退職などで社会保険から国保に、そして就職したり起業したらすぐに社会保険へ移行するのが一般的だと思いますが、この切り替え中に国保(健康保険証)を使った場合、社会保険に移行後に、国保負担の7割分(負担分の多い治療等もある)が請求されます。(返納指示)
納付期限は「発送から1か月以内」とかなり短期に設定されており、すぐに支払わなければならず、支払わなかった場合、額面や態度により差し押さえを受ける可能性もあります。
ではそれほど短期で重要視されるお金の動きはどのようなものかというと、
「Aさんは国保に現金で返納、同額を健保からAさんの口座に入金。」
という謎の「行って来い」な手間と資金移動、これは事務作業発生案件ですね。
むしろこの無駄な事務作業は中抜き大好きな御上のアレかもしれませんが、
個人とやり取りするのか、健康保険の登録先とやり取りするのかの違いだけですね。
支払手続きは市役所や出張所等で窓口に渡せばすぐに終わります、超簡単です。
しかしこの「同額を健保からAさんの口座に入金」までの道筋は
長く険しい道のりです、とても手間がかかります。
これが少額の場合、支払ったけど返してもらう方法がわからない、もしくは分かったけどすごい手間だし、領収書の原本無いしまぁいいや、となる人も結構いるのではなかろうか。(実際は医療費の領収書原本ではなく返納した用紙の領収原本)
長く険しい道のりの理由のひとつに
国保の返納請求の中にどうすれば良いか詳細は記載されていない。
という壁があります、「新しい健康保険に問い合わせてね」というように書いてはありますので、一緒に入っている「診療報酬明細書」を頼りに、申請する場所を調べ、送り先を自身で調べ、どうしても分からなければ「私たちでは無く新たな登録先に電話をして確認しなさい」という事なのだが、通常こうした事は初めての人も多いだろうから、どう質問したら良いかもわからないケースも多いように思う。
ちなみにその申請書の名前は
で、申請書はこちら → リンク - 協会けんぽ 申請書
パンくず的に
ホーム>申請書>健康保険給付の申請書>健康保険療養費支給申請書(立替払等、治療用装具、生血、海外療養費)
必要書類は
・返納時の用紙に書かれている人数分の申請用紙2枚×人数分
・納入通知書兼領収書、現金で返納した時の領収書ですね。(領収日付印必須)
・同封された開封厳禁の診療報酬明細書
の、3点です。
さらに申請し辛くしている要素が「提出先も自分で調べる」。
自分の発送する管轄所を調べて封筒を用意して切手貼って送る、という急に放り投げられる感。
申請書記入から発送までほぼノーヒントで辿り着かなければなりません。
そして辿り着いたページはこんな感じなので「あれ?間違えたか?」となること請け合い、治療用装具とか生血ってなんだ。
立替払等ってのもピンと来づらい、一緒に臍帯血とか書いてあるし。
返納、返還提出など「返す」関係の語は無く、「申請書(立替払、生血、さい帯血)」が正解という不思議ぶり、なぜ一緒にした。
さらに申請しても不備に対する細やかなダメ出しが本当に細やか。
一番気になったのは申請書を完全に一人ずつ書く事、小さな子供だろうが配偶者だろうが、口座番号から生年月日まで同じ紙を人数分用意します。
一つの用紙に全員分は書けません、一人ずつです。3人ならA+BとA+CとA+Dの計6枚です、Aの意味よ。
こうした事でガンガン申請書の不備返戻されると、これで3,000円ぐらいの返納と取り戻しだと、「もういいや」となり、その後申請しない人もいるかもしれませんね。
申し込みの時は懇切丁寧で解約の時はヒントを手繰りという自分達がそういう事を止めろって国民に言うのに、自分達は良いってのは本当にダメですね。
傷病名とか発病という原因を書く欄がありますが、熱っぽくて受診した場合や病名が決まらないまま様子見となったようなものは空欄で良いのか記載はありません。
ちなみに低額で期間は一日みたいな場合は空欄でも構わないようです。
病院の名称、場所、担当医を記載する場所がありますが、開封厳禁の「診療報酬明細書」と、役所が事実を認めた明細書が入っているのに、まだ書かせるんですね。
そもそも金額も明細も「役所の認めた資料が添付」されていないと申請すら出来ないんだから、書く必要がそもそも無い、ちなみにここで字が汚くて読めなかったり病院の名前を一文字間違えて書いたらやり直しです。
で、
この切り替え時の処理がしんどいので、マイナンバーが保険証代わりに出来るよ!
という事ですが…?
ので、この選択肢はありません、手間しか生まれません。
どこでも使える保険証と使える場所が限定的なマイナン保険証で単純に一枚多く持つだけという不思議ぶり。
政府で個人情報の深度を下げて管理したいのなら、もう少し国民に寄り添っ…って
それが無理だから今の状態なのか。
ではでは。