみれば良かったな、と後で思った。