「ある日、経済学者のDさんとサラリーマンのEさんが人通りの多い通りを歩いていたときの会話です」(多田洋介『行動経済学入門』)
E「おい、そこの道端に500円玉が落ちているぞ」
D「そんなわけないさ。もし本当に500円玉が落ちているのだったら、誰かがとっくにそれを拾っているはずさ」
これは伝統的な経済学が前提する「合理的経済人」を皮肉る小話です。ここでいう「合理的」とは、利用可能なあらゆる情報を用いて自身の効用を最大化すべく行動するような性向、というほどの意味です🧐500円玉サーチ能力をフルに発揮し、効用最大化のためにそれを拾う(刑法254条「遺失物横領罪」👮)。この合理的経済人を仮定すると、以下のようなハナシになります。
E'「おい、コインチェックとビットフライヤーのBTC価格が30万も開いているぞ」
D'「そんなわけないさ。Z*ifならともかく、もし本当に30万円も価格差があるのだったら、誰かがとっくに安い方の取引所でBTCを買い、高い取引所で売って価格は縮まっているはずさ」
同様にして、
E''「おい、日本政府がデフォルトして、円は紙くずになるぞ」
D''「そんなわけないさ。もし本当に日本政府がデフォルトするのだったら、円はジョージにショートされまくって大暴落し、超円安になっているはずさ」
合理的経済人の仮定はどの程度妥当なのか🤔