DeFiは多分に実験的な性格を持つため、あなたの資金の100%を失う危険性と隣り合わせである。 DeFiのメカニズムとアプリケーションは欠陥を抱えている場合があり、そのプロトコルのトークンの価値を0にする結果に繋がることもありうる。
DeFiでもっとも頻繁に言及されるリスクはスマートコントラクトのバグである。 2016年に起きたDAOのハッキング事件のように、単純なヒューマンエラーがスマートコントラクト内の資金に重大な損害を及ぼす結果を引き起こすことがある。 スマートコントラクト内の資金が永久にロックされるような不具合もありえる。
それほど頻繁にリスクとして言及されるわけではないが、DeFiが持つ高いコンポーザビリティとネットワーク効果の暗黒面として存在するのがシステミックリスクである。 例えば、もしWBTCなどのステーブルコインのドルへのペッグが崩れた場合、その影響はステーブルコインを利用するアプリケーションやプロトコルに連鎖的に波及し大混乱を引き起こすことになる。
イーサリアムやDeFiアプリを使って不正な資金移動を行っているとして、アメリカの立法機関がプログラマーやノード運営者の法的な責任を追求することがありうる。
新しいプロジェクトに置いては、管理権限を持つ者がコミュニティやDAOの許可を得ることなく、スマートコントラクト内の資金を抜いたり動かしたりするリスクがある。
DeFiの世界では、限られた人しかコードの内容と新規性の高さを理解できない為、フラッシュローンを使った攻撃等で資金をかすめ取ることが頻繁に起きる。これらは資金搾取は、攻撃体制のあるコードのライブラリが充実しスタンダードとして普及するまで続くだろう。
あまり気にされる事もないものの言及する価値があることは、DeFiにおける多くのマネーマーケットが、プール内の資金の100%が利用される事を防ぐために流動性を増やすインセンティブを用意し、それに依存している事である。何らかの理由で資金が100%貸し出されたり、DAIのようなプレミアムトークンが空になってしまったプールがこれまでもあったが、そのようなレアケースでは、貸し手がプールから資金を引き出すことが難しくなる。
規制当局による調査が増えているため、多くのDeFiプロトコル創設者が匿名のままでいることを選ぶようになっている。そのような環境では法的なアイデンティティが明かされることがないので、悪事を企む者がリスクを抑えて容易に市場に参加出来ることになる。 私は多くのチームが匿名のままでいる事を選ぶのに賛成であるが、それは悪者が潜伏して行動可能であるということでもある。 そのため私は、DeFiの開発者が匿名を選ぶことがスタンダードになった場合(デジタルアイデンティティが主流にならなかった場合)、真っ当な開発者とエグジットスキャムを企む物を峻別するのが難しくなることを懸念している。
最後に、DeFiではペッグされたアセットを使うことのリスクが常に存在することを指摘する。現在、流動性が提供されるステーブルコインは200億ドルに達し、トークン化されたBTCも最近50億ドルもの額に達した。もしWBTCのようなメジャーなアセットの(ドルへの)ペッグが失われた場合、DeFiの担保付きローンは崩壊し、清算額は数十億ドルとは行かなくても数億ドルに達するだろう。
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