【美術鑑賞】東大生研・川島秀明・Tang Dixin

今日は六本木で美術鑑賞をした。
まずは国立新美術館へ向かった。

今回の目当ては、『東山魁夷展』でも『ピエール・ボナール展』でもなく、こちらの展示だ。


東京大学生産技術研究所70周年記念企画展『もしかする未来 工学×デザイン』入場料は無料、休館日を除いて数えると8日間の企画展示である。

東京大学生産技術研究所が取り組んでいる研究の紹介がなされている。
例えば、3Dプリンタを使ったモノづくりや、細胞などの生態関連要素を人工的に組み立て・設計する研究、アスリート用の義足の作成と言ったものがあった。

実用性、希望、遊び心に溢れる研究の数々に思わず笑顔になった。
自分が高校生のときにこういった研究に触れ、その価値を理解していればもっと違った今があっただろうか、などと想像する。
文系の大学院で掴みどころのないものを研究テーマにしていた私にしてみれば、目に見えるものや形のあるもの、必要性が多くの人にとって明確にされているものが少し羨ましく感じたりもした。


次は、小山登美夫ギャラリーに足を運び、川島秀明『Youth』を拝見した。
人物画の瞳の表情があまりに繊細で、彼らが生きているのかと錯覚しそうになった。

先ほどまで「分かりやすくて役に立つものはいいなぁ」と思っていたが、あっという間に必ずしもそうとは言い切れないものに心惹かれてゆく。
私の心のなんと単純なことよ。

川島さんは二年間の比叡山での修行を経た後に絵を描き始めたそうだ。
自己像への内省が深まるに伴って作風が変化していることを作者自身が理解しているのは、修行によって自我機能が強められたからだろうか。
高い精神性が宿る作品は、芸術としての価値を高める重要な要因だと考えられる。


それからOTA FINE ARTS TOKYOへ移動し、『Tang Dixin』を観た。
群れた人間を抽象的に描いた作品が飾られていたが、私には雪山など他のものに見える絵もあった。
芸術において、何を感じ、何を読み取り、何に価値を置くかは鑑賞者次第であり、だからこそ芸術は自分自身を突きつけられる体験となる。
作者の人生や社会背景、作品が作成された経緯など、創作物に意味を付加する要因は鑑賞者の外部にいくつも存在するが、それを知るも知らないも自由であり、解釈を操作することも難しい。


芸術鑑賞廻りの後にロイヤルホストで夕食をとったのだが、美術館とギャラリーを併せて三カ所も訪れたせいか、注文したオムライスまで芸術作品に見えた。
フォルムとライティングが美しく、食べることが出来てしかも美味しいとは、なんと素晴らしい芸術作品だろうか。



○東京大学生産技術研究所『もしかする未来 工学×デザイン』
 2018年12月1日~12月9日

○川島秀明『Youth』
 2018年11月24日~12月22日

○Tang Dixin『Tang Dixin』
 2018年11月30日~2019年1月19日


公開日:2018/12/01
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学術の新しい形、新しい支援に興味があります。まだ漠然としているので、これから形にしていきたいです。Twitter @unaharabaku
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