こんにちは!
kojiro_oliviaです。
いつもは記事の冒頭に載せているクリスペ駄文学ですが、今回は興が乗って長く書きすぎてしまったので、単体での投稿となります。
主人公の名前は敢えて伏字(○○○)にしておりますが、とあるクリスペカードのキャラ名が入ります。
随所にヒントをちりばめておりますので、クイズ感覚でもお楽しみいただければ幸いです。
それではどうぞ。
......
○○○は激怒した。
久方ぶりに訪れたまちの、あまりに変わり果てた様子に、道行く老爺を掴まえ問いただす。
しかし、老爺は○○○の問いには答えず、ただ一言、
『甘いの』
とだけ言い、一枚の札を手渡して去っていった。
すると、○○○の脳裏に、邪智暴虐な王の情報が流れ込んできた。
「あの老爺は一体、、、いや!それよりも王だ、もはや生かしておけぬ。」
怒る○○○は王城へと向かったが、そこに前衛持ちの兵士が立ち塞がる。
『そらぁ、喰らいなぁ!』
突破を試みた○○○であったが、敬虔なる歩哨を倒すことは叶わず、取り押さえられた。
王の前に引き出される○○○。
「下賤な反逆者め、お前を裁判にかける工数すら惜しい、よって磔刑とする。」
「ああ、哀れな王よ。自惚れているがよい。私は、ちゃんと死ぬる覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、――」
と言いかけて、○○○は足もとに視線を落し瞬時ためらい、
「ただ、私に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さい。必ず、ここへ帰って来ます。」
「ばかな。」
と暴君は、低く笑った。
○○○は必死で言い放つ。
「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。そんなに私を信じられないならば、よろしい、私の無二の友人を、人質としてここに置いて行こう。」
それを聞いて王は、残虐な気持ちで、○○○の願いを受け入れた。
...
明朝、○○○の友、ガバナンティウスが王城に召された。
○○○は、友に一切の事情を語った。
ガバナンティウスは無言で首肯き、○○○をひしと抱きしめた。
解放された○○○は、すぐに出発する。
「急がねば、、もうすぐ正午になる。」
○○○は、道中、騎竜をレンタルし、疾走した。
『行っけぇ!』
宿へと転がり込む○○○。
「間に合った!」
それから三日間、○○○はチャレンジカップに勤しんだ。
...
「よし!入賞だ!!」
時刻は23時、○○○の順位は10位であった。
達成感と安堵感に包まれる中、○○○ははたと思い至る。
「ガバナンティウス!!!」
宿を飛び出る○○○。もはや思い残すことはない。
刑場へと疾走する竜騎士○○○。
陽は、とっくに沈んでいる。
誰もいない刑場へと転がり込む○○○。
そこには、無残に否決されたガバナンティウスの姿があった。
「ああ、、ガバナンティウス!!!」
駆け寄る○○○。
「すまない、、すまない!!ガバナンティウス。だが、君のおかげで私は、チャレカに入しょ、、!?」
ランキング画面を再確認した○○○の目に入ってきたのは、11位の表示であった。
他プレイヤーの魂戦によって、順位が変動したのである。
「...ぁぁぁ」
声にならぬ声を上げ、バロンは崩れ落ちた。
その背後には、あの老爺が、静かに佇んでいた。。。
『...甘いのぅ』