怪談、オカルト話のほのぼの系です。
でも実話です。
あれは6年前の4月のことです。
僕はあるウルトラマラソンに参加していました。
その大会は、名古屋城から金沢の兼六園までの250キロを36時間以内に走るという一般人には訳の分からない大会と思いますが、ウルトラランナーにとっては、憧れの大会『さくら道国際ネイチャーラン』です。
初参加の僕は、前半抑え気味に走ったほうが良いとは分かっていながら、テンションがあがってしまいハイペースで走っていました。当然60キロ過ぎから膝が痛くなり、足はパンパン、思うように走れません。それでも前進あるのみです。ヘロヘロになりながら、走ったり歩いたり何とか進みます。
夜間走の時間になり、そのころになると前後にランナーがいない時間が続きます。走行距離150キロ、ひるがの高原を超え荘川桜を過ぎたあたり、丑三つ時を回った時間になると、睡魔が襲ってきました。その時・・・
その人の存在に気づきました。トンネル内を走ってた時・・・真横を並走する人に。
気づいたと言うよりも、気配を感じたが正しいかも。でも確実に並走しています。ランナーでは無い誰かが・・・ぼや~とした白い霧に包まれた人。
横を向いて見ると誰もいません。前を向くと並走する人を目の横で感じます。でも不思議と怖くはありませんでした。一人での時間が長かったので、その出会いがむしろうれしかったです。僕はその人に声をかけました
エイドについた時にはその人の存在は消えていました。あとついでに睡魔も無くなっていました。僕は兼六園目指し、明け方の白川郷を走っていきました。
翌年も参加しましたが、同じ場所、同じ時間帯に今度は大小の白い霧と並走しました。僕はまた声をかけます。
旅の友の話でした。
おしまい
追記:この春のオカルトまつりの期間中、4/20~21、今年も『さくら道国際ネイチャーラン』に参加します。今年は会えるかな。
ちなみに5年連続で完走中です。