第三回です。前回まではこちら。
前回までの内容で、クリスペは他のトレーディングカードゲームが進化する方向とは反対方向への進化に向かっていることを述べました。
・全員が全種類のカードを所有していることが前提となっている
→販売数制限により全員に十分なカードが行き渡らないような設計。
PaytoWin、不平等なカードゲームを実施。
・プレイヤー同士のトレードが制限された
→ユーザー同士のトレードは自由。運営からの販売価格もオークション形式であるため、価格はプレイヤー自身が決めている。
・インターネットによる情報の氾濫
→そもそもトッププレイヤーと同じカードが手に入らないのでデッキをコピーできない。そもそも流行っているカードゲームではないので情報があまり出回らない。
しかし、このように他のトレーディングカードゲームと異なった進化を遂げているはずなのですが、あんまりその実感が無い方が多いのではないかと思います。
今回はその原因と改善提案を行う回です。
①販売数制限により全員に十分なカードが行き渡らないような設計。
PaytoWin、不平等なカードゲームを実施。について
とりあえず、こちらの公式記事を見ていただきたい。
今回の第3回公式大会の上位デッキリストです。
ぱっと見の感想でいうと「他のトレーディングカードゲームと何も変わらない」。
今回は「白」という環境で一番強いデッキ(いわゆるメタデッキ)があって他の色がバラバラと続いていると。そして「白」デッキの内容はほどんと同じであると。
最近発売されてた白のカードは強かったですね。という感想しかない。
もちろんレジェンドを持っている持っていない問題はあるのですが、他の主要パーツは基本みんな所有していることが前提となっています。
レジェンド枠:大天使フリッカ:700,000円 プリンセスブロッサム:250,000円
ゴールド枠:猫耳魔法騎士 ユキ:9,000円、他のゴールドカード:大体1,500円くらい
といった感じなので、レジェンドを考えなければ、2~3万円でデッキが組める状態。
DCGのデッキとしては高いけども、2次流通(転売)ができるので、まあ
1万円程度の負担を考えておけばよいと考えられる。また、同じく2次流通が可能な紙のトレーディングカードゲームと比較すれば、さらに安価である。
もっと言うと、同じブロックチェーンゲームのマイクリ、クリスペと比較してもかなりお安い。
つまり現在の状況として「paytowin」を体現しているのはレジェンドだけであり、お金を支払ったので勝ちやすいという部分が非常に限定的であるという状態です。
これは類似する次の問題に引き継がれます。
②ユーザー同士のトレードは自由。運営からの販売価格もオークション形式であるため、価格はプレイヤー自身が決めている。について
今、ゴールドの発行上限は1000枚なのですが、実際に販売されているのは大体100枚程度です。
ダッチオークションの性質上、売れていない時間があればあるほど、値段は下がります。そして値段が下がりきるのに十分な販売期間があるため、カードが欲しいプレイヤーは値段が下がりきるのを待ってから購入することが可能です。
当然、運営で行われるダッチオークションの価格は下がり続けます。
これはマイクリのダッチオークションが購入したときの値上がり幅が異常に高いことを受けて値上がり幅を調整した結果でもあります。
マイクリの場合、最早値段を運営が落としたいと思っても落とすことができないのに対し、クリスペは値段を上げることがもはや不可能な状態になっています。
もうそのカードが強かろうが弱かろうが、関係ないのですね。
需要の10倍、カードが用意されているわけですから。
念のために言うと、「カードの価格が安い」ことは悪い事じゃないです。
1枚100円~1000円程度でカードを販売していっても全然OK。
問題は「オークションをやっているのにオークションになってない」という1点です。
これらの問題に一石を投じたのがクリスペ×かとるすコラボオークションです。
この複雑なルールのオークションの功績は、「ユキ」の価格を9,000円までせり上げたことです。
つまり、現在のダッチオークションではすでに「応募者全員プレゼント」状態であったカードについてきちんと競りが行われたことにあります。
このオークションは
・事前入札でカードの発行数を測定→入札数の半分を発行数「X」に設定。
・決められた発行数に対して全員でオークションを実施。上位入札「X」人が落札。
・落札金額はギリギリ落札できなかった人の入札額と同額。
・落札額と入札額の差額は返金。
というルールで行われるのですが、発行数「X」を入札数の半分にするのか、3/4にするのか、1/3にするのかで発行数をコントロールすることができるはずで、かつ今のダッチオークションのように、運営の準備した発行数に対して需要が十分に達していなくてもきちんと競り合いが発生するという利点があります。
弱点はわかりにくい事でしょうか。
冷やかしの入札があると発行数が増えてしまう弱点があるのですが、冷やかしをする人に利点が全くないので、今回はあまり影響がなかったように感じます。
結果、僕はかなり優秀な仕組みだったと思うので、他のオークションで実践するのは全然ありだと思います。
