一般常識：資格の「業務独占」と「名称独占」の違いとは？

実は、国家資格である「介護福祉士」と「看護師」では明確な違いがあることをご存知でしょうか？

1）業務独占資格

資格を持っている者のみ、独占的にその仕事を行うことができます。医師、看護師、診療放射線技師などが該当します。

2）名称独占資格

資格を持っている者のみ、その名称を名乗ることができる資格です。似たような名称を用いることも禁止されています。介護福祉士、栄養士、保育士、保健師、作業療法士などが該当します。

「業務独占資格」は無資格で業務を行なうと罰せられます

業務独占資格の場合、医師法の第十七条では「医師でなければ、医業をなしてはならない」第十八条で「医師でなければ、医師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない」という条文があり、違反した場合は「三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する（第三十一条）」となっています。さらに医師免許がないのに医師を名乗って医業を行っていた場合は「三年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定められています。

「タトゥーを彫る行為は医療行為か？」

医師免許がないのに客にタトゥー（刺青（いれずみ））を施したとして医師法違反の罪に問われた裁判が過去にありましたよね。結果としては、タトゥーは医療行為を目的としていないため、逆転無罪判決となったのですが、当然、資格を持たずして医療行為を行なえば厳しい罰が与えられます。

「名称独占資格」は無資格で名称を用いると罰せられます

理学療法士及び作業療法士法によると、第十七条では「理学療法士でない者は、理学療法士という名称又は機能療法士その他理学療法士にまぎらわしい名称を使用してはならない」「作業療法士でない者は、作業療法士という名称又は職能療法士その他作業療法士にまぎらわしい名称を使用してはならない」と定められています。

社会福祉士及び介護福祉士法においても、社会福祉士でない者は、社会福祉士という名称を使用してはならない。介護福祉士でない者は、介護福祉士という名称を使用してはならない。 【第48条】と規定されています。

ただし、資格がなく理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士の仕事をすることには罰則規定がないのです。

それが業務独占資格と名称独占資格との大きな違いです。

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