ブロックチェーン技術自体はどうか知らないけど、ブロックチェーンのウォレットが日本では使い物にならない。
日本が災害大国だからだ。
しばらく使ってみたところ、ブロックチェーンのウォレットは、次の特徴があることに気づいた。
①端末依存体質である
②パスワードを物理的に保存しなければいけない
パスワード(秘密鍵)を暗記できる人はいいかもしれないけど、私にはとても暗記できるようなものではなかった。
しかし、ID・パスワードで管理するツールで保管しても危険。
印刷して紙で保管するしかない。
端末と紙
物理に依存するのがブロックチェーンの特徴のようだ。
そして、ウォレットはひとつに集約できない。秘密鍵が増える。クラウド代わりにブロックチェーンを使おうとすれば、秘密鍵がさらに増える。
さて、日本は災害大国である。一瞬で家を失うリスクが常にある国だ。
家を失うってことは、パソコンもスマホもましてや紙なんて、一瞬で破壊される可能性が高い。
そのとき、ブロックチェーンに大切なものを入れていたら…大切な財産をすべて失う…
それに気づいて、ぞっとした。
今、私たちは、グーグルやマイクロソフトなどのクラウドに大切なものを保管している。クラウドは、端末も場所も関係なく、IDとパスワードがあればアクセスできる。それがリスクでもあるけれど、しかし、「いつでも、どこからでも、人生を取り戻せる」そんな安心感がグーグルなどの巨大企業が作った世界だ。
命さえあれば、どこからでも、これまでに蓄積した成果物を取り出せる。すべて失っても、リセットされることなく、なんなら何事もなかったように再開できる。
当たり前みたいになっていたその安心感が、いかにすごいことなのかが、ブロックチェーンに触れてみてよく分かった。
私の購買行動やネット上の行動を見られてもかまわない。別に犯罪計画書なんて作ってるわけじゃないから。そんな私の行動データが便利なツールづくりの役に立つのなら、大いに役立ててほしい。
その節は、グーグルはクソ…とか言って、ごめんなさい。むしろ、神様でした…。
一方、ブロックチェーンにすべてを保管してしまうと、どうだろう?命があっても、人生は完全にリセットされてしまう。今まで構築してきたものは、すべて失う。ゼロからのスタートだ。
自己責任と運任せのツールでしかない。
余談だけど、細かいことを言えば、トークンが統一されてない、ウォレットが統一されてない、何かするたびガス代という名の手数料(時価?)が取られる、ブロックチェーン自体にデータが飽和して壊れるリスクを抱えている、管理が面倒、使い勝手が悪い…と、ユーザビリティ完全無視。人類が求めているのは、複雑で難解なものではなく、シンプルで簡単なものだ。
電子マネーも「統一されてない」「使えるところと使えないところがある」「チャージが面倒」「家計管理が複雑になった」と、私の周りの主婦層は結局使わなくなった。
不便なものは、使われなくなるだけなのだ…。
私は、勉強した結果、ブロックチェーンは今のところ見限ることにした。
リスクが高く、不便で、メリットがない。どうでもいい遊びにしか使えない。そんなもの、必要がない。
災害ですべてを失うリスクと隣り合わせの日本において、今のレベルのブロックチェーンが主流になることはないだろう。
技術者は、新しい時代だのなんだの騒ぐ前に、冷静に、リスクの分析と解消に取り組んでほしい。
いろいろ、勉強にはなりました。これからも情報はチェックしますが、様々な問題が解消されるまで使うことはないでしょう。
ということで、ここでの更新ももうしないと思います。ここでブログを書きたくなるようなシステムに成長することを願っていますが、私は技術者ではないので、見守ることしかできません。数日でしたが、ありがとうございました。