ども、Takaです。
今回は、幻のコイン、テレグラムの「Gram」についてまとめてみました。
今となっては存在すら知らないという人も多いのではないでしょうか。
テレグラム(Telegram)とは
TON(トン)/Gram(グラム)とは
ICOによる資金調達
SECとの対立
Free TON(フリートン)の始動
まとめ
テレグラム(Telegram)は、今や世界的に有名なチャットツールです。
仮想通貨プロジェクトの情報共有の場としても頻繁に利用されるので、多くの方は利用したことがあるかと思います。
もともと2013年にロシアの非営利団体によって開発された無料アプリで、メッセージだけでなく、音声通話やファイル交換などの機能も充実しています。
現在は約4億人のユーザーを抱えるまでに成長した一方、犯罪への利用が問題視されることから、規制や監視の目が厳しくなっています。
2017年12月、Telegramの創業者「Pavel Durov」氏は独自のブロックチェーンである「TON (Telegram Open Network)」と、TON上に発行されるネイティブトークン「Gram」の計画を発表しました。
TONは「Google Play」や「App Store」のような分散型アプリの基盤でありながら、1秒間に数百万のトランザクション処理を可能にする決済プラットフォームとされています。
また、クレジットカードよりも低い送金手数料によりマイクロペイメントを可能にし、キャッシュレスを推進することを目的としています。
TONの承認システムはプルーフオブステーク(PoS)を採用しているため、Gram(グラム)はバリデータの役目を果たし、報酬としても配布されます。
また、GramはTONエコシステムにおける基軸通貨としてチェーン上で展開されるサービスの決済に利用される予定でした。
とはいえTONのホワイトペーパーは一般向けには公開されておらず、開発も内密的に行われていたため、具体的な計画や進捗状況は不透明な部分が多いです。
2017/18年といえばICOバブルの最盛期。
当然テレグラムのICOは世界的な注目を集め、2度にわたるプライベートセールの結果、合計で17億ドルの資金調達に成功しました。
先日、海外仮想通貨取引所のFTXが9億ドルの資金調達に成功したことが話題になっていましたが、それと比較してもすごい額であることが分かります。
ちなみに当初の予定では、その後一般投資家向けのパブリックセールも予定されていましたがこちらは中止となりました。
表向きの理由は「十分な資金が集まったため」とされていますが、この時からすでに米国証券取引委員会(SEC)に目を付けられていたという噂もあります。
巨額の資金調達に成功したテレグラムですが、ICOが行われた時点ではGramトークンはリリースされておらず、あくまで将来のGramの受け取りを約束するものでした。
米国証券取引委員会(SEC)はこれが違法な証券販売に当たると問題視し、テレグラムは開発の一時停止を余儀なくされました。
その後もテレグラムとSECの対立は続き、2019年10月にはSECがテレグラム社に対して提訴を起こします。
最終的な判決によってテレグラム社は、
・SECへの1850万ドルの罰金
・投資家への資金返却
を裁判所から言い渡されて決着となりました。
そして2020年5月、テレグラムはTONプロジェクトとGramの発行を中止することを発表し、仮想通貨計画に終止符が打たれました。
完全に終了したかと思われたTONプロジェクトですが、実は続きがあります。
TONはもともとオープンソースとして開発されていたため、コミュニティがTONの開発を引き継ぎ、2020年5月には「Free TON(フリートン)」という新たなブロックチェーンが生まれました。
Free TONは中心的な組織が存在しない分散型のプロジェクトです。
また、Telegramとのつながりはなく、完全に独立したものになります。
各地域のコミュニティがそれぞれ独自に開発を行っており、日本のチームも存在します。
Free TONのブロックチェーンは階層型のマルチチェーンで構成され、メインとなるマスターチェーンのブロック生成時間が非常に短いことが大きな特徴です。
Free TONにはネイティブトークンである「TON」が存在し、他のチェーンと同様にガス代やガバナンスとしての役割を果たします。
このTONトークンはICOのような初期販売が全く行われておらず、発行量のほとんどがFree TONでの活動に対する助成や報酬のために配布されます。
多額の資金と時間を注ぎ込んで開発されたTONとGramは、規制の風当たりを受けて失敗に終わりました。
Telegram社にとっては実に大きな損失です。
しかしその意思と技術はコミュニティへと継承され、分散化された形でより公平な環境を作り上げることに寄与しています。
これはまさにブロックチェーンらしい発展の形とも言えそうです。
ミスビットコインとして知られる「藤本真衣」さんのツイートにも、まさにそんな言葉がありました。
世知辛い世の中ですが、どのプロジェクトも頑張って欲しいですね!
ブロックチェーンの未来に幸あれ!
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