こんにちは、yoshihiroです。ブロックチェーンが抱える大きな課題の一つに、スケーラビリティ問題というものがあります。よく目にする言葉だと思いますが、あまり良く分かってないという方も多いのではないでしょうか?
ブロックチェーンの発展を考える上でとても重要なトピックなので、今回少しまとめてみたいと思います。かなり奥が深い話題なので、この記事では概要だけ軽く解説しますね。
スケーラビリティは、英語だとscalabilityです。分からない単語は分解して考えると良いですね。
scaleは日本語だと規模のような意味で使われることが多いですが、動詞で拡張するとか、調整するとかいう意味もあります。
これに「able(可能)」がついて、scalable。調整できるとか拡張できるという意味になりますね。さらに「ity」がつくと名詞になるので、調整可能性とか拡張可能性という意味になります。
ということでscalability問題とは、ブロックチェーンを何かに拡張させたり、適応させたりするときに起きる問題のことを言います。
ではビットコインのブロックチェーンについて見ていきましょう。
ビットコインのブロックチェーンでは、約10分に1個ずつ新しいブロックが生成されます。そして、一つ一つのブロックには大きさが決まっていて、記載できるトランザクション(=取引の情報)の量が限られています。
具体的には、ブロック1個の容量は最大1MB(= 1,000KB)と決まっています。1つのトランザクションを記載するための容量は約0.25KB必要と言われているので、1個のブロックに記載できるトランザクションの数は、
1,000KB ÷ 0.25KB/個 = 約4,000個となります。
ブロックは10分ごとに生成されるので、1秒当たりに直すと、
4,000個 ÷ 600秒 ≒ 7個/秒となります。
もしビットコイン決済を普及させようと思ったら、1秒間に7トランザクションという数字は少なすぎます。
例えば日本人が全員(1億3千万人)1日に1回お買い物をして、それをビットコインで支払ったとしましょう。そうすると、1日で1億3千万個のトランザクションが生まれることになり、これらを全てブロックチェーン上に記載しなくてはなりません。
一方で、ブロックチェーンに記載できる取引量を見てみましょう。
1日は1,440分なので、1日に生成されるブロック数は約144個です。それぞれに4,000個のトランザクションを記載できるので、1日あたりに記載できるトランザクションの数は、
144 × 4,000 = 58万個です。全っっ然足りないですよね。
ビットコインでは、ブロックの大きさが決まっているためにトランザクションの記載可能量が制限されており、利用者が増えると送金の遅延などが起こってしまいます。このよう理由から実際の利用へと拡張することができない問題のことを、ビットコインが抱えるスケーラビリティ問題と呼んでいます。
実はブロックの大きさを制限しているのにもちゃんと理由がありますし、解決方法もすでに色々と考えられています。でも長くなりそうなので、今回はここまでにしておきますね。
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