東南アジアの料理によく使われる独特の風味があるコリアンダーですが、最近では日本でも好んで食べる人が増えています。
なかなかスーパーでは手に入らなかったり価格が高かったりするというのもあり、自宅で栽培を始める人もいますが、なかなか上手く栽培できないという声も多いようですね。
今回はコリアンダーの栽培のポイントについてご紹介したいと思います。
コリアンダーは地中海沿岸原産の一年草で、主にハーブとして利用されます。
古代エジプトでは薬として利用されていて、古代ギリシャでは種子をトウモロコシのパンなどに入れて食べられていたと言われています。16世紀にスペインから南米に伝わり、現在ではペルーやメキシコ料理に欠かせないスパイスとなりました。
日本には10世紀ごろに中国経由で入ってきたという説もありますが、正確な時期はハッキリしておらず、定着もしなかったようです。しかし江戸時代にポルトガル経由で入ってきた時は、ポルトガル名の「コエンドロ」という名前が和名でも使われていました。現在ではタイ名の「パクチー」や中国名の「シャンツァイ」と呼ばれています。
東南アジアや中国では葉を薬味として、茎や根は煮込み料理に使われ、種である「コリアンダーシード」はカレーなどのスパイスとして利用されます。
コリアンダーを栽培する時は、水はけのよい土が適しています。鉢植えの場合は赤玉土6:腐葉土4の割合で混ぜた土を使用してください。
プランターの場合は、根を傷つけないためには深めのプランターが良いので、深さは20~25㎝以上のボウル型がおすすめです。
種を蒔く時期は春か秋がベストですが、春に種を蒔くと、十分育たないうちに花が咲いて葉が固くなってしまう事があるので、寒冷地以外では秋蒔きの方が適しているでしょう。
一度植えれば収穫して枯れてしまうまで植え替えの必要はありません。もし新たに苗を増やす場合は、大きくなってしまうと根付きが悪くなるので、できるだけ小さいうちに植え付けてください。
置き場所は日当たりの良い所を好みますが、少々日陰があっても育ちます。
雨などに当たって茎や葉に泥が付くと病気にかかりやすくなってしまうので、株もとにワラやウッドチップを敷いて泥除けを作ってあげると良いでしょう。
茎が伸びすぎると倒れやすくなってしまうので、支柱を立てて支えてやります。
土が乾いたらたっぷりと水やりをしますが、夏場は特に油断するとすぐに乾燥してしまうので、こまめに水やりをして下さい。鉢植えの場合は地植えよりも根腐れを起こしやすいので、水やりを控えめにします。
春に種まきをしたり苗を植えた場合は、花が咲いて枯れるまでのサイクルが短くなるので、あらかじめ土にゆっくりと効き目が表れるタイプの肥料を混ぜ込んでおくと良いでしょう。秋の場合は生育期間が長いので、春に追肥として即効性のある肥料を少量足しましょう。
随時若い葉を摘み取って料理に利用しますが、だいたい8㎝から10㎝位になったら大丈夫です。あまり大きくなり過ぎた葉は硬くて香りも弱いのであまり利用価値がありません。葉を使用する場合は、まだ苗が小さい時期に収穫しすぎると、花が咲かなかったり実が付かなかったりする場合があるので、種を収穫したい場合は注意が必要です。
種を収穫する場合は、完熟していない種だと香りが強烈すぎて料理には使用できないので、必ず完熟して茶色くなってから収穫します。種が茶色くなったら茎ごと刈り取って、風通しの良い場所で乾燥させて、日陰で吊るすなどして追熟させてから種のみを採って密閉容器に保存します。しっかり乾燥させないとカビが生える原因となるので気を付けましょう。
ハーブと言うと勝手に増えていくイメージがありますが、コリアンダーは収穫した種を蒔くことで増やします。
コリアンダーの種は半球状の2つの種がくっついて球状になっているので、それを1つ蒔くことで芽が2つ出てきます。1本ずつ育てたいという方は、軽く力を入れて指で割るときれいに割れるので、種を半分に割って蒔くと良いでしょう。
コリアンダーは枝分かれしにくい太い根が出ますが、1度傷ついてしまうと育たなくなってしまうので基本的に植え替えはできない一年草です。毎年楽しみたい場合はこまめに種を収穫するのがポイントですよ。
ご紹介したコリアンダーの栽培の仕方を参考にしていただいて、毎年フレッシュなコリアンダーを収穫してみましょう!
コリアンダーの栽培で知っておきたい5つのポイント
・コリアンダーとは
・用土と植え付け
・日常の手入れ
・収穫
・増やし方
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