LiskのVote報酬について、Ryosuke Itoさんが面白い記事を書かれていたので、私も調べてみました(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑本記事の一番最後に、質問させて頂いた投資家さんとのやり取りが載っています。
まずLiskが採用しているマイニング方式はDPoS(Delegated Proof-of-Stake)と呼ばれています。膨大な計算を行って、いち早くナンスを見つけた人がマイナーになってビットコインを採掘できるPoW(Proof of Work。ビットコインのマイニング方式)とは違って、DPoSではデリゲーター(ビットコインのマイナーに相当)に誰がなるかを一種の「選挙」で決めます。LSKホルダーはデリゲーターになりたい人(候補者)に票を投じます。この行為をVotingとかVoteというのですが、票を投じる際にはLSKを消費しなければなりません。この意味で、VotingにおいてLSKは投票権のような役割を果たしているのです。
Liskのデリゲーターは101人という人数制限があるために、私に投票してデリゲーターにしてくれたら、いっぱい報酬を配る(Vote報酬)から私に投票してよね!みたいな行動に出ます。だから新規のデリゲーター希望者は、この101人の枠になんとか食い込もうと大盤振る舞いの約束をすることがよくあるのです。
ワシが当選した暁には、おまいらの村に公共事業を呼び込んで道路を作ってやるからひとつ(投票を)よろよろしく頼むよ!ガハハハ
あるいは、
投票してくれたら○万円あげるから頼むわ。グヘヘ!(とどのつまり、賄賂)
みたいな仕組みといえば多少わかりやすいでしょうか❓問題の報酬半減についてですが、半減期でいうところの「報酬」減の「報酬」とは、Vote報酬ではなくフォージング報酬のことを指しています。ビットコインでいうマイニングのことを、Liskではフォージングと呼びます。デリゲーターに選出されればフォージングをする権利が得られ、フォージングの見返りとして報酬が得られるという仕組みです。フォージング報酬は、「1年目は1ブロックにつき5LISKですが、その後1年毎に1LISK/ブロックずつ減少し、5年目以降は1ブロックにつき1LISKで固定となります」(森川夢佑斗『一冊でまるわかり暗号通貨2016~2017』)。
Vote報酬は、デリゲーター希望者がデリゲーターに当選するために行う選挙民(=Voter)へのバラマキ公約のようなものですので、LiskのシステムによってVote報酬はいくらとか決められているわけではありません。しかし、デリゲーター希望者はあくまでフォージング報酬という甘い汁を吸うためにVOTE報酬を選挙民に公約するので、
となるような採算無視のバラマキはできません。というか、やろうと思えば可能でしょうが、するインセンティブがないのです。というわけで、間接的にはフォージング報酬がバラマキ可能なVOTE報酬の上限にキャップを嵌めるということはあっても、デリゲーターがいくらVOTE報酬をばら撒くかは各デリゲーターの裁量に委ねられており、それだからこそ、新規のデリゲーター希望者は、今いるデリゲーターよりも多くのVOTE報酬を公約し、デリゲーター当選を狙うという戦略が有りうるのです。
本記事の内容は、森川夢佑斗『一冊でまるわかり暗号通貨2016~2017』を参考にしつつ、LSK投資家のMukku氏に内容の正確性の確認を行ったものに基づいています。この記事のもとになる考えをチェックしてもらっただけなので、本記事公開時点では記事そのものをチェックしてもらったわけではありません。したがって、内容に誤りがあればすべての文責は当然私に帰することになります。速攻で書いてしまったので、後で特に文体面での修正を施すかも知れません。