雷帝ガインの時に実践されたオークションですね。
「連打を回避するために前回の2倍の価格で始めたら2倍の値段で売れてしまった」
という伝説を残したオークション方式ですが、ゴールドのオークションでもこの方式を実施してもよいと思います。その代わり、時間経過で落ちる金額の速度を2倍にすればいい。
そうすれば、「2倍でも欲しい狂ったカード」がもし出たらそれなりの値段が付くし、その他の場合はオークション開始直後に「連打」を行う必要も無くなります。
その上で、1枚が売れた時の価格上昇をマイクリ並みにしてもいいのかもしれません。
とうとうブレヒロのランドは定価販売になりました。
クリスペも、もう大体のカードの需要が分かっているので、カードを定価販売
または定価で枚数を制限して「抽選販売」にすることを検討してもよいかと思います。
③そもそもトッププレイヤーと同じカードが手に入らないのでデッキをコピーできない。そもそも流行っているカードゲームではないので情報があまり出回らない。について
これは本当にゲームとしてどうよという問題なのですが、要はデッキの核になるカードが著しく欠けている。
つまり、みんな色ごとに大体同じデッキを使っている。
同じ色には、同じカードが採用されている。これではデッキレシピも何もあったものではないです。
やっと種族シナジーのカードも出ているが、カードの内容がかなりおとなしめである状態。
そして平均キルターンが8ターン程であるのに、売られているゴールドカードはやたらと重い物が多いし、重いわりにそれほど強くない。
環境を壊すことは無いだろうけど、じゃあこれ、だれが使うのかな?というゴールドカードが無数にあります。
これは、僕の勝手な予想なんですが、ゴールドの「後でナーフできない」という保証があるため、「組み合わせによって恐ろしく強くなる可能性があるカード」の作成を躊躇させていると考えられます。買取保障をしたら大打撃ですからね。
そして、現在の運営には、これから販売するカードが潜在的にどれくらい強いのかを正確に知るためのテストプレイを行う工数は捻出できない。
でもデッキの核となるカードとか、一見強すぎるカードが無いと、面白くないわけですよ。相性のいいカードを探して、マーケットを探すこともしないし、急に今までゴミとされていたカードに脚光が集まったりするトレーディングカードゲームの醍醐味みたいなものが全然ないわけです。
解決策の一個めはもう単純で、強いカード、エッジの効いたカードを作って売ればいい。基本的にどんなに強いカードを作っても大丈夫です。レジェンドの方が強いんで。同色レジェンドと相性を悪くしておけばなお安全です。
作れば売れるので、本当にどうしようもなくなったら買い取ります。
でも買取をすると宣言しても
・記念にとっておきたい
・買取がされるアナウンスを聞き逃した
等の理由で結構な割合のプレイヤーが買い取りに応じないはずです。
そのため、慣れてくれば、「やばいカードを出して買い取る」というサイクルも可能だと考えます。買取の通知を聞き逃したプレイヤーからのヘイトが凄いと思いますが。ただし確実に炎上は狙えます。
マイクリのレプリカヒーローのように、プレイヤーにテストプレイをしてもらうという手です。採掘でシルバーが全然でなくてつまらない。
レプリカシルバーが出てもなんか無視しちゃうってことはありませんか。
これで発売前のゴールド、それもやたら強そうに見えるカードが出てくればちょっと使ってみたくなりますよね。で、運営側はバトルレコードを監視してデータを取得して、能力調節の上販売、レプリカゴールドを削除するといった流れです。
急に話が飛んでしまって混乱させてしまうかもしれないのですが、このゲームは「不平等を楽しむゲーム」なわけです。
つまり、「俺はこのカードを持っている、お前は持ってない。」という状況を作りたいわけです。
だったら最初に全プレイヤーに渡してしまえばいいんじゃないか。という発想です。
手順1:シルバーカード提案で提案候補となっている各種50種類のカードをすべて内部的に搭載します。→250種類のカードが追加でクリスペ内に投入されます。
手順2:イーサリアムウォレットが紐づいているプレイヤー全員に手順1で追加されたカードから、ランダムに2枚を「ブロンズカード」として付与します。
・ブロンズカードなので、贈与できません。
・アカウントを贈与、売買をする場合イーサリアムウォレットの存在が大きな障害になります。
・このブロンズカードは採掘で出現しません。
・そのブロンズカードが提案によりシルバー化された場合、別の250種の特別なブロンズカードの1枚に置き換えられます。また、自身が採掘でシルバーが当選した場合、提案されたシルバーが排出されるようになります。
という感じで、各プレイヤーのアカウントに最初から差をつけてスタートさせる、そしてその差はお金をいくら積んでも、ゲームをいくら続けても埋まることが無い。そして、そのカード資産の差がデッキに差を生むと思うんですね。
「無難なゴールド」も相性差がでてくるだろうし、
カードゲームでこんな試みは見たことが無いので、すごく面白いと思うのですがどうでしょうか。
ここ数日ですごい数の提案をしている気がする。
それだけこのゲームに伸びしろがあるってことなんですよね。
多分次は選挙についてです。