
みにこーへいさんより、「ぶろっくちぇーんげーむ 2.0プロジェクト」として、みにみに大戦争のクローズドβテストの案内がありました。
内容はこちら。
このコンセプトが凄く良いと思ったので、軽い紹介となぜ良いと思ったのかと簡単に書いてみようと思います。
ぶろっくちぇーんげーむ 2.0の要旨:
①運営はアセットを販売するが、全販売アセットを販売額で買取保障する
②運営のアセット販売で集めた資金を運用することで利益を生み出す
これによるメリットとして、以下の点が挙げられています。
メリット1:ユーザーは買取保障があるので実質無料でゲームが楽しめる
メリット2:ユーザーがアセットの値上がり、値下がりのリスクを負う必要が無い
メリット3:買取保障しているので、運営がアセットの価値毀損を心配しなくてよい
メリット4:買取保障しているので、アセットの強さの調整(バフ、ナーフ)が容易
また想定されるデメリットは以下の通りです。
デメリット1:運営の利益率が低くなる
デメリット2:買取保障の信用性の担保が難しい(twitterでの意見より)
まず僕の意見を述べるために、みにこーへいさんの文章には書かれていない前提を上げさせていただきます。僕の意見はこの前提も追加された上でのものになります。
追加条件1:運営が買取を保証するのは期限が必要である
これはゲームの運営が未来永劫続かないため、仕方が無いことです。無期限に買取を保証すると宣言したところで、会社が潰れてしまっては買い取ることもできないわけですから、無期限買取保障というものは存在しません。
しかし、買取保障期間が短いと今回のコンセプトに反するので、今回は
「アセットの買取は販売から1年まで」
という前提とします。
追加条件2:同一アセットの販売は一定期間で終了する
運営が販売金額の100%で買取を宣言している以上、価値毀損を考慮する必要が無いので、いままでのブロックチェーンゲームのように発行枚数を絞る必要がありません。需要がある限り無限にアセットを発行して販売することができます。
しかし、同一種類のアセットの販売は一定期間で終了するべきです。
延々と販売し続けるアセットがあってもよいですが、少なくとも半数以上のアセットは期間限定販売が望ましいです。これは買取保障の期間をわかりやすくするためでもあります。
例)アセット「伝説の剣」 販売期間:2020/4/1~4/30、買取保障:2021/4/30迄
このように各アセット単体でなく、アセットの種類で買取保障の日程を示した方がアナウンスも容易です。
では上記2つの前提を加えたうえで、ぶろっくちぇーんげーむ 2.0が作り出すことができる状況を書いていきたいと思います。
理由1:アセットの絶版を伴った調整が可能
まずゲームの仕様面なのですが、今までの通常のゲームでは「販売したアセットをゲームで使用不可にする」ということはなかなかできませんでした。
しかし、買取100%保証のゲームではこれが可能です。
もっと言うと、事前に「1年後に使用不要になる」ことを宣言しておくことも可能になります。ユーザーは使用不能になったアセットを運営に買い取ってもらえば損はしないため、受け入れやすいと思います。
1年後に使用不要になることが前提とすることができるのは大きな意味を持ちます。
それはアセットを販売し続けても、使用できるアセットの種類が増えないということです。
アセットの種類が増えれば増えるほど、ゲームのバランス調整は難しくなり、調整を行うコストと調整を誤るリスクが増大します。
アセットの数を一定量に保つことはバランス調整の難易度を一定値以下に常にとどめることができます。また、アセットを使用不能にすることにより、ゲームの環境を常にリフレッシュすることが可能です。
定期的に古いカードを使用不能にしていくカードゲームは存在しますが、ユーザーとしてはカードを集めなおさなければならないため、ユーザーにとっては負担になります。そのため、ユーザー離れのリスクと常に隣り合わせになってしまうのですが、買取保障のルールがユーザー離れのリスクを軽減します。
では、新しいアセットを売って、古いアセットを買い取っていたのでは、運営はまったく利益を上げられないばかりか、アセット発行のコストばかりがかかりそうですが、実はそうではありません。
理由2:アセットの買取保障をしても、回収率は100%にならない
アセットが買い取り率100%で買取期限を過ぎたらゲームで使用できなくても、発行アセットが運営に100%戻ってくるわけではありません。
買取しなかったアセットの売り上げは運営の利益になります。
つまり、ぶろっくちぇーんげーむ 2.0の要旨で語られた
②運営のアセット販売で集めた資金を運用することで利益を生み出す
という利益構造に、「買取不可になったアセットの売り上げ」を加算することができます。つまり、「デメリット1:運営の利益率が低くなる」を軽減することができます。
この理由は以下の通りです。
A.思い出の品としてのアセット
1年間ゲームで使ってきたアセットがあります。明日でこのアセットは買取機関が終わってしまいます。でもこのアセットは1年間ずっと主力として使ってきました。
それなりに思い入れもあります。運営に買い取ってもらったら当然このアセットは手元からなくなってしまいます。
ではこのアセットを手放しますか?
ということです。取っておくか、買い取ってもらうのか、全員が全員同じ答えにはならないと思います。つまり一定数は買取が発生しないということです。
B,死蔵
ポイントカードが失効したことありませんか?最長2年くらいの有効期限があるのに、「いつでも使えるからと」放置したらいつの間にか失効していたってことありますよね?ぼくは沢山あります。
○○デンキ、○○カメラ、洋菓子店等々。
〇天スーパーポイントって失効が凄く速いですよね?狙ってるんじゃないかってすごく思うんですけど。
そういうことです。人間は論理的最善の行動を取るわけではないので、「めんどうくさい」「うっかりしていた」という理由で買い取られないアセットは結構な量になるはずです。
運営としてはそこを狙っている素振りなんて1ミリも出す必要はありません。何なら期限が過ぎても直接連絡があったものに対しては「特別に」買取をしてあげてもよいと思います。どうせ買い取るつもりだったものを買い取っただけで、なぜか神対応をしてくれる会社になることができます。
C.みにみに大戦争S
「買取不可になったアセットも使えるゲームがあるんですよ」
となったらどうでしょうか。
ルールは「みにみに大戦争」と同じ。違いは使えるアセットが多いだけ。
ただし、それだけで環境が全然違います。
サブ的な扱いなので、バランス取りはしないし、苦情は一切受け付けない。
でもやる人はいるんじゃないかな。
そしてこれは、今のブロックチェーンゲームと同じになるんですね。
買取保障によって大半のアセットが回収され、供給が絞られている。
好きにデッキが作れない環境。
ブロックチェーン1.0とのセルフコラボも可能というわけです。
理由3:ユーザーが気軽に投資をする
今度はアセットの売り上げについてです。
あるアセットが1,000円で売っていたとします。
1ユーザーあたり2枚まで使用が可能だとします。
買取保障100%なので、「とりあえず2枚買っておけ」で自分の使う2枚を買います。同じく他のユーザーもみんな(欲しい人は)2枚買うことができます。
しかし、ここで考えます。「同一アセットの販売は一定期間で終了する」ので、販売期間の後から参加したユーザーはこのアセットが買えないわけです。
じゃあ、「あとから参加したユーザーにはこのアセットが1,100円で売れるんじゃない?」となります。売れなかったとしても1,000円で買ったアセットが1,000円で買い取ってもらえるので、損失はありません。
結果、一般のユーザーが気軽に「仕入」をすることができます。
そして、いろいろなマーケットでばらまきを始めます。そしてそれらのアセットの値段は市場原理に基づき、ある一定の値、例えば1050円といった「販売者がちょっとだけ利益がある」値に収束するはずです。また、たまに超強力なことが後で判明し、プレミア価格になるアセットが生まれるかもしれません。
今のブロックチェーンゲームのアセットは市場にだぶついている量が非常に少ないため、相場が歪んでいるところがあります。しかし、買取保障をベースに、アセットの発行量が非常に多くなり、市場に大量のアセットが並ぶので相場の形成が容易になります。そしてこれは「盛り上がっている感」も出るので、新規ユーザーを呼び込むのにも非常に効果があるはずです。
正直、みにみに大戦争がどんなゲームかわからずに書いているんですが(画面見る限りはにゃんこ大戦争的タワーディフェンス)、このシステムは基本的にアセットを販売するどんなゲームにも融通が利くと思うので勢いで書いてみました。
どうも法的リスクとかあるのかもしれないのですが、その辺はちょっと僕は詳しくないので、いいと面だけを誇張して書いていることになっているかもしれません。
しかし、現状のブロックチェーンゲーム、および他のアイテム課金ゲーでもなかなかできない調整が可能になる、未知のの可能性の一つだと思うのでぜひ成功していただきたいと思っております。クローズドβ楽しみにしております。
クソゲーだったら1日で辞めてしまうかもしれませんが、非常に期待しておりますし、どちらかというとアセット販売からが勝負だと思うので、期待させていただいております。