【旅行譚②】マカオ半島の南、船人街の出会い

※この旅行譚は前回の香港編の数日前の物語。

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豪華絢爛、マカオの中心地にある葡京酒店の客室

ひとり旅には広すぎるベット、飲み過ぎの代償が頭の中で鐘を鳴らして目を覚ます。

ここはマカオ中心地、ランドマークでもあるホテル・リスボア(葡京酒店)。豪華絢爛な内装がいかにもという雰囲気だ。

窓枠の向こうから、カジノ敗者を冷たい目で覗き込むマカオタワーを見て、欲望と世界遺産の街にいることを再認識する。

 

この日は半島から南に向かって移動することを決めていた。

朝からギラついたレストラン「不夜天」で、賭け事で負けた分を取り戻すように脂っこい料理を身体に叩き込み、足早に歩き出す。

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マカオは半島と南の島で構成される

マカオには半島と南の島がある。タイパ島とコロアン島の間を埋め立てたエリアが、それぞれの島の名前から「コタイ」と名付けられている。

コタイには、ヴェネチアンマカオやギャラクシーマカオ、シティオブドリームス…など、超ド級のリゾートホテルが立ち並ぶ。

 

さて僕の目的地は、コロアン島の船人街だ。島を繋ぐ道路があるのでタクシーに乗り、運転手に「ロード・ストウズ・ベーカリー」まで、と伝える。

香ばしくサクサクに焼き上げられたパイ生地と、温かいクリームが絶妙なエッグタルト発祥の店だ。

陽気な音楽がラジオからけたたましく、窓の外を流れていく暑い夏のマカオの景色をより魅力的に見せる。

コロアン島はポルトガルの植民地だった歴史がある。街はカラフルな洋風建築に石畳で異国情緒に溢れている。エッグタルトもポルトガルのお菓子をアレンジしたものだ。

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車のドアを開けると、潮の香りがした。

船人街という名前の通りの場所だ。コロアン島の西南に位置する。20世紀初頭までは海賊の巣窟だったとも言われているが、時の流れが穏やかになっていくのを感じた。少し汚れた犬が地元の子供達と遊んでいる。心地よい海風が吹く。

路地裏はどこまでいってもカラフルな家屋の迷路。カフェを出た後は、周囲を散歩しつつ、近くにあるフランシスコザビエル協会に向かって海岸を横目に歩く。

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僕はベンチで静かに景色を見ていた。ツアーで来ている旅行客もいるようである。

自撮り棒を持った綺麗な女性が海を見ていたので、一眼をぶら下げた僕はさも写真なら任せてくれと言わんばかりに「撮りましょう」と名乗り出た。

彼女は韓国から来ているのだと言う。少し話した後、僕の提案で近くにいた両腕に刺青、紫のタンクトップにサングラスという普段なら近寄りもしない兄さんに、ツーショットを撮ってもらった。

綺麗な黄色の教会を背に楽しそうな笑顔の二人。名前を聞いたわけでもなく、少し旅の話をしてgood bye

まさに一期一会で、きっと死ぬまでに彼女とまた会うことはないだろうと思うが、忘れることもまたないのだろうと思う。

僕にとっては初めての海外旅行で体験した素敵なひと時だった。

公開日:2019/03/15
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  • チャドゥ
  • @tyandooo
現役報道記者(主に経済が専門)。XRP(リップル)投資家。酔ってポエミーな文章をつぶやく。Twitter→@TyadoRipple
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