セージという名前は、聞いたことのある人が多いでしょう。セージはハーブの一種で古くから香辛料として使われてきただけでなく、薬用にも利用されてきました。
料理にも使用することの多いセージは、育てているとちょっとした時に利用でき便利でしょう。今回は、花だけでなく、収穫後の楽しさもあるセージの育て方のコツをご紹介します。
セージは、水はけが良く水持ちも良い土を好みます。赤玉土5、腐葉土3、バーミキュライト2の割合で土を整えるか、ハーブ専用土に植え付けましょう。セージはアルカリ性の土を好みますが、日本の土は弱酸性のため、地植えの場合には有機石灰や苦土石灰などで調整が必要です。
生育の適温は15~20度と言われているため、春か秋が種まき、植え付けや植え替えの時期です。種から栽培する場合には、まずは3~4粒ほどずつを15~20cm間隔で蒔き、2週間ほどで発芽したら込み合っているところや育ちの悪い芽を摘み取り間引きをし、本葉が5~6枚になったら苗床から外し、定植しましょう。比較的大きい種なので、直蒔きも可能です。
植え替えは、鉢から出した株の周りの土を3分の1ほど落とすと共に根を少しほぐし、新しい土に植え替えましょう。特に根が良く育つため、株の一回り大きめの鉢に植えることをオススメします。60センチのプランターなら2株、7号鉢なら1株程度でしょう。
セージの育て方で大切なのが、水やりのタイミング。必ず土の表面が乾いてから与えましょう。常に土が湿っていると根が傷むだけでなく、センチュウの被害を受けたり、軟弱な株はダニ類が付きやすいため、乾くまで待つのがポイントです。地植えにする場合には、根付いた後は特に乾燥していなければ必要ありません。夏は乾きやすいため、乾燥しすぎないように注意が必要です。育成が遅くなる冬は、乾き気味に整えるために水やりの回数を減らします。
肥料は必ずしも必要ではありませんが、株や苗の植え付け時にゆっくりとした効き目のある肥料を土に混ぜ込んでおくと良いでしょう。また、4月~6月の芽吹き花が咲く時期には、月に1度固形肥料を与えましょう。夏は弱っている時期で、肥料を与えても根が吸収できないため与える必要はありませんが、育ち方を見ながら必要ならば9月ごろにも固形肥料を与えても良いでしょう。
葉を収穫して使用することの多いセージは、茎や葉の成長に良い窒素分の豊富な肥料がオススメです。
セージは、比較的丈夫で育てやすい植物と言われています。しかし、湿度の高い梅雨時や、暑い夏の季節には注意が必要です。暑さとムレで根元付近の葉が枯れやすくなり、梅雨時に多湿で弱った株は、その後の夏の暑さでより枯れやすくなります。
開花後の花茎を付け根から取り除き、梅雨の前には、ムレないように密集した枝をカットして間引きをし、内側の株まで風通しよく日差しも届くように整えましょう。また、初夏から秋までは、多めに収穫を行っても芽吹く速度も速いため問題ありません。
霜や冬の冷たい風に当たることで葉が枯れてしまうことがあるため、冬の前には根元から3分の1あたりから枝を刈りこむと良いでしょう。枯れたように見えても、温かくなれば新しい葉が出る可能性があります。
セージを育てるには、日当たりが良い場所での栽培がポイントです。日当たりが悪い場所では、葉や茎が伸びても細く元気がありませんし、花つきも悪くなります。元気な株にするには日の光が必要です。
梅雨時と夏の盛りには、風通しが良く西日に当たらない場所での栽培がオススメです。
寒さには比較的強いですが、葉の育ちが悪くなる事があります。鉢植えならば、屋根のある場所や霜に当たらない場所に移し、地植えの場合には、根元に腐葉土を敷き詰めるなどし、寒さ対策をしましょう。
セージは長年育てていると株が大きくなると共に、老化し木の枝のようになるため茎が折れやすくなります。そうなると、生育も遅くなるため、挿し木などで苗を作っておくと良いでしょう。4年に一度ほどのペースで株を新しくすることをオススメします。
挿し木以外にも、とり木でも苗を作ることが可能です。伸びた茎を地面に倒し、茎の途中に土を盛ります。その状態で一カ月ほど経つと、根が伸びるため、切り離して苗にすることができるでしょう。
茎がある程度伸びれば、先端の芽の先を摘み取る摘心という作業を行いましょう。また、開花したら20~30cmを残してカットするのも良いでしょう。そうすることによって、下の方から芽吹き茂ってくるため、枝葉がたくさん出ることで、収穫量が増えます。
前の年に伸びた枝の先に花を咲かせるため、花を楽しみたいという場合には、刈り込むタイミングは春を避けます。また、初めに咲いた花の枝は脇芽の上の辺りで切ると次々と花芽が増え、たくさんの花を見ることができます。
セージの育て方は、コツをつかめば簡単です。様々な種類があり、香辛料として利用されるのは主にコモンセージと言われる品種です。栽培初心者にも育てやすく、花だけでなく香りを楽しんだり料理にも使えるハーブと言えるでしょう。一度に収穫するのではなく、柔らかい茎や葉をカットし使う分だけ収穫することも可能です。また、収穫後は日陰で乾燥させて保存することもできます。
豚肉料理に使用すれば、臭みを消しますし、肉の脂肪分を中和したり消化を助けます。ハーブティーも良いですし、冷めた物をうがい薬として利用することも可能です。
小さく育ててキッチンハーブとして利用するには、挿し木で小さい苗を育て、1年ごとに更新すると良いでしょう。
まとめ
セージの育て方で知っておきたい5つのポイント
・植え付けと用土のポイント
・セージの水やりと肥料
・高温多湿と寒さに注意
・日当たりと栽培場所
・新しい株へと更新
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