似ていた。自分に。思考停止、想像力の欠如。どれもがあてはまる。悪意とまで呼ばれない悪意。邪気たっぷりの無邪気。誰でも身に覚えのある小さな瑕。
日本中の人がこの作品を読めば、少しは社会が変わるんじゃないか、そんな期待をしてしまいたくなる群像劇な作品。作品の中にでてくる【小口テロ】とそれに翻弄される人々が描かれる。ああ、これ私じゃん。登場人物の中に必ず出てくる自分。まさしく私に似た人。袋小路の人生。自殺か餓死か。やり直しのきかない社会。それらの鬱憤のはけ口を、どこも用意してくれない。その苛立ち。
社会の在り方を問われる一冊